湯村温泉は、元湯である「荒湯」の温度が98度という日本でも有数の高温泉です。十数分で温泉卵ができるほか、温泉の成分により野菜のアクが抜けてやわらかく茹で上がります。旅館「朝野家」ではこの温泉の恩恵をさまざまに活かそうと考え、練乳を数時間荒湯に浸け、生キャラメルにしました。「荒湯生キャラメル」と名付け、料理のデザートにも使用しています。

山深い但馬地方の名物のひとつがトチの実を使った「栃餅」です。トチの実は栄養価が高いのに苦味が強くそのままでは食べられません。水にさらしたり、煮込んだり、木を焼いた灰に漬け込んだり。およそ半月かけてさまざまな工程を経て、ようやくアク抜きが出来ます。栃餅は独特の香りがどこか懐かしく、クセになる味わいです。