みどころ

ドラマの舞台『釧路』

北海道東部に位置する人口、面積ともに道内第4位の都市。古くから水産、石炭、紙パルプの産業とともに発展を遂げ、現在でも大規模な食品工場、製紙工場が市内に点在し、高い煙突からモクモクと出る煙が街の風景の一部となっています。また、全国唯一の石炭鉱業所も操業を続け地域の産業を担っています。物流の要となる釧路港釧路空港はともに国際港として開かれており、道東の重要な拠点に位置づけられています。豊かな自然にも特徴があり、市内の北東には全国でも最大の湿地帯『釧路湿原』が広がります。気候は一年を通して冷涼で、夏場は人気の避暑地。一方の冬場は、晴天率が高く積雪量は少なめですが、気温は氷点下に達することから“氷都くしろ”と呼ばれ、風土に根差したスポーツとして氷上競技が盛んに行われています。スピードスケート、アイスホッケー競技では多くのオリンピック選手を輩出。原作者・桜木紫乃さんも釧路の出身です。

北原白秋の詩『他ト我』

北原白秋が1914年、29歳で発表した詩集『白金之独楽』の一編。1885年生まれの白秋は、19歳で福岡県の現・柳川市から早稲田大学に入学するため上京し、早くから新進詩人として与謝野鉄幹の『明星』で活躍します。24歳で出版した処女詩集『邪宗門』、26歳で出版した第二詩集『思ひ出』ともに高い評価を獲得。ところが、28歳のときに隣家の人妻・俊子と恋仲になるというスキャンダルが発覚し、名声は一気に失墜します。その後、俊子とは結婚を果たすものの経済的に困窮。結婚生活も長くは続かず、翌年には早くも離婚に至ります。そんな中で発表されたのが『白金之独楽』です。白秋は自身の詩作を「色彩の強い印象派の油絵」と評しており、この詩からも人間の「矛盾」と「欠如」に対する哀愁を強く感じ取ることができます。

1960年代の日本

1964年東京オリンピックを挟み、日本が戦後復興から奇跡的な経済的発展を遂げた時代。1960年にはカラーテレビが登場し、60年代半ばにはクーラー、カー(自家用車)の頭文字を取った「3C」が庶民のあこがれを集めました。東海道新幹線もオリンピックの開催に合わせ開業。空港や道路の整備も進み、1961年には本ドラマの舞台である北海道の釧路にも釧路空港が開港しています。市民の生活が大きく様変わりする中、学生の間では日米安保条約の改定をめぐる反対運動や大学闘争が激化。学生運動を題材にした歌や小説も数多く誕生しました。ファッションでは、アメリカから世界中に広まったヒッピースタイルが流行。NHK連続テレビ小説放送開始、ビートルズ来日、アポロ11号の月面着陸も60年代を象徴する出来事です。

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