制作発表記者会見・完成披露試写会を実施しました

放送が間近に迫ったABC創立65周年記念スペシャルドラマ『氷の轍』の制作発表記者会見、ならびに完成披露試写会が都内のスペースFS汐留で開かれ、主演の柴咲コウをはじめ、沢村一樹、余 貴美子、宮本信子の豪華主要キャストが登壇。撮影でのエピソードを和やかな雰囲気の中で披露するとともに、作品のみどころをアピールしました。

柴咲コウ、沢村一樹、余 貴美子、宮本信子が
氷をイメージし白が基調の衣装で登壇!
凍てつく北の大地、釧路で行われた過酷な撮影を振り返る!

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いよいよ放送となるABC創立65周年記念スペシャルドラマ『氷の轍』。撮影が行われたのが2月の北海道だったことにちなみ、舞台挨拶に立った4名は全員が氷をイメージするような、白を基調にしたモノトーンの衣装で登場。ドラマの中で描かれる釧路の凍てつく寒さを表現しながら、集まった記者と観客への挨拶に臨みました。

主演を務めた柴咲コウは、実は寒さは大の苦手と告白。「冬の撮影はお断りするように生きてきた(笑)」と言い、「風が強い時の寒さは痛い!」と釧路での撮影を振り返りました。そんな柴咲が、今回のドラマでは冬の釧路に約20日間、一度も東京に戻ることなく滞在。「撮影のリズムも作りやすく、ずっと現地にいたことで釧路の空気を肌で感じることができたので、東京に帰らなくて良かったです」と、充実した時間の中で撮影が行われたことをうかがわせました。
また、釧路での体験について沢村一樹は、宮本信子に勧められ柴咲を誘って釧路湿原を訪ねたオフの日のエピソードを披露。「この季節に出会うのはものすごく珍しい、コウちゃんと同じ大きさのオオワシがいた!」と、鮮明な思い出を興奮気味に語りました。その湿原には行かなかったという余 貴美子は、代わりに「炉端焼きにはよく行きました」と笑顔で告白。余曰く「釧路は炉端発祥の地」。過酷な撮影の中でも「釧路の夜に癒されました」と懐かしむような表情を浮かべました。そして宮本は、「釧路では、(私は)花粉症にならなかったことが気に入りました(笑)」とこちらも笑顔。「長期ロケは地元の空気とか人々と触れ合うことができるので、演じる上で役に立ちました」と、釧路滞在のメリットを語りました。

「ぐさっと心に突き刺さる…」
北原白秋の詩『他ト我』に出演者が抱いたイメージとは?

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作中に登場する北原白秋の詩、『他ト我』。「二人デ居タレドマダ淋シ 一人ニナッタラナオ淋シ、シンジツ二人ハ遣瀬ナシ シンジツ一人ハ堪ヘガタシ」の一節は、ドラマを形成する大事な要素を担っていますが、出演者はこの言葉にどんなイメージを抱いたのでしょうか。
柴咲は「つくづく、ぐさっと心に突き刺さり、尾をひく言葉たち」と表現。「孤独は一人で抱えるもので、家族であっても共有できず、逃れることもできない。一人でいても、二人でいても、多数でいても埋まらない宿命的な切なさを感じます」。一方、沢村は「誰の心にもそういうところがあるとわかり、淋しい詩なんですが僕は勇気付けられました」と、この詩が救いになったことを明かしました。
また、同じく作中で大事な要素となる「屈託」に関し、記者から出た「みなさんの中にある、気になって他のことが手につかなくなるような屈託は?」との質問には、柴咲が「沢村さんの名前が出てこなかったこと(笑)」と回答。実は会見中に沢村と役柄の名前がごちゃまぜになり、柴咲が言葉に詰まる一幕があったのです…。ショックを受けた様子の沢村でしたが、「僕の屈託はコウちゃんに名前を忘れられたことです(笑)」と切り返すなど、和やかな雰囲気で会見が進行しました。
会見の後半には、そんな柴咲を大門真由役にキャスティングした瀧本智行監督がサプライズ登場。監督は柴咲と初めて会った時、柴咲にこの役を依頼する理由を「孤独そうで、屈託がありそうに見えるからです」と伝えたとか。その時の柴咲のリアクションを見て「引き受けてもらえる」との感触を得たという監督ですが、柴咲本人は「失礼だなと思いました(笑)」と本音を告白。宮本に「まあまあ」となだめられる場面もありました。
その宮本は、「若い頃は屈託もいっぱいありましたが、今は昨日のことも忘れちゃう。その方がいいかしらって思います。年を取るとそういう知恵がついてきますので、みなさんご安心ください」と貫禄のコメントを残しました。

また、ドラマのみどころについて、柴咲は「この作品を引き受けた一番の理由でもある沢村さん、余さん、宮本さんのお芝居を堪能してください」とアピール。沢村は「静かに、でもドーンと飲み込まれるような北海道の大地のエネルギーを感じて欲しい」。余は「どうしてこんなにかわいそうな人ばかり描くのだろうという作品ですが、これを観ながらたまには静かな2時間を過ごしていただけたら」。宮本は「事件を描くドラマがたくさんある中で、この作品は人間が本当によく描かれた奥の深い作品です」と、それぞれにアピールしました。

フォトセッションには、
柴咲コウ演じる大門真由をイメージした氷の彫刻が登場!

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イベントの最後に行われたフォトセッションでは、瀧本監督が柴咲演じる真由役に対し最初に抱いたという、「釧路湿原に降りたち凛とたたずむ一羽の鶴」のイメージにちなみ、氷彫刻のパイオニアである彫刻家の清水三男さんが手がけた氷の鶴が登場。天に向かい鳴き声を発しているような鶴が透明な氷で表現されている作品を見て、柴咲は「うったえかけるような姿がドラマに合っている」とうっとり。「ひんやりします」と言いながら氷彫刻に近づき、詰め掛けた多くのカメラマンの要求に“屈託のない”爽やかな笑顔で応えました。

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