ストーリー

大門真由(柴咲コウ)は北海道警釧路中央本部の新人刑事。生面目で打ち解けない性格から、「剣道の防具をつけた女」と言われている。
真由に母親はなく、唯一の肉親である父親の史郎(塩見三省)は病に倒れ余命いくばくもない。今はただ床に伏しているだけの史郎もかつては有能な刑事。真由の教育係となった警部補の片桐周平(沢村一樹)は、新人のころに史郎から薫陶を受けた刑事の一人だ。真由の生い立ちの秘密も周平は承知していた。

二人は、釧路の雪原から冷凍状態で発見された身元不明の男の捜査を担当することになる。指紋から身元は札幌で前科のある加藤千吉(金子達)と判明。また、解剖の結果、体内からはアルコールと睡眠薬が検出される。加藤の前科は30年前の管理売春で、当時の捜査資料にはなんと史郎の署名があった。史郎の記憶によれば、札幌オリンピック以前の加藤は人身売買仲介をしていたという。真由と片桐は事件性を視野に入れ捜査を進める。
その矢先、元タクシー運転手の滝川信夫(品川徹)が殺害されるという別の事件が発生する。加藤の件は所轄に引き継がれ、真由と片桐は滝川事件の捜査に駆り出されることになる。

滝川は加藤と同じく札幌から来ており、釧路ではレンタカーを借りていた。その車が釧路港の工場街で放置されたまま発見される。目の前には釧路で有名な実力者の女社長、米澤小百合(余 貴美子)が経営する『米澤水産』があった。小百合への聞き込みでは何の収穫も得られなかったが、真由はそこで兵藤千恵子(宮本信子)が清掃員として働いている姿を見かける。真由と千恵子は冬のスケート場だけで顔を合わせる仲。互いに“冬の友達”と呼び合っていた。
真由はレンタカーの車内から、史郎が飲んでいるものと同じ強い痛み止めの薬を見つける。滝川の主治医によれば、同じく余命を宣告されていた滝川は、治療を拒み、痛み止めだけを飲んでいたらしい。また、札幌の滝川の自宅には大量の書籍が遺されていた。
史郎も同じく本好きで、真由は独り身だったという滝川の暮らしを想像しながら一冊の古書を手に取ってみる。それは北原白秋の詩集『白金之独楽』。栞代わりに領収書が挟まれたページを開くと、そこにはこんな詩が載っていた。

「二人デ居タレドマダ淋シ 一人ニナツタラナホ淋シ
シンジツ二人ハ遣瀬無シ シンジツ一人ハ堪ヘガタシ」

また、詩集には『キャサリン様へ』という為書きが残されていた。領収書を頼りに古書店を訪ねると、詩集は若いころ滝川が購入したもので、好きな相手に送ったものがめぐりめぐって再び滝川の手に戻ったものだという。

本とは別に、滝川の自宅に山積にされていた大量のビデオは捜査資料として釧路に持ち帰ることとし、真由は札幌まで来た機会を生かそうと、加藤の妻、朱美(根岸季衣)が働いているスナックへと足を延ばす。そんななか、犯人を名乗る女性が思いがけず自首してくるのだが……!?

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