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今年は異例の“台風ラッシュ”なのに…水が足りない? 世界規模の「水破産」時代が到来! 秋以降の見通しについて岡気象予報士が徹底解説

08/24 11:30 配信

台風に渇水…今私たちに起こっていることは

 今年は台風が多いと感じていませんか。8月20日時点で、すでに18号まで発生。2020年以降で最多のペースです。

 それなのに、全国各地で“渇水”のニュースが相次いでいます。

 台風ラッシュと渇水が同時に起きる理由、そして今後の見通しについて、気象予報士で防災士の岡雄介さんに詳しく聞きました。

千葉豪雨被害の過半数が「想定区域外」で発生 河川から遠くても安心できない「内水氾濫」のリスク あなたの地域は大丈夫?

1月から毎月発生、異例の台風ラッシュ

1月から毎月発生、異例の台風ラッシュ

 今年は8月20日時点で台風18号まで発生。2020年以降で最多となっています。

 また、今年は毎月台風が発生しており、岡さんによると「過去2、3回あるかないか」という珍しい状況だといいます。

 通常、1年間で発生する台風の数は25個ぐらいとされているので、いかにペースが速いかがわかります。

今年はなぜ台風がハイペースでやってくる?

 なぜここまでハイペースなのでしょうか。岡さんはその理由を2つ挙げました。

 1つ目は、フィリピン付近から吹く南西の季節風(モンスーン)が今年は強く、太平洋高気圧の周りを吹く東風とぶつかることで、台風の“卵”が生まれやすい状況になっていること。

 2つ目は、5月から続く記録的な暑さによる海水温の上昇です。つまり、台風の“卵”が発生しやすい場だったことに加えて、海水温の上昇により一度発生するとすぐ台風に発達しやすい状況だったということです。

夏の台風は“迷走”しやすい

これまでの夏の“迷走台風”

 また、夏は台風の進路が迷走しやすい特徴があります。

 偏西風が北に上がっているため、台風が風に乗りにくく、フラフラと迷走しやすくなります。

 過去には2016年の台風10号が一度南下してから北上するという珍しい進路をたどり、北海道・岩手で記録的な大雨をもたらし死者26人、負傷者14人にのぼりました。

 2018年の台風12号は統計史上初めて本州を東から西へと横断し、負傷者は35人にのぼりました。今年は台風15号が茨城に上陸し、千葉豪雨の要因となりました。

地球から台風がなくなったら…

 大きな被害をもたらすことがある台風ですが、日本気象協会tenki.jpによると、海の表層をかき混ぜることで海水温を下げたり、深部に酸素を届けて生態系を育む働きもあります。

 台風がなくなると生態系が維持できなくなる可能性もあるといいます。

台風は多いけど…渇水多発 ダムの貯水率が激減

台風は多いけど…渇水多発

 今年は多くの台風が発生している一方で、渇水が問題になっています。

 実は、今年18個発生した台風のうち、本州に上陸したのは現時点で2個だけ。ほとんどの台風が本州に上陸していないためです。

 岐阜県では、カヤックや釣りで訪れる人が多い御母衣ダムの底がむき出しになっています。

 また、高知県の早明浦ダムは6月26日には貯水率100%でしたが、8月20日0時時点では32.9%まで落ち込みました。強烈な日照りが続いたことが主な原因だと岡さんは指摘します。

「水破産」の時代、世界でも深刻な渇水

『世界規模の水破産』の時代に!?

 こうした問題は日本だけではありません。国連大学 水・環境・保健研究所のカーヴェ・マダーニ所長は「『世界規模の水破産』の時代に入ったことを宣言する」と述べています。

 インドネシアでは貯水池の水が干上がって、水没していた住宅が地上に浮かび上がりました。

 また、ルーマニアでは原子力発電所への冷却水が不足し、川の岩盤を爆破して水の流れを変えるという対策までとられています。

岡さん
「地球には海水を中心に水がたっぷりありますが、人々がすぐに利用できる淡水が足りなくなってきている、というのが『水破産』という言葉で表現されています」

なぜ世界で渇水に?

 国連大学によると、渇水が深刻化した原因は大きく3つあります。

・地下水などの過剰利用(人口増加に伴う農業・生活用水の大量消費)
・生活排水などの汚水(水を使って汚してしまい、循環できなくなる)
・気温や気象パターンの変化・気候変動(降る場所と降らない場所の極端化)

 気候変動による影響として、岡さんは梅雨の変化も例に挙げました。かつての梅雨はしとしと長く降り続けるものでしたが、今は「一時的にざっと降って、バッと晴れて暑くなる」という極端なパターンに変わってきているといいます。

この秋も台風ハイペース…でも渇水が回復する可能性は低い

この先の見通しは

 気になるのは、この先の見通しです。

 岡さんによると、台風の発生を促す条件は今後も大きく変わらない見込みなので「例年より台風の数は多いペースが続く」とみています。

 さらに今年は“スーパーエルニーニョ”の影響で、台風の発生海域が例年より南にずれる傾向があります。その分、日本に来るまでに長い距離を移動するため「じわじわ発達して巨大化する可能性が高まる」ということです。

気象予報士・防災士 岡雄介さん

 しかし、台風が多くなっても「渇水が全回復する可能性は低い」と岡さんはみています。

 気象庁の1カ月予報でも、全国的な降水量は「平年並みか少ない」予想です。台風が来た時だけ一気に降って、それ以外は降らない、降水量全体としては少なくなる可能性があるということです。

 また、極端に降る雨は地表を流れ去ってしまい、地面に染み込みにくい特徴があり、しとしと長く降る雨のほうが貯水率が上がりやすいということです。

 では、ダムに水をためておけばいいかというと、今度は豪雨のときに川が氾濫するリスクが高まります。そのバランスをどう取るかが、今後の大きな課題だと岡さんは強調しました。

 夏から秋にかけて、台風情報をこまめに確認することが重要です。

(「newsおかえり」2026年8月21日放送分より)

最終更新:08/24 11:30

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