EarthDreamingロゴ 放送内容
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4月 大平貴之
4月 彦坂 裕
5月 ヨシダダイキチ
5月 五味美保
5月 加藤登紀子
6月 井上葉子
6月 羽仁カンタ
6月〜
7月
浦沢直樹
7月 石飛智紹
7月 ABC アウト
ドアフェスタ2005
8月 大蔵喜福
8月 佐藤文廣
9月 石飛智紹
青山 貴
9月〜
10月
トヨタ
白川郷自然学校
10月 彦坂 裕
10月 藤崎達也
11月 仁志田博司
11月 宇多弘行
12月 川端由美
12月 水谷優子
12月 2005年を振り返って
1月 手塚眞
1月 鈴木重子
2月 竹下景子
2月 鮎川ゆりか
2月〜
3月
石井竜也
3月 青木静
3月 パトリック・ライアン
12月4日ゲスト:自動車ジャーナリスト 川端由美さん

川端由美1 手塚「モーターショーが東京、大阪とありましたが、今年の傾向は?」川端「ハイブリッドカーにおいて日本のメーカーが先に進んでいます。それを追うようにアメリカやドイツのメーカーがハイブリッドカーを沢山出して来た1年になりました。アメリカも今までは燃料電池車をおしていたのですが、今年はハイブリッドカーに切り替わりました。ドイツも同様でした。ハイブリッドカーは日本の物という印象があったので、世界で認められて驚きました。自動車の技術は欧米が発明した技術を日本が追いかけ追い越そうとしていたのですが、ハイブリッド技術で初めて日本が世界をリードしたと言っていいと思います」

 手塚「色々エコカーが開発されていますので、ご説明ください」川端「エコカーと一口に言っても色々あります。ハイブリッドカーはガソリンエンジンの苦手な所を電気が助けて燃費を良くしようという考え方です。ただ少ないとはいえガソリンエンジンを使うので排気ガスは出ます。究極のエコカーと呼ばれている物は燃料電池車です。これは水素を燃料に使い、空気中の酸素と化学反応を起こして電気を作り走ります。電気自動車なので排気ガスが出ず、出来るのは水だけなのでクリーンカーと言われています。他には天然ガスを使う車やタクシーなどに使われているLPGガスを使う車。バイオディーゼルで走る車や水素を燃やして走る車などがあります」

 手塚「その中で実用化されているのは?」川端「ハイブリッドカーは以外では技術的なネックがあったり、価格が高かったりしてまだまだ普及するのは2020年とか2030年という時間が必要だと言われています」


川端由美2 手塚「なぜヨーロッパがエコカーに出遅れたのですか?」川端「環境と言えば北欧やヨーロッパが先行していますが、ヨーロッパではディーゼルがクリーンだと言われているんです」手塚「いわゆる日本のディーゼルですか?」川端「東京を走れなくなってしまったディーゼルです。今ドイツでは新車の半分以上、フランスでは7割近くの乗用車がディーゼルです。日本と違って渋滞が無かったりとか、郊外のアウトバーンを200kmで走ります。ハイブリッドの良い所は都市部などの渋滞の多い所で燃費を稼ぐ訳ですから、あまり意味が無いんです。日本のメーカーもヨーロッパではディーゼル車を開発しています。ですから今の時点でどちらが有利かというのは難しいのです。アメリカやドイツのメーカーがハイブリッド車を沢山出して来た理由は、世界的にガソリンの値段が上がって来たということです」

 手塚「欧米では車社会の考え方はどう変わって来たのですか?」川端「ヨーロッパは法律で何かを決めようとします。例えばイギリスではロンドンの中心部に入るのに渋滞料金を払わなければならないのです。これが8ポンド(約1,600円)。でもハイブリッドカーだと只なんです。ですからそういう意味でハイブリッドを選ぶ人が増えています。アメリカでは相乗り、2人以上乗っている車が優先されるというのは有名です。日本はそういう制度は出遅れています、排気ガスは厳しく規制していますが」

 手塚「日本の良い部分というのは?」川端「日本人は世界的に見てエコの意識は高いです。ドイツとは比べ物なら無いくらい日本人それぞれの人のエコ度は高いです。ドイツはエコに暮らさないとそんをするシステムになっているんです。ですからゴミを分別したり減らしたりするんです。でも日本はそういう制度が無くてもやっていますから。自動車メーカーも早くにハイブリッド車の開発を手がけ、赤字になるかなというような車を市場に出したり、燃料電池車の開発でも世界的にこんなに進んだ国はありません。又ガソリンエンジンの燃費良さでも世界一です。ですから個々の取り組みはすごいので、社会全体が変わっていくと世界的にエコな国になると思います」

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12月11日 川端由美さん

川端由美3 手塚「一番最初に自動車に興味を持ったきっかけは?」川端「子供の頃にスポーツカーとか、スーパーカーブームがありました。私には弟が二人いて、その弟や近所のお兄ちゃんたちがみんな“スーパーカー”と言っていてたので、女の子なのを忘れてはまってしまいました。そのままずっと車が好きで、工学部に行き、自動車のパーツを作る会社のエンジニアになり、自動車の雑誌社に勤めてしまって、今に至ります」

 手塚「ご自身が乗っていらっしゃる車は?」川端「夫はプリウスに乗っているんですが、私は30年前の古いアルファロメオに乗っています」手塚「それはお好きだから...理由があるんですか?」川端「夫は自動車の雑誌社に勤めていて、車をテストしているんです。それで都心を毎日沢山乗っています。でも私はウィークデイは自転車と公共交通機関を利用して、休日の天気の良い日に家族でその古い車で出かけています。そうすると二酸化炭素を出す総量はどっちか多いか分からないじゃないですか。東京や大阪のような公共交通機関の発達した所では、お気に入りの1台を手に入れてそれを長く使うということはできると思います。そうすることで車を作るエネルギーですとか、乗り換えに伴うゴミ(廃車)を減らすということにもつながると思います。好きな車を手に入れる言い訳みたいに聞こえるかもしれませんが...」手塚「子供の時からの夢をあきらめずに手に入れて、使い方を考えればいいことですからね」

 手塚「ご自分のお子さんにもそういう話をされますか?」川端「うちの子はまだ4歳なのですがすごく車が好きなんです。自動車が発明されてから100年。人間は移動の自由を得ました。それを今手放すことはできないし、息子にも伝えたいと思います。ですか環境に悪いから車をやめようとは、子供がいるからこそ言えません。息子は“大人になったらスポーツカー買うんだ”と言っていて、その夢を取りあげたくはないんです。でもその時に車そのものは持続可能なものに変えていかなくてはいけないと思います」


川端由美4手塚「お子さんをお持ちのお母さん型の意識はどう感じていますか?」川端「まず始めに出るのは“車は環境に悪い”という意見です。でも“車のお世話になっていないことは無いですよね”というと“じゃーどうしたらいいのかな”とみんな真剣に考えてくださいます。どんどん意識が変わってきてるなと感じています。後レンタカーを上手く使う人が増えています。人数が増えた時はミニバンを借りて、普段はコンパクトカーに乗っているご家族も増えています」

 手塚「今後の予定をお教えください」川端「大好きな車が環境にとって悪者になるのがとってもイヤなので、エコカーの未来を真剣に考えています。自動車と環境の接点をこれから探っていけたらなと思っています。エコの技術を大切に追うということと同時に、人間が車とどう関わっていくか、どうやって車を使ってエココンシャスに持っていくかということを考える自動車ジャーナリストなっていけたらなと思っています」


宇多弘行さん 水谷優子さん

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