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「AIデータセンター」約9割が首都圏と関西圏に集中 住民が提訴する事態にも ルール整備追いつかず「事業者のモラル任せ」が現状
11/06 13:41 配信
私たちの生活に浸透した生成AI。その裏側には、一般家庭約7万2000世帯分の電力に相当するほど電力を使う巨大施設がありました。
便利さの向こう側で何が起きているのでしょうか。AIを支える“データセンター”に潜入し、その全貌を解き明かします。
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「本当に優秀」「恋愛相談も」 生成AIは暮らしの中に
恋愛相談に答える生成AI
(20代男性)
「自分が話したことをメールの文章にしてもらいます。本当に優秀で、部下というか、仲間みたいです」
街の人に生成AIの使い方を聞くと、こんな回答が返ってきました。服装選びの相談に使う人もいます。
(20代女性)
「気温に合わせて、どんなコーデが似合うか聞きます」
中には、こんな使い方をする人も。
(10代女性)
「恋愛相談をします。好きな人から連絡が来たら、どう返せばいいかスクショして送ります」。
AIは「寄り添ってくれます」といい、周りでも「全員」が使っているそうです。
女性のスマホの画面には「もし明日会う予定があるなら、実際に最初の一言、一緒に考えるで」と表示されていました。
友達のように、仕事仲間のように、どんな相談にも答えてくれるのが生成AIです。
最大容量で1日稼働すると「一般家庭7万2000世帯分」の電力を消費
京都・精華町にあるデータセンター
そんな生成AIを動かしているのが、データセンターです。岩本計介アナウンサーが訪れたのは、京都府にあるAIデータセンターでした。
郊外の街並みの一角にあり、窓が少なく大きな看板はありません。
通常は契約している人しか中に入れません。入館には身分証や生体認証での本人確認が必要で、何度も関門をクリアしなければ入れないといいます。
厳重なセキュリティを抜けて案内されたのは、施設の心臓部であるサーバールームです。
ただ、この部屋はまだ建設中でした。コンピューターを入れる「サーバーラック」を運び込んでいる最中です。
実際に稼働しているサーバールームは、機密情報の流出を防ぐなどの理由から、完全非公開となっています。
膨大な情報を処理するには、大量の電力が必要です。最大容量で1日稼働すると、一般家庭約7万2000世帯分の電力に相当するといいます。
NTTグローバルセンター・ジャパンの吉村学さん
NTTグローバルセンター・ジャパンの吉村学さんは「電気を使えば、その分熱が出ます。それを効率的に冷やすのが、データセンターの特徴です」と話します。
そこで、空調機から冷たい空気を送り、部屋全体を冷やしているそうです。
休みなく動き続けるため、懸念されるのが騒音です。屋外機の近くでは、耳を澄ませば、なんとなく音が聞こえる、という程度でした。
大きな音がする機械は室内にあり、周辺にはほとんど影響がないといいます。
吉村さんは「周囲の皆様への環境の影響は、非常に重視しています」と話しました。
工場ではなく“事務所”扱い 「住宅地のそばでも建てられる」が…
京都大学経営管理大学院の大庭哲治教授
京都大学経営管理大学院の大庭哲治教授はデータセンターについて「どこに立地してもいいかというと、決してそうではない」と指摘します。
大庭教授は「建てられる場所に建てるのではなく、建てるべき場所に建ててほしい」という考えです。
土地には、どんな建物を建てられるかという利用区分があります。工場や商業施設は、建てられる土地が限られています。
ところが、データセンターは「事務所」と同じ扱いです。そのため、建てられる土地の制約が少ないのが現状です。
大庭教授は「駅の近くでも住宅地のそばでも、事務所という扱いでデータセンターを建てることができる」と説明します。
周辺に住む人からすれば、「急に大きい工場が建った」としか思えないでしょう。
データセンターが住宅地や街中にできると、「なぜそこに建設する必要があるんだ」という問題意識を持つ人もいるだろうと大庭教授は語ります。
そのうえで、「果たしてそこが適地なのかというところも、関係者がしっかり考えていく必要がある」と強調しました。
周辺に学校や病院「不安でいっぱい」…建設計画に住民ら提訴
大阪・大東市では住民ら11人が提訴
大阪・大東市では、住宅に囲まれた約3万平方メートルの工場跡地に、巨大なデータセンターの建設が予定されています。周辺には学校や病院があります。
近隣住民は「データセンターと分かって驚いています。24時間動くので騒音など、弊害をたくさん聞いて、不安でいっぱいです」と話します。
事業主と住民との間の説明会を開くよう求め、署名も集めました。この住民は「建設はやめてほしい」と訴えます。
こうした中、住民ら11人は5日、大阪府などに対し、建設を許可しないことなどを求めて提訴しました。
提訴を受け大阪府は「コメントは差し控えたい」としています。
建設には外資系も参入 なぜ都市部に集中するのか
データセンター建設は騒音、排熱、景観などに懸念
データセンターは、今年の新語・流行語大賞のノミネート語の1つにもなりました。世界が注目する言葉です。
外資系の不動産投資会社や、オーストラリアの会社なども日本のデータセンター建設に参入しています。
建設予定地には、住宅地や駅周辺の商業地もあります。懸念されるのは、騒音、排熱、景観などです。
事業者の対応が不十分だと、「音が気になる」「建ってから周辺が暑くなった」「見た目が悪くなった」といった声が出かねません。
では、山の中に建てればいいのでは。そう思いますが、データセンターは、全国のうち9割が首都圏や関西に集中しています。
データを瞬時に処理し、やり取りできるからこそ、ユーザーの近くに建てたいというのが業者側の思惑です。
追いついていないルール整備と「事業者任せ」の現状
問題は、ルールや制度が追いついていないことです。住民への説明の仕方や、周辺の環境を守る設備について、決まった法律やルールがありません。現状は「事業者任せ」です。
取材した事業者は、騒音が出る機械を建物の上に置いて音が漏れないようにし、外壁も高めにして景観に配慮していました。ただ、すべての事業者が同じとは限りません。
AIの時代が逆戻りすることはおそらくありません。だからこそ、私たちが問題を知ること。そして、事業者の対応をしっかり求めること。この両方が大切です。
(『newsおかえり』11月5日放送分より)
最終更新:11/06 14:08


