関西ニュースKANSAI

インタビュー相手がまさか・・・ ディープフェイクにAIを悪用 見抜くのもAI? AI技術開発の社長が教える身を守るポイントは【岩本計介ニュースの現場から】

10/27 12:00 配信

 AIがさまざまな場面で活用され便利になる一方で、悪用されるケースが後を絶ちません。最近では人物になりすます、いわゆる「ディープフェイク」を利用した詐欺などの犯罪行為が増えています。

 見破る方法はあるのか。ABCテレビの岩本計介アナウンサーが、ディープフェイク対策を打ち出す企業「データグリッド」(京都・左京区)を訪ねました。

学童の『小4の壁』解消へ こども家庭庁がモデル事業を推進 “放課後の新たな居場所”どう確保する?【週イチのアマモト】

リモートでインタビュー 画面の相手は・・・

 今回、社長が多忙だということで、インタビューはリモートですることに。

パソコン画面のデータグリッド・岡田侑貴社長
 「こんにちは、岩本さま。データグリッドの岡田です」

岩本アナ
 「・・・えっと、これはもう、お話聞いてもいいんですかね?」

画面の岡田社長
 「はい、大丈夫です。ご質問があればどうぞ。」

岩本アナ
「ここの会社は何をされている?」

画面の岡田社長
 「生成AIの開発と未情報やディープフェイクを検出する技術を提供しています。総務省の事業にも採択されています」

インタビュー相手はまさかのディープフェイク 本物登場に驚き

 パソコン画面の岡田社長や返答の様子に違和感を覚え、戸惑う岩本アナ。すると、ドアを開けて現われたのは・・・

本物の岡田社長
 「こんにちは。そちらはAIの岡田でございまして」

岩本アナ
 「そういうことですか!」

 岩本アナが画面越しにインタビューしていた相手は、実はAIで作られた岡田社長のフェイクでした。

岩本アナ
 「うっすら違和感はあるけど、決定的におかしいとは正直、思わなかった」

岡田社長
 「何かおかしいんじゃないかなとは思いつつ、これが本当にフェイクなのかどうか、すぐに見極めるのは難しいんです」

「一定のプログラムを作る知識を持っていれば(ディープフェイクは)作れる」と岡田社長

 本物と錯覚してしまうほど精巧なディープフェイク。作るのは難しいのでしょうか。

岡田社長
「誰もが作れるわけではないが、一定のプログラムを作る知識を持ってる人たちであれば、こういうものは作れる時代になってきている」

「実際に画像とか音声のデータを用意できれば、数分でできてしまいます」

10分足らずで「ニセ岩本アナ」完成

写真を何枚か撮影し、会話をさせるための音声を録音します

 実際に岩本アナをモデルにしたAIを作ってもらうことに。

 見た目を表現するための写真を数枚だけ撮影し、AIに読み込ませたあと、会話をさせるための音声を録音します。

 40秒ほどの音声を読み込ませ、待つこと数分。

岡田社長
「では岩本さんのディープフェイクが完成しました」
岩本アナ
「完成したって? まだ10分たってない」
岡田社長
「実際にいまから動かしていきたいと思います」

AIで生成した岩本アナのディープフェイク

岩本アナのフェイクの音声
 「(最近の取材について)いや、怖かったですよ。メールの添付ファイルを開いた瞬間に画面が乗っ取られて、さっき開いたファイルが開けなくなったんですけど、ふだんの仕事でよくあることやから、あの一瞬で起きたのがシンプルにビックリした」

「ちょっと待って!?」と思わず声を上げる岩本アナ。
 「めちゃくちゃ怖い。今、ディープフェイクの私がしゃべってる内容、実際にこのコーナーで取材したやつです」

 事前に岩本アナの情報を学習していたAIが、岩本アナになりすまして会話をしていました。

 こうしたディープフェイクにも、「見分け方がある」と岡田社長は話します。

岡田社長
「いまのディープフェイクのAIというのは、指示されたことに対して会話はかなりスムーズにできるんですけど、動作をするのが苦手というか、できないケースが多い」

「例えば『両手を挙げてください』と指示をして、それが本当にできるのかというので、見分けるというのはあり得ます」

ディープフェイクを見抜くシステムもAIで

ディープフェイクをAIで見抜くシステム

 ただ、そうした見分け方が通じなくなるのも、時間の問題といいます。

 そこで開発しているのが、ディープフェイクをAIで見抜くシステムです。

 声や顔からAIが独自に判断し、画面で赤く表示されるとディープフェイク、逆に緑で表示されると本物であることを示します。

岡田社長
「AIの音声や画像というものと、実際の人間の動きや音声は、どうしても少し違いがあります」

「例えばAIが作った音声だと、かなりクリーンなノイズが含まれていない音声が出てくる。それに対して人が話すときは、ノイズみたいなものがどうしても入ります。そういう違いを検出する」

データグリッド・岡田侑貴社長

 現在の精度は95%。成長するディープフェイクから身を守るための取り組みも進めているといいます。

岡田社長
「一般の人たちが実際にディープフェイクにこれからどんどん接していくときに、なにかしら(真偽が)判定できるというツールも必要じゃないかと思っていて、一般の方に向けた提供も検討しています」

悪用急増 ディープフェイクから身を守るポイントは

悪用急増 ディープフェイクから身を守るポイントは

 近年、生成AIを悪用した動画が増えています。たとえば、有名人になりすました詐欺広告や、政見放送を加工したニセ動画などです。
 
 サイバーセキュリティー製品を提供する「ノートンライフロック」の調査によりますと、日本でディープフェイク動画に関連する攻撃をブロックした件数をみると、4月から6月で、ブロックできたものだけでも約5万1600件でした。これは1月から3月の9倍で、大幅に増えています。

 どうすればディープフェイクに騙されないのでしょうか。取材で明らかになったポイントは次の3つです。

・ディープフェイクの視線に違和感がないか
・相手との2人だけの秘密を聞いて答えられるか
・手で顔の半分を隠してもらえるか(ディープフェイクは動きに弱いため)

 岡田社長は、まずAIがどこまで進歩しているのか認識することが大切とします。「まずはディープフェイクを知ることが大事」と話します。「知ること」から「騙されないこと」に繋がるということです。

(「newsおかえり」2026年10月26日放送分より)

最終更新:10/27 12:00

関西ニュースヘッドラインKANSAI

もっとみる