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2012年4月1日放送

かつて牛舎だった家

この物件が抱える問題

  • ■離れの屋根は老朽化が進んでおり、強風によってセメント瓦が屋根から落ちてしまったまま
  • ■海から近く、長年潮風にさらされ続けて鉄製のシャッターは錆びがひどくボロボロになっている
  • ■車庫の土台は伝統的な石場建てで足元がぜんぜん腐っていないが、本来あるべき土台がないので構造的にやや不安
  • ■おばあちゃんが住む離れては、入り口が少し高い位置にあり、毎日ブロックを積み上げた階段を上り下りしなければならない
  • ■離れには水回りが無い為、トイレやお風呂に行くには天候に関係なく、屋根の無い通路を母屋へと移動しなければならない
  • ■改装した離れは老朽化がすすんでおり、木製の建具の窓から隙間風が室内に入り込み、冬場はかなり寒い
  • ■離れは改装時に2階を増築したが、79歳になるおばあちゃんには急な階段の上り下りができず、2階は物置となっている
  • ■夫婦が暮らす母屋は、牛舎を改装したもの。水回り以外に2間しか生活空間が無い
  • ■母屋の外壁も潮風でボロボロになっており、トタンの外壁は簡単に崩れる。ガス管も腐食しており、穴が開くとガス漏れの危険がある
  • ■母屋を囲う基礎はすべてコンクリートブロックで積み上げてあり、耐震性にも断熱性にも問題がある
  • 写真:サムネイル
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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

自然素材の伝道師 瀬野和広

一番の問題は元牛舎の温熱環境。一度牛舎の状態に戻した上で、構造を見ないことには次の一手が打てない。牛舎時代の屋台骨を確認したうえでリフォームプランを考えないといけないと思う。

全ての問題を解決したそのビフォーアフターをご覧ください!!

赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

頑丈に再生した離れ
駐車場は新たに柱と柱をつなぐ補強を行い、不安だった耐震性もこれで安心。壁は元々あった土壁の土を再利用して補修され、キレイに生まれ変わりました。壁面には角材が貼り付けられてあり、そこに除雪スコップなどちょっとした道具などをかけておけるようになっています。

入って左側の壁際には、大きな収納棚を設置しました。奥行きが80センチもあるので大きな荷物も余裕でしまえます。荷物をつい雑然と置いてしまいがちな駐車場を、すっきりと使うことができます。

離れのすぐそば、隣家との境の、コンクリートブロックを11段も積み上げて作られた高い塀は、倒れる恐れの無い竹垣に。そこに作りつけた棚には、おばあちゃんの大好きな花をたくさん飾ることができます。

離れの2階へと続く階段は、向きを変えたことにより、おばあちゃんの部屋を通り抜けずに、気兼ねなく上がれるようになりました。2階から日が差し込み明るくなって、手すりも設けられて安全に上がれるようになっています。

離れの2階には4畳分もある大きな収納を完備。島を離れて暮らす孫が帰ってきたとき、急な来客があったときなどに、この二階を客間として活用できるでしょう。
画像: 匠のアイデア
家をつなぐ新たな空間
離れと母屋がつながったことで出来た土間には、湿気に強い檜と竹を組み合わせた濡れ縁が作られました。廊下の大きな開口を開けば、ゆったりとした広縁のような開放感が。明るい日差しが差し込む心地いい空間になりました。

建物がひとつになり、玄関もひとつとなりました。広々としたその玄関には、壁際に大きな吊り戸棚と大容量の靴箱が設けられています。これだけの容量があれば、大勢の来客があっても、孫たちが帰ってきても、靴の置き場に困ることは無いでしょう。

母屋と離れをつなぐ廊下のすぐ横に、新たに水回りが設けられました。広々とした洗面脱衣所、お風呂場には手すりが備え付けられ、おばあちゃんも安心して入浴できます。さらに浴室乾燥機も備え付けられ、雨の日はここで洗濯物が干せるようになっています。

新たな廊下は、開口に格子戸が設けられ、そこから日差しが入り込み廊下を明るく照らしてくれます。廊下の先には間口の広いトイレが作られ、おばあちゃんの部屋から近くなり、以前とは比べ物にならないほど便利になりました。
画像: 匠のアイデア
充実した母屋の収納
母屋の生活空間の壁際に、畳の小上がりスペースが作られました。壁際にずっと続くこの小上がりの、好きな場所でくつろぐことが出来ます。さらに、その下の空間も収納スペースとしてフル活用!家中に溢れていた荷物も、もう収納場所に困りません。

キッチンの壁際にも大容量の食器棚が。壁一面の食器棚があれば思い入れのある食器がいくら増えても問題ありません。ダイニングキッチンの収納も大容量、調理器具が余裕で収まるゆとりの収納です。

母屋の奥にある和室には、2畳半のウォークインクローゼットが設けられました。大きな荷物が収納でき、布団がしまえる押入も備えられています。

元牛舎だった構造も有効活用、高い天井を利用して屋根裏に8畳ほどの広さがあるロフトを設けました。壁一面の採光窓からたっぷりと日の光が差し込み、ロフトを明るく照らしてくれます。

そのロフトには、釣好きなお父さんのための「匠」のアイデアが。コの字型の細長い枠が20個、これはすべて釣竿ケースなのです!お気に入りの釣竿を並べてディスプレイできて、まるでショーケースのよう。専用のリールホルダーも設けられ、お父さんの趣味の空間として使えます。
画像: 匠のアイデア
広々と生活しやすく
玄関ホールは能舞台をイメージした松の絵が出迎えてくれます。そこは、気分や用途に合わせて形が変化できる空間。、畳の上で、板の間で、テーブルを囲んで…、レイアウトを変え、好きなように使える素敵な場所となりました。

新たに設けられたキッチンは対面式のアイランドキッチン。その反対側にある食器棚のカウンターに所々穴が開いています。実はこれ、板を取り外してその下に電気コンセントが設けられており、家電のコードを隠してスッキリ使えるように「匠」が工夫したものなのです。

ダイニングと玄関は、ふすまで間仕切ることができ、玄関から見られたくないときはふすまを閉じれば、プライベートな空間へ早変わり。反対側の和室もふすまを閉じれば、寝室として使えます。

新たに作られた屋外のデッキは竹製のバンブーデッキ。屋根も設けられていて、これまでは無かった洗濯物を干すスペースとして重宝することでしょう。
画像: 匠のアイデア
おばあちゃんのための生活空間
新しいおばあちゃんの部屋は、壁の障子からやさしい光があふれる居心地のいい空間に。畳の小上がりが壁際に設けられ、さらに、ジグソーパズルが趣味というおばあちゃんのために、壁際には大きな作業台が作りつけられました。

作業台には、ある仕掛けが。パズルのピースを入れるためのケースがたくさん収納されています。パズルを置いておく台もそのままスライドできるようになっており、小上がりでもパズルができるように工夫されています。

収納もたっぷりと用意されました。畳みベッドの下に大容量の引き出しを3つ設け、の衣料など荷物が増えても対応はバッチリです。
画像: 匠のアイデア
今回お手伝いいただいた工務店の皆さん
写真:工務店の皆さん
新潟県佐渡市 藤栄工務店
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