放送内容
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4月 高西淳夫
4月 坂本美雨
5月 田崎真也
5月 市川右近
6月 西村幸祐
6月 ワールドカップにまつわる話
6月 矢沢永吉
6月 坂本徹也
7月 吉村作治
8月 中村征夫
8月 三輪茂雄
9月 菜の花プロジェクト
9月 寺門和夫
9月 小林一紀
10月 近藤 篤
10月 篠 健司
11月 増井光子
11月 馬場直子
12月 CWニコル
12月 セヴァン・スズキ
12月 この1年を振り返って
1月 小黒一三
1月 幸田シャーミン
2月 下城民夫
2月 三國清三
3月 矢口高雄
3月 鈴木基芳
湯川信矢
3月 筑紫みずえ
9月8日 ゲスト:科学雑誌Newton編集部長寺門和夫さん
寺門和夫1 手塚「地球温暖化の現状を教えてください」寺門「20世紀に人間が産業を進歩させて、化石燃料を燃やし続けたという事実があります。で、燃やし続けると二酸化炭素が発生して、それが地球に蓄積されているというのも事実です。とすると温室効果という現象が起こるのは間違いないですね。では全世界で温度が上がっているかというと、そのようなことはなくて、温暖化と言っても微妙なことなので、実際に化石燃料を燃やしたことによって暑くなっているのか、それとも単なる気象現象なのかはまだ分からないですね。なぜかというと地球は自然に暑くなったり寒くなったりしてきたからです。ですから一概には言えないのです。ただ気温が一度上がる下がるというのは何万年、何十万年と言う単位でのことなので、百年で一度あがるというのは地球にとって大変なことですね」

寺門和夫2 手塚「現在オゾン層が破壊されていると言う話を聞きますが..」寺門「最初に南極の上空でオゾンホールというのが発見されました。ただ壊す物質というのは南極にはなくて、我々が文化的な生活を送ることによって出たものなんです」手塚「フロンガスの廃止などで、改善されているのですか?」寺門「フロンガスを使わなくなりましたが、大気中にはまだガスが残っているんです。それがだんだん成層圏に行って、オゾン層を破壊しているというのが現状です。ただオゾンホールは毎年拡大していたのですが、数年前に小さくなったんです」手塚「そうなんですか!!」寺門「ただ一番新しいデータ、去年のデータなんですが、最大のオゾンホールが出来ちゃったんです」手塚「ありゃま!?」寺門「ですから全体の傾向としては、まだオゾン層は薄くなっているんです。科学者は21世紀の始め、10年ぐらいは続くのではないかと考えています」

 手塚「今やめたからと言って、すぐに改善されるわけではないのですね」寺門「地球環境というのはそうですね。目に見えるようになるまで長い時間がかかるのです。ですから今、地球に良くないことはすぐにやめて、新しいことを考えなければいけないんです」

 手塚「何百年、何万年、何億年後に良くなるのではないかというデータはあるのですか?」寺門「なかなか難しいのですが、地球は自分の環境というものを持っています。例えば、多少火を燃やして二酸化炭素が出ても、吸収してバランスを取ることが出来るのです。それを越えるような活動を人間がしてしまったのです。ですからこれを人間がある程度、戻してあげればあとは地球が自分でいい環境にしてくれると思います」


9月15日 ゲスト:寺門和夫さん

寺門和夫3  手塚「今週は宇宙の話をしたいのですが、寺門さんは私の父、手塚治虫のマンガの影響はうけたのですか?」寺門「ありますね。僕が子供の頃、鉄腕アトムの連載が始まったので...ですからあそこにかかれている未来の話ですとか、火星に行ったり、月へ行ったりした話には心が動かされました」手塚「その頃にそういうものが現実になると思いましたか?」寺門「僕が子供から学生になっていく頃に宇宙ロケットが打ち上げられて、マンガの世界がドンドン現実になっていきましたから、いつか宇宙旅行も出来るようになると思っていました」

 手塚「現時点で、我々が月や火星に旅行に行ける可能性はどのくらいあるのですか?」寺門「まだしばらく我々一般人が行くのは難しいですが、火星へ探検隊が行くのはここ20年以内で間違いなくあると思います。どうしてかというと、技術的には難しくはないのですが、金銭的な面や、誰が最初に行くかなどの社会的な要因が問題だと思います」手塚「我々が気軽に海外旅行に行くぐらいの値段ではないですものね」寺門「そうですね。まだまだ地球上にお金を使うところが多いんです。例えば環境問題ですとか、開発途上国の問題など。ですからそういう問題がクリアになって、全世界規模で探検に行こうという気運が高まれば実現出来ると思います」

 手塚「探検の目的というのはなんですか?」寺門「人間というのは歴史が示すように前向きに前進してきたわけです。そこには知的好奇心だとか、探求心があったからだと思います。ですから最も重要な目的は、知的好奇心と、探求心ですね。例えば月に行って経済が潤ったかというと、そうではないですから...」

 手塚「実際に火星に生物はいるんですかね?」寺門「結論はまだ出ていませんね。太陽系の惑星は同じ時期に出来ているんです。出来た直後は地球も火星も同じような環境だったと思うんです。地球が出来たのが46億年前なのですが、今の調査では39億年頃に最初の原始的な生物の痕跡が見つかっています。ですからその頃には火星にも生命があったかもしれないと言われています。ただ宇宙の中で地球というのは奇跡的な天体なんです。大気と水があって、太陽からの距離がちょうどいいという生命に適した星ですから。だから地球を大事にしなくてはいけないんです」


寺門和夫4 手塚「雑誌ニュートンの編集に関わるきっかけを教えてください」寺門「もちろんマンガの影響もあったかもしれませんし、他の影響もあったかもしれません。学者になりたいと思ったこともありましたが、もっと違うことを科学の世界でしたいと思って、編集者になりました。科学者とどう違うかというと、科学者は真理を追究していくのが仕事ですが、我々はそういう仕事が社会的にどういう価値を持って、どれだけ人間を幸福にしていけるのかというのを考えていきたいということなんです。我々が幸福に暮らしていくには、科学と技術の力が絶対必要なんです。だからそういう方向に持っていけるような社会にするために、ちょっとでも役に立ちたいというのが僕の考えなんです」

菜の花プロジェクト 小林一紀さん

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