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2014年7月13日放送

母親と同居できない家

この物件が抱える問題

  • ■台所は調理スペースの幅が70センチしかない
  • ■冷蔵庫は調理スペースを確保するために、仕切りの建具を外して廊下にはみ出して置かれている
  • ■冷蔵庫が廊下にはみ出しているせいで、廊下が15センチほど窮屈になっている
  • ■窮屈になっている冷蔵庫の背後の廊下は、車いすがギリギリ通れる幅しかない
  • ■台所には洗濯機が置かれて勝手口を塞いでいる
  • ■お風呂には脱衣所が無く、カーテンのみで仕切られている
  • ■脱衣所の代わりのカーテンで仕切られた中に電子レンジが置かれていて、着替え中は電子レンジが使いづらい
  • ■廊下の奥には16センチもの段差があり、そこでおばあちゃんが転んで車いすの生活に
  • ■母屋と離れを無理矢理つなぎ合わせたため雨水がたまる
  • ■屋根のつなぎ目が原因で、雨漏りが発生している
  • ■トイレはドアが洗面台にぶつかるため、開ききらず通れる幅が狭い
  • ■トイレの入口が狭いため、おばあちゃんの介助が難しく、この家ではおばあちゃんはトイレが使えない
  • 写真:サムネイル
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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

住環境の時代考証人 倉橋英太郎

住む人の年代がとても幅広く、100歳の方が住むお宅は初めて。日本の少子高齢化の典型的な事例で、それに挑戦できるのは嬉しい。おばあちゃんが一人で何でもできる家にしたいという希望があり、それに挑戦したい。そして家族全員が、温かく明るく使いやすい住宅にしたい。

全ての問題を解決したそのビフォーアフターをご覧ください!!

赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

4世代を迎える玄関
お父さん自慢の植栽を活かした玄関前には、車を降りたらすぐに車椅子で出入りできる駐車場と、コンクリートで舗装したアプローチを設けました。



天井まで壁いっぱいに設けた靴箱は、4世代6人分の靴が十分にしまえます。




玄関がフラットになった分、靴の履き脱ぎが座って出来るよう収納式のベンチもつけました。
画像: 匠のアイデア
おばあちゃんが暮らしやすい空間
車椅子での出入りが格段に楽になったその玄関から一番近い場所に、おばあちゃんの寝室を配置。狭くて長い廊下を苦労して通る必要はありません。



ベッドのそばには、衣類の出し入れがすぐに出来、整理しやすい収納を作り付けました。




さらに、これまでは遠くて不便だったトイレも、この部屋に最も近い場所に。扉は全解放できる引き戸なので、車椅子での出入りも不自由ありません。



2帖分の広さがあるこのトイレには、収納もたっぷり。車椅子に座ったまま使える洗面台もついており、出来る事は何でも自分でやりたいというおばあちゃんの願いに応えました。

画像: 匠のアイデア
景色が良いリビングダイニング
南向きのリビングダイニングの大きな窓の向こうには、車椅子でもそのまま庭に出られるデッキが続いています。トリプルガラスを入れた能登ヒバのサッシ、お父さん自慢の庭が美しく映えるよう広さを保ちました。

家族で囲むダイニングテーブルも匠のオリジナル。実はこれ、お父さん直々のリクエスト。娘さんが生まれた時に植えた記念樹を3年前に上の方を伐採してとっておいたもの。その丸太から全てまかなうことが出来、世界でただ1つのテーブルが完成しました。


ダイニングスペースの隣は、畳の上でゆっくり寛げる四畳半の小上がり。吊り戸や引き出し式の収納も備えています。



座卓の下はお父さんの希望で掘りごたつに。ここから眺める庭の景色もまた格別。松の緑が和の風情を引き立てます。



さらにこの掘りごたつは、周りの框を外して座卓を中にしまうことが出来、襖を閉めれば、遊びに来た親戚も気兼ねなく泊っていける客間として使えます。

画像: 匠のアイデア
煩わしさを解消したキッチン
大きな作業台の使い易いキッチンは収納もたっぷり。管理栄養士をしている娘さんが仕事で使う調理器具もしまえます。


向かいの壁には食器や家電がすっきり収まる収納を設けました。どこにでもすぐに手が届き、脱衣所で裸になったお父さんをもう煩わせることはありません。



料理をしながら庭の緑が眺められるこのキッチン。さらにそこから、ベッドで寝ているおばあちゃんの様子を常に見守ることができるので、娘さんも安心して家事が出来ます。
画像: 匠のアイデア
ゆっくりくつろげるお風呂
脱衣所は家族6人分のタオルや下着が、洗濯してすぐにしまえる引出しやシャンプーや洗剤などがストックできる棚も備え付けられ、収納場所にも困りません。

4世代の家族が同居する新生活。このお風呂は、おばあちゃんの事も考え、万全の防寒対策を取りました。家族にとって、寛ぎの場所の1つとなることでしょう。
画像: 匠のアイデア
家族の憩いの場になる庭
室内とひと続きになったデッキはバリアフリー。おばあちゃんも車椅子のままここに出て、のんびり日向ぼっこが楽しめます。


このデッキには庭に降りる階段の他、駐車場に続くスロープも取り付けられ、おばあちゃんの部屋から車への乗り降りが楽にできるようになりました。



お父さんが石材屋さんに頼んで作った石のテーブル。そこに一番近いデッキにはある仕掛けが。柵を開き、デッキの床を引き上げると、バーベキューのグリルが現れます。これは2人の孫が作り上げたおじいちゃんへのサプライズプレゼント。
画像: 匠のアイデア
趣味が堪能できる部屋
たくさんの愛読書が並べられるよう、壁一杯に本棚を作り付け、ベッドと反対側のスペースには、お父さんの大切なオーディオセットを置く家具もオリジナルで作りました。

寸法通りにぴったりと収まったオーディオ機器の周りは800枚以上あるCDコレクションの収納。手の届きにくい部分には昇降式の棚が組み込まれており、楽に取り出せるよう工夫しています。


また、ピアノやトランペットなどの楽器のマークが付いた引出しは、その楽器がメインの音楽ごとに整理でき、どこに何があるのか一目で分かるようになりました。



さらに、防音対策も万全。お父さんの部屋の壁には遮音シートと吸音ボードが使われており、部屋の外に音が漏れないようになっています。
画像: 匠のアイデア
孫が便利に使える部屋
孫たちの個室には作り付けの収納と勉強机の上に、天井を広げた空間を利用してロフトが作られました。



3帖の広さがあるこのロフトは、バドミントン部に所属する三男の、部活の道具置き場に。将来、荷物が増えても、まだまだ余裕です。




そして、三男の部屋の隣は、長男の部屋。左右対称同じ作りで、もちろんロフトもついています。
画像: 匠のアイデア
娘夫婦がくつろげる部屋
おばあちゃんに何かあってもすぐに駆けつけられるよう、一番近いところに、娘さん夫婦の仕事部屋と寝室を用意しました。


仕事部屋にある大容量の収納、実は、引き出しを出すと階段になり、ここから置屋根部分のロフトへ上がることができるようになっています。



ロフトスペースの広さ、なんと8畳分。娘さんのご主人が、一人でゆっくり寛げる場所も出来ました。
画像: 匠のアイデア
今回お手伝いいただいた工務店の皆さん
写真:工務店の皆さん
山梨県甲府市 株式会社 ナカゴミ建設
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