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2013年6月9日放送(現場検証編)

台所でシャワーを浴びる家

この家が抱える問題

  • ■現在住んでいるアパートは40平方メートルで、家族5人が暮らすにはかなり手狭
  • ■5人が眠る寝室兼子供部屋は、夫婦のベッドと床に敷いた子供たちの布団でいっぱい
  • ■寝室に布団の収納はなく、布団を置いているベビーベッドに、4歳になった子供が未だに寝ている
  • ■3メートル15センチある天井高を利用して、クローゼットの上に収納ケースを置いているが、出し入れには梯子が必要
  • ■朝は、トイレで順番待ちが発生してしまう
  • ■洗面所は1人しか立つ幅がなく、家族全員が朝の支度をするには窮屈すぎる
  • ■狭い水回りに浴室はなく、シャワーのみ
  • ■キッチンが狭く、収納が天井まであり、踏み台だけでは届かず、流し台の上にまで登らないと手が届かない
  • ■収納が足りないため、天井裏やトイレなどに、ご主人が収納場所を作っている
  • ■少し広い家を買ったが築150年と古く、自分たちではリフォームできない
  • 写真:サムネイル
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写真:「匠」の顔写真

京町家の粋人 坂田基禎

外から見るのと違い、中は結構傷んでいる。153年経っているので石造りだからと侮ると危ないので、気を付けてリフォームしたい。
日本と同じように狭い空間だが、フルオープンにできる造りではないし、共同住宅の一室なので大胆なこともできないが、狭いながらも多機能な状態にしたい。

現場検証 問題解決のために必要なリフォームは…?

歴史あるアパート

画像:台所でシャワーを浴びる家

新しいアラン家は、石畳の路地に面した1860年築の5階建ての石造りのアパート。
いかにもヨーロッパ風の入り口は、匠も一度入ってみたいと憧れていました。

画像:台所でシャワーを浴びる家

門を抜けると、雰囲気の良い中庭が出迎えます。
通りからは見えなかった大きな建物が、中庭を囲むように立っています。

画像:台所でシャワーを浴びる家

築150年のアパートにはエレベータがなく、勾配のきつい螺旋階段のみ。
しかも経年劣化で階段の踏板が斜めに歪んでいます。

「最悪なプラン」で作られた水回り

画像:台所でシャワーを浴びる家

玄関を入ったすぐ脇にあるのはトイレで、匠曰く「最悪のプラン」。
しかも現在のトイレには扉がなく、カーテンで仕切られているだけ。さらに、便器に座ると膝が壁についてしまうほどの狭さ。

画像:台所でシャワーを浴びる家

トイレの横にある4畳のスペースには、洗面台のようなキッチンと、何故か、日本でも見たことのない台形のような形をした小さな浴槽があります。

画像:台所でシャワーを浴びる家

浴槽の目の前にある狭いキッチンは、冷蔵庫や食器棚を置くスペースすらなくここで料理をしていたとは思えない作り。

老朽化と無理な改修の結果…

画像:台所でシャワーを浴びる家

廊下を進んだ先にある居住スペースの老朽化は、匠の想像以上でした。
木の窓枠は、周りの枠や壁共々老朽化して腐食が進み、穴が開き隙間風が入り込む状態です。

画像:台所でシャワーを浴びる家

しかし、問題は、単なる老朽化にとどまりません。
洋間とリビングをつなぐ場所には、屋根を支えている骨組が露出していました。

画像:台所でシャワーを浴びる家

以前の住人の無理なリフォームで、顔を出した骨組のある壁には不気味な亀裂が走り、構造の不安も。

画像:台所でシャワーを浴びる家

床は、目で見てわかるほどに傾斜がつき、立っているだけで引っ張られる感じがするほど。ゴルフボールを置くと、勢いよく転がっていきました。

フランスの建築家の技

画像:台所でシャワーを浴びる家

階下の同じ間取りのお宅を拝見させていただきました。
リビングは、3年前に全面改修され、とても素敵な空間に。
フランスの建築家の仕事と聞き「有能な人ですね」と思わずうなる匠。

画像:台所でシャワーを浴びる家

構造上、取れない壁があった場所は、構造をうまく利用した独り暮らしには十分な大きさのキッチンに。
汚れが簡単に拭き取れる広い作業スペースに電気コンロが2口付いて、機能的にも十分です。

画像:台所でシャワーを浴びる家

屋根を支える構造体がむき出しになっていた洋室は、キッチンの真裏の壁に収納が作り付けられ寝室として使われていました。

画像:台所でシャワーを浴びる家

寝室にある暖炉は、アラン家では取り除かれ、煙突だけが残っていたもの。
これには、「元からあるものが全然違う」と匠も苦笑を漏らします。

画像:台所でシャワーを浴びる家

お風呂場も、洗面所とシャワーが設けられ、コンパクトながら清潔な雰囲気。
洗面所とシャワーブースはガラスで仕切られています。

画像:台所でシャワーを浴びる家

トイレの位置は同じですが、奥行きが倍の広さ。換気の窓もついて、明るく清潔です。 アラン家では浴室がトイレにせり出し、場所を圧迫していたのです。

画像:台所でシャワーを浴びる家

リビングの奥は、そこだけ賃貸に出すことが出来るよう、完全に独立した空間にしています。
2つあった玄関の、中央の扉を入った正面には、コンパクトな独り暮らし用のキッチンを備えています。

画像:台所でシャワーを浴びる家

北側に位置する5畳程の洋間は、キッチンと合わせた賃貸用の部屋としてリフォーム。
部屋には、東の窓から日差しが入ります。

画像:台所でシャワーを浴びる家

入居者専用のトイレとシャワーブースも完備。
窓からの明かりは磨りガラスの向こうのキッチンにも届きます。
狭いので光を利用したほうがいい、とアドバイスを貰いました。

想像以上の床下

画像:台所でシャワーを浴びる家

匠は現地の工務店の皆さんを引き連れ、再び、アラン家が移り住む部屋へ。
匠が最も気になっていた床の傾きの原因は、建物の傾きではありませんでした。
工務店の方は「昔は目分量で作業していたため、レベルがバラバラになっている」と言います。

画像:台所でシャワーを浴びる家

床の状態を確認するため、床板の一部を剥がすと、白い粉を固めたようなものが現れました。
石灰と石膏で固めた天井の上に直接、床板を張っていたのです。

画像:台所でシャワーを浴びる家

下の階の方が「全方向から響いてくる」と言っていた足音。
現在の構造では、何も改善されないため、「何か手を打たないと」と、匠は考えをめぐらせています。

リフォーム工事スタート

画像:台所でシャワーを浴びる家

様々な問題が立ち塞がる中、いよいよ始まった、リフォーム工事。
フランス・パリから届いた、家族の切なる願いを叶えるため異国の地でも果敢に動く坂田。
華の都・パリに、京の粋をどのように吹き込むのでしょうか?
「台所でシャワーを浴びる家」完結篇はこちら

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