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「飲み放題5000円」のはずが…レンタルスペースで“ぼったくり”被害 なぜ悪用される? 2つの理由を記者が解説

07/31 18:20 配信

 ABCテレビ・大阪府警担当の記者が関西で起きた事件を取材し徹底解説する「なにわ事件簿」。

 今回は“ぼったくり”の新手口についてです。

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「飲み放題5000円」のはずが…思わぬところで“ぼったくり”被害に

マッチングアプリで出会った女にバーに誘われた男性

 事件は去年11月、大阪・ミナミで起こりました。被害にあったのは20代の男性です。

 男性はマッチングアプリで知り合った女と2カ月ほど連絡を取り合った後、会うことになったそうですが、女性から「バーに行こう」と誘われ、バーでは店員から「飲み放題5000円」と説明があったといいます。

 しばらくすると、店員から「女性が頼んだ酒は飲み放題とは別、1杯3000円」と金を要求。

 さらに「あなたの対応に人を取られて、店に損害が出た」などと言われ、男性は計962万円を支払いました。

このバーは実は…「レンタルスペース」だった

 この事件に関与したとして、男女10人が逮捕されました(うち9人起訴)。バーに誘った女はサクラで、店員も実際の店員ではありませんでした。

 詐欺の疑いで逮捕・起訴された森田尚希被告が「指示役」だったとみられます。

 ここまでは一見、いわゆる「ぼったくりバー」のように見えますが、この事件の現場となったバーは実は「レンタルスペース」として貸し出されていた場所でした。

 今回、事件の舞台となった「レンタルスペース」を取材しました。

バーの営業時間外はレンタルスペースとして貸し出し

バーの営業時間外はレンタルスペースとして貸し出し

記者リポート
「大阪ミナミのぼったくり被害があったレンタルスペース、今回特別に取材を許可されました。中に入りますと、まず目に入るのが、お酒のボトル。20本ほど並んでいるでしょうか。

「そして磨き上げられたグラスがたくさんあります。手前にはカウンタ-、店の奥にはボックス席。これはレンタルスペースというより“バーそのもの”ではないでしょうか」

 いったい、どういうことなのでしょうか?レンタルスペースのオーナーに、話を聞くと…

レンタルスペースのオーナー
「24時以降がバー営業をしていて、それ以外の時間帯をレンタルスペースとしていろんな方にお貸ししている」

 オーナーによると、バーはミナミで働く若者やキャバクラのアフター利用を見込んで、深夜0時から朝方までの営業。

 それまでの時間を、結婚式の二次会やドラマの撮影など、レンタルスペースとして1時間約4000円から6000円で仲介サイトを通じて、貸し出しているといいます。

被告らは「大学生くらいの普通の子」「週に1回ぐらい来ていた」

被告らは「週に1回ぐらい来ていた」

 被告らは頻繁に、このスペースを借りていたといいます。

オーナー
「去年10月11日に来て…これですね。(予約リクエストが届いた画面を示す)これが最初ですね。そこから1カ月ちょっとの間で5~6回。週に1回ぐらい来てくれている感じでした。頻度が多いなっていうイメージ。去年11月10日の利用目的は“合コン”になってますね」

 利用時間は、いつも午後7時から午後11時までの4時間。被告らは2万円ほどの代金を払い、この場所を利用したといいます。

貸し出しの際はオーナーと直接顔をあわせていた

 貸し出しの際にはオーナーが直接、被告らと顔をあわせていました。

「大学生ぐらいの男の子が入ってきて、普通のその辺にいそうな。ぼったくりバーと聞くと、怖そうな人とか体格大きい人のイメージがありましたが、そんな方は1人もいなくて。その辺にいそうな子。対応も腰が低くて敬語やったので、若い割にしっかりしてるなという印象でした」

 部屋の使い方にも、不審な点はなかったといいます。

「たとえば店が何か荒れてるとか、グラスが割れてるとか、(ふだんは)お酒をこぼしてびちゃびちゃになっていることがありますが、そういう形跡もなく。若いのにきれいに飲んだんやなという印象」

 オーナーが願うのは、健全に楽しんでもらえる場の提供です。

「自分がやっているバーの空間でこういうことに使われてしまって、被害に遭われたことに関してはすごく申し訳なく感じていまして。こういった被害が二度と生まれないように、レンタルスペースの時間もスタッフが常にいるようにとか、そういった対策を取って今は運営しています」

なぜレンタルスペースが悪用される? 記者解説

なぜレンタルスペースを選んだ?

 なぜ、詐欺の現場にレンタルスペースが使われたのでしょうか。大阪府警担当の西嶋汐莉記者が2つの理由について解説します。

 理由の1つ目は「コスパの良さ」です。

 新たにバーを作るには、テナント契約やソファ、お酒といった内装などの初期投資が必要ですが、レンタルスペースならそうした初期投資が不要です。また、アプリで簡単に予約でき、今回の事件では4時間で約2万円という低コストで利用できました。

 理由の2つ目は「ヒット・アンド・アウェイ」です。

 逮捕・起訴されたグループの活動拠点は東京で、遠く離れた大阪のレンタルスペースは偽名で予約されていました。準備に時間をかけず、身元を明かさず、すぐに立ち去ることができるということで、詐欺グループにとって、あらゆる条件が好都合だったとみられます。

被害に遭わないために…「実在する店かどうか検索を」

被害に遭わないために…「実在する店かどうか検索を」

 レンタルスペースの予約サイトによると、バー形式のレンタルスペースの掲載数は、2020年と比べて約2.4倍に増えています。

 バー形式のほか、サロン形式やジム形式などの掲載も増えており、こうした場所が新たな詐欺に使われる恐れもあります。

 では、被害に遭わないためには、どうすればいいのでしょうか。

大阪府警担当・西嶋汐莉記者

 西嶋記者によると、大切なのは「実在するお店かどうか、自分で調べること」です。

西嶋記者
「住所や店名、営業時間などを検索すると、なりすまし店舗の場合は、検索しても情報が出てこないことが多いです。また、今回のように一部の時間帯をレンタルスペースとして貸し出している場合、営業時間を調べることで本物の店かどうかを確かめることができます」

(「newsおかえり」2026年7月31日放送分より)

最終更新:07/31 18:20

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