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大阪市・民泊規制強化の裏で“ヤミ民泊”増加の懸念&再び空き家化するリスクも 大阪・西成区の現場を取材
09/15 18:12 配信
インバウンド需要の拡大を背景に急増してきた大阪の民泊。しかし騒音やゴミ問題などトラブルが相次ぎ、大阪市はついに規制強化へと動き出しました。
一方で「ヤミ民泊が増えるのでは」という新たな懸念も浮上しています。
「1区画まるごと全部民泊」西成区の実態
民泊問題の改善に取り組む山田有生さん
大阪市西成区に、市内でも有数の民泊密集地帯があります。
現地を訪れると、「1区画まるごと民泊」や「長屋を改築した民泊」が広がっています。その多くが「特区民泊」と呼ばれる形態です。
特区民泊とは、増加するインバウンドに対応するための住宅での宿泊事業で、国家戦略特区として国が指定した地域でのみ認められているものです。
大阪市は全国に先んじてこれを推し進めてきました。
ところが・・・民泊施設と利用者の増加に伴い、騒音やゴミなどのトラブルも急増。地元で宿泊業を営みながらNPO団体を立ち上げ、民泊トラブルの実態調査に取り組んできた山田有生さんは、状況の深刻さを訴えてきました。
規制強化から3か月 地元住民の声は
相次ぐトラブルへの対応として、大阪市は今年5月末で特区民泊の開業申請の新規受付を停止。
規制強化から3か月が経ち、西成区の住民の中には「騒音とかゴミとかのトラブルは減りました、まあそれなりに」と改善を感じている人も出てきています。
一方で、別の住民は「朝起きたら絶対ある」とタバコのポイ捨てを嘆き、「民泊に来た人が近くに座って吸うのだけはやめてほしい」と話すなど、まだ残されている課題も多そうです。
旅館業法に基づく申請が急増 条例改正案を提出
大阪の民泊を巡るこれまでの経緯
特区民泊の新規受付が止まると、次の受け皿として「旅館業法に基づく民泊」への申請が急増しました。
5月には22件だったものが、6月に40件、7月には100件を超え、わずか2カ月の間で約5倍にまで膨らんでいます。
ただし、旅館業法はそもそも民泊を想定して作られたものではありません。
建物の材質についての明記がなく、施設入口への緊急連絡先の表示が求められる程度のルールにとどまっており、民泊特有の問題に対応しきれていませんでした。
そこで大阪市は今回、旅館業法に基づく民泊の開業規制を強化する条例改正案を市議会に提出しました。
可決されれば、人が居住する建物での民泊は鉄筋コンクリートなど遮音性が高い造りであることが必要となり、宿泊者の滞在中は建物から1キロ以内にスタッフを常駐させることも義務付けられます。
木造建物では騒音トラブルが多く、近隣住民の生活環境を守るための措置です。
「ヤミ民泊」増加という新たな懸念も
ヤミ民泊が増えるという懸念
規制強化が進む一方で、新たな問題も見え隠れしています。それが「ヤミ民泊」が増加するという懸念です。
民泊の許可は、同じ物件でも運営する事業者が変わると取得し直す必要があります。「民泊許可取得済み」として販売されている物件でも、購入後に新たな申請をしなければ、それは違法な運営となってしまいます。
また、「周辺で民泊が増加して客が減ってきたため手放したい」という事業者が増えている一方、規制強化によって民泊のハードルが高くなったことで、ヤミ民泊の増加が懸念される状況になっています。
許可なく運営される民泊には、トラブルの際に誰が対応するのか分からなくなるリスクなどがあります。
地価上昇も・・・「再び空き家化」のリスク
再び空き家化するという懸念
西成区の住宅地価はここ5〜6年で20〜30パーセント上昇しており、2021年の18万7300円から2026年には22万7300円にまで達しています。
民泊向けにリノベーションにお金をかけた物件は周辺の物件より割高で売りに出されるケースがあり、買い手がつきづらい状況です。そこから「再び空き家化するのでは」という懸念も出てきています。
ABCテレビの木原善隆コメンテーターは「大阪はここ数年、民泊バブルだった。規制緩和でたくさんできて、外国人もたくさん来ていたが、今はバブルがはじけた状態。このはじけたときにちゃんとルールを作っておかないと、どんどんヤミ民泊になってしまう。今まさに瀬戸際」と危機感を示しました。
(『newsおかえり』9月15日放送分より)
最終更新:09/15 18:12


