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2019年12月7日(土) 午前11時~
300年続く蔵元の挑戦! 奈良発のクラフトジン
「油長酒造 13代目」 山本長兵衛さん
奈良県御所市の中心部、「御所まち」は伝統的な古い町並みが残るエリア。そんな町の一角に、今年で300年を迎えた蔵元「油長酒造」があります。蔵主は13代目の山本長兵衛さんです。「油長酒造」の代表銘柄は「風の森」。口の中に広がる微発泡感が特徴で、現代的な味わいで入手困難なお酒として知られています。
子供の頃からいずれは家業を継ぐと考えていた山本さん。大学卒業後は百貨店勤務を経て、酒の流通やバイヤーの仕事を学ぶためにイギリスに留学。帰国後に家業に携わり、今年、13代目を継ぎました。
そんな山本さんは2017年の初めに新たなプロジェクトを設立。それが、「油長酒造」の向かいに建つ「大和蒸留所」。ここで造られるのは、奈良に古くから伝わるボタニカルを使ったクラフトジンです。もともと薬用として誕生したジンは、ボタニカルのジュニパーベリーやセイヨウネズの実で香りづけするのが最大の特徴。そこで山本さんは、奈良発のジンは奈良の素材を使いたいと、奈良に古くから伝わる2つのボタニカル「大和橘」と「大和当帰」に着目しました。
様々な試行錯誤を経て、2018年の9月に完成したクラフトジンは「KIKKA GIN」と命名。ジュニパーベリーに大和橘と大和当帰を加えたジンは、華やかで深みのある香りと味わいが印象的です。そんな「KIKKA GIN」のはじまりは、山本さんと日本を代表する名バーテンダーとの出会いがきっかけでした。
蒸留所が本格始動してちょうど1年。そこで、毎年11月に御所まち一帯で開催される「御所まち霜月祭」で、「KIKKA GIN」をお披露目することになりました。お客さんたちの反応に「KIKKA GIN」の可能性を感じ取った山本さんは新たな挑戦を決意しました。
それは、イギリスで開催されるコンペティションへの挑戦。酒類の品質を競う「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション」は、毎年、世界各国から多種多様な酒類がエントリーする酒類品評会です。エントリーするジン造りに取り掛かる山本さん。
出品する新作には、大和当帰の花を加え印象的なジンが出来上がりました。世界の評価はどうなるでしょうか?結果が出るのは来年の夏となります。
奈良に伝わる香りで世界へ挑む、老舗の蔵主に密着しました。
概要 | 今年創業300周年を迎えた奈良県御所市の老舗酒蔵。山本長兵衛さんが13代目蔵主を務める。代表銘柄は、無濾過無加水、火入れなしの生原酒「風の森」。 |
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住所 | 〒639-2200 奈良県御所市1160番地 |
電話番号 | 0745-62-2047 |
概要 | 油長酒造初のジン製造部門。大和橘、大和当帰などをボタニカルに使用した奈良発のクラフトジン「KIKKA GIN」を造っている。 |
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住所 | 油長酒造のはす向かいにある古民家 |
電話番号 | 油長酒造と同じ |
備考 | KIKKA GIN 5,500円(税込) |
概要 | KIKKA GINを取り扱うバー。国際大会で数々の賞を受賞している世界トップクラスのバーテンダー、渡邉匠さんがオーナー。 |
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住所 | 〒633-0065 奈良県桜井市吉備564-3 SHRビル5F |
電話番号 | 0744-49-0040 |
営業時間 | 18:00~25:30(ラストオーダー) |
定休日 | 12月31日、1月1日、2日、3日 |
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