EarthDreamingロゴ 放送内容
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4月 大平貴之
4月 彦坂 裕
5月 ヨシダダイキチ
5月 五味美保
5月 加藤登紀子
6月 井上葉子
6月 羽仁カンタ
6月〜
7月
浦沢直樹
7月 石飛智紹
7月 ABC アウト
ドアフェスタ2005
8月 大蔵喜福
8月 佐藤文廣
9月 石飛智紹
青山 貴
9月〜
10月
トヨタ
白川郷自然学校
10月 彦坂 裕
10月 藤崎達也
11月 仁志田博司
11月 宇多弘行
12月 川端由美
12月 水谷優子
12月 2005年を振り返って
1月 手塚眞
1月 鈴木重子
2月 竹下景子
2月 鮎川ゆりか
2月〜
3月
石井竜也
3月 青木静
3月 パトリック・ライアン
7月10日ゲスト:石飛智紹さん

石飛智紹1 今夜のゲストはアジア最大の野外音楽フェスティバル、フジ・ロックフェスティバルを主催しているスマッシュの石飛智紹さんです。フジ・ロックフェスティバルは『世界でもっともクリーンな音楽フェスティバル』という評価を得ています。今年は7月29から3日間にわたって、新潟県の苗場スキー場で開催されます。
 手塚「まず石飛さんのプロフィールをお伺いしたいと思います」石飛「九州出身で、1980年ルースターズと共に上京して、彼らのマネージャーをやっていました。84年に“スマッシュ”という会社を作りました。ここではあまり日本に紹介されないアーティストを招聘してきました。97年からフジ・ロックフェスティバルに関わっています」

 手塚「フジ・ロックフェスティバルは音楽系イベントの中でも環境活動やNGOの支援活動を他に先駆けて始められました。何故これほど熱心に行ってきたのですか?」石飛「フジロックの前にも反核コンサートやネルソン・マンデラさんの来日歓迎コンサートなどもやっていました。それできっかけは最初にフジ・ロックフェスティバルをやった時に、富士山の麓なのでお客さんの服装などがサンダルにTシャツ1枚のようなリゾート気分でいらしたんです。また運悪く台風の直撃も受けまして、終わった後は翌年の開催も危ぶまれるぐらいゴミが散乱してひどい状況だったんです。それでお客さんと一緒になってゴミをどうにかしたいと思って、98年の東京の会場から“ゴミゼロナビゲーション”をスタートしました」手塚「私も97年には行きまして実感しました」

 手塚「これまでに行ってきた環境活動をお教えください」石飛「90年代はフェスティバルのゴミのこと、まずお客さんにゴミの分別をして貰う所から始めました。それからだんだんに、ペットボトルの完全分別ですとか、ビールなどの紙コップも完全分別しています。ペットボトルが約23万本でるんですが、それを翌年のゴミ袋に再生したり、紙コップはトイレットペーパーにして会場で使っています。4年前からゴミを出さないように、プラスティックや紙食器を禁止してすべて葦で出来た、生分解性の紙食器のみを出店者に使って貰っています。その紙食器を牧場に持ち込んで堆肥と混ぜて堆肥化する実験も行っています」


石飛智紹2 手塚「会場の入り口でゴミ袋を配ったのがあの当時はなかったので、すごく印象に残っています。今では普通ですし、ゴミ袋を持ってくる方も増えましたけど...」石飛「そうですね、ゴミの出ないフェスティバルというのが理想ですけど3〜4日間そこで生活するので、それは無理でしょうけど、少なくても自分が使ったものはゴミ箱へ、また落ちているゴミもゴミ箱へ入れて貰うきっかけになればいいなと思っています」

 手塚「フジ・ロックフェスティバルはいろんなステージがある中で、環境活動の啓蒙やNGO団体が参加している“アヴァロン”というエリアがあります。今年からそれが“ニュー・パワー・ギア・フィールド”と名称を変えてさらに新しい形でやっていかれると言うことですが、今まで野外イベントでNGO団体が多く活動しているのはなかなか無いと思います。フジ・ロックフェスティバルはどうしてそういうことを行っているのですか?」石飛「我々が生きていく中で社会的な問題があります。地球規模に限らず。そういうことをフェスティバルに参加することで知って帰って欲しいと言うのが一番の目的です。もう一つはゴミのことに関してNGOの方に助けられたこともあるので、恩返しの意味も込めて行っています。今年は“貧困削減”“災害”“エネルギー”という3つのテーマで行っています」

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7月17日 石飛智紹さん

石飛智紹3 手塚「フジ・ロックフェスティバルが今年、重点的に取り組んでいることをお聞かせください」石飛「3つのテーマの1つ“災害”これは昨年の中越地震の募金活動などを行います。我々も昨年キャンプをしている時にこの地震に遭いまして、東京に戻ってすぐチャリティーコンサートを企画して、今年のお正月に全国6会場で行いました。それを引き続き行います。“エネルギー”は“ニュー・パワー・ギア”というキャンペーンを今年から行ないます。新しいクリーン電力でフェスティバル自体の歯車を回していこうと言うことです。まずは環境活動の啓蒙やNGO団体が参加しているNGOヴィレッジ“アヴァロン・フィールド”の電力をそれで賄います。特にバイオディーゼル燃料を使って発電機を回していこうと言うことになりました。じつは4年前から英国の環境企業、フューチャー・フォレストに参加しています。そこは自分達が出したCo2を植樹することでカーボンニュートラル化していこうという働きかけを行っています。で、そこでフジ・ロックフェスティバルで排出されるCo2の料を計算して貰いました。これは海外のアーティストが飛行機に乗った時からの移動、お客さんの移動の交通機関、終わった後の廃棄物処理の合計で、413tという数字になりました。ですからそれに見合う植樹を毎年行っているのですが、少しでも減らそうと言うことでクリーン電力を使うことになりました」

 手塚「その“バイオディーゼル”を具体的にお教えください」石飛「発電機は工事現場と同じものなのですが、燃料は食用油の廃油です。それを生成したものです」手塚「それ以外のクリーンエネルギーも使うんですよね」石飛「小規模な水力発電も行います。それと太陽光発電ですね」


石飛智紹4 手塚「フジ・ロックフェスティバルが今後どのようなフェスティバルを目指していくのかをお教えください」石飛「クリーンエネルギーを使用する頻度をさらに上げていきたいですね。ただこれはこのフェスティバルだけでは微々たるものなので、リース会社さんに了解を得て新しい燃料を入れられるようになれば、他のフェスティバル、もっと言えば工事現場でもバイオディーゼル燃料が使われればと思います。またステージの横に巨大な風力発電の風車を立ててみたいですね。音楽を通じて環境を考えられるようなフェスティバルにしたいですね」

 手塚「最後にフジ・ロックフェスティバルを心待ちにしているファンの方にメッセージをおねがいします」石飛「ぜひ苗場の自然の中で一緒に音楽を楽しんでいただけたらいいなと思っています。お待ちしています」


浦沢直樹さん ABCアウトドアフェスタ2005

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