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川村哲也さん 京都市上京区 「スタジオあお」

2023114日(土) 午前11時

10歳で社会人を育てるユニーク教育

川村哲也さん 京都市上京区 「スタジオあお」

学問の神様で有名な北野天満宮のすぐそばに、今注目の学習教室があります。『スタジオあお』です。毎日、夕方の5時から授業開始なのですが、机に座っている生徒は一人もいません。「ここは勉強を教えない学習塾で、生徒がやりたいことを応援する塾なんです」と、塾長の川村哲也さん。子供たちはプロジェクトを立ち上げて、最後まで責任を持ってやりきる、夢を応援する学習教室なのです。

下は小学5年生から、上は中学3年生までの生徒が、それぞれのプロジェクトに没頭しています。アートが好きな子がオオサンショウウオの実物大模型を造ったり、イラストが得意な子は、ウマ娘をヒントに駄菓子娘を生み出し、世界中に公開して販売するのだとか。

川村さんは北海道生まれ。大学を卒業後、東京の大手人材企業に就職します。しかし「僕の周りで、鬱になって会社を辞める人が大勢いて、学校では優秀で真面目な人ほど、ビジネスの世界とのギャップに苦しんでるな、と」。子供の頃からビジネスの世界で求められる能力を養う場所が必要だと感じた川村さんは、2016年、京都に戻って、『スタジオあお』を立ちあげたのです。

スタジオあおが現在のプロジェクト型の塾となった出来事があります。
生徒が「捨て猫の飼い主を見つけたい」と、インスタに写真をアップして猫を人気者に。次に川村さんが資金を提供して写真集を作り、一冊500円で販売したところ、100冊も売れて、費用も回収。猫の飼い主も見つかりました。

『スタジオあお』では、ビックプロジェクトが進行中。立ち上げたのは青山くんと山下くん。それは…「手作りの船で琵琶湖を横断したい」というもの。始めてみると失敗ばかり。でも先生は「こうしたらいい」とは教えません。「どうしたらいいと思う?」と生徒に考えさせるのです。川村さん「成功しても失敗してもよし。チャレンジすることが大事なんです」。ついに船を完成させ、いざ琵琶湖へ。ところが…

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studioあお
概要北野天満宮のすぐそば。5教科を教えるのではなく、10歳から社会で活躍する力をサポートする、プロジェクト型の学習塾。
住所京都市上京区一条通西町24-4 妖怪SOHO
備考ホームページ
https://www.coleyo.info/

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

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清水大介さん 『フロッグハウス』 兵庫県明石市・神戸市

2025118日(土) 午前11時

団地リノベ

清水大介さん 『フロッグハウス』 兵庫県明石市・神戸市

1960年代から70年代にかけて、全国各地に誕生したのが「団地」です。時代と共に、老朽化や空き家の増加が問題となる一方で、「街の資源」として再評価され、再生の動きも出てきています。神戸・明石エリアで、100件以上の物件を手掛けたのが、「団地リノベーション」のエキスパート、清水大介さんです。「新築が高騰している中、団地はそこまで上がっていない」。物件価格を抑えながら、自分らしい住まい作りができる「団地リノベ」。清水さんの元には、次々と依頼が届きます。

「断熱材が入っていない、錆や結露ができるといった欠陥を、現代の暮らしに合うよう改善する」。暮らしやすさは勿論、間取りやデザイン、施主のあらゆる希望に応えるのが清水さんの信条。たとえば、施主が大好きな車「ビートル」をクレーンで吊って、まさかの部屋の中へ。遊び心溢れる空間作りで、3年連続「リノベーション・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。

築40年、50年というマンションや団地をリノベして、驚くほどのビフォーアフターを実現させているのが、清水さん率いる話題の工務店『フロッグハウス』です。床や壁が歪み、配管から水漏れが起きている状態から、ミニマムで超オシャレな空間にフルリノベーション。その実例をいくつかお見せします。その変わりようには、感動すら覚えますよ。

清水さんは中学卒業後、自分でビジネスを始めたいと、高所工事で足場を組む「とび職」になり、19歳で独立。『フロッグハウス』を立ち上げたのは34歳のとき。最初はサッシの取り替えなど、簡単なリフォームを請け負っていたそうです。「現状回復工事では物足りなくなり、仕事の幅を広げるうちに、設計担当の笹倉が入って来て、いろいろな提案ができるようになった。」

東京の建築会社で働いていた笹倉さんは、地元・明石に戻り、住居に決めた物件が、清水さんが手がけていた団地だったことから、『フロッグハウス』で働くことに。彼女が加わってから、デザインの幅がグンと広がり、リノベーションの可能性も広がりました。例えば、使わなくなった納屋を改装して、近くに住む人たちが集えるコミュニティスペースに。オーナーもびっくりのオシャレ空間です。笹倉さんのデザインセンスが、『フロッグハウス』の新たな武器となりました。

9月下旬、二人は芦屋市へ。空き家問題に直面している芦屋市の意向があり、市営住宅のリノベに取り組んでいたのです。この日は完成した物件の内覧会。がらりとその姿を変えた空間に、内覧に来ていた賃貸業の会社や行政の関係者はどう思ったのか、プロの目から見た評価が気になります。

清水さんは今年、団地の一室を購入しました。明石市にある「松ヶ丘住宅」です。幼少期を過ごした思い出の団地。その一室が、社会問題となっている相続放棄という形で朽ちていくのを、放っておけませんでした。さて、どんなリノベーションを施すのでしょう。

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