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漆芸家 江藤雄造さん

2020912日(土) 午前11時

伝統の漆の技を現代アートに!

漆芸家 江藤雄造さん

古美術の修復から蒔絵、金継ぎ、漆の新感覚アートまで、幅広く手掛ける漆アーティストの江藤雄造さん。兵庫工芸展の大賞をはじめ、数々の賞に輝く注目の実力派です。
いま女性を中心に人気の金継ぎ教室。金継ぎとは、割れたり欠けたりした陶器を漆で修復する伝統技術です。漆の魅力を知るきっかけになればと、金継ぎ教室の講師を務める江藤さん。漆のスペシャリストの教室は予約がすぐに埋まってしまうほどの盛況ぶり。

江藤さんが工房を構えるのは兵庫県姫路市。作業場では作品作りのほか、漆の技術を使った修復も行っています。仏像などの文化財から割れた器まで、様々な修復の依頼は年間1000件以上。壊れた古い器を金継ぎで蘇らせる江藤さんの見事な腕前を紹介します。
江藤さんが3年前から手掛けているのが“金魚”をテーマにした漆アート。ガラスの器やアクリル板に赤い漆で金魚を描いた作品は、漆の伝統の技と現代的なセンスが融合し、日本だけでなく海外でも高く評価されています。伝統の枠を超えたアート作品。そこには江藤さんの漆への熱い思いが込められています。

生まれも育ちも姫路の江藤さん。父親の國雄さんは今も第一線で活躍する漆芸家で、漆と金や銀の粉を使って描く蒔絵で斬新な作品を発表してきました。そんな父に弟子入りし、父の背中を見つめ、今の技術を身につけた江藤さん。師匠でもある父と2人で神戸市内にある日本庭園「相楽園」の大きな文化財の修復も担っています。

東京・銀座での個展に向け、江藤さんは新作の制作中。「光と影」をテーマに、アクリル板を使った様々な漆アート作品に挑みます。立体的で、まるで泳いでいるかのように躍動する金魚たち。そんな新作の数々が揃った東京での個展はもちろん大成功。江藤さん、来年の個展ではさらに立体的な作品に挑もうと意欲を燃やしています。

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江藤漆美術工芸
概要漆アートや金継ぎを手がける江藤雄造さんの工房です。
住所兵庫県姫路市京町1-24
備考金継ぎ教室や漆アート作品に関する確認・お問い合わせはホームページもしくはfacebook、Instagramでお願いします。

ホームページ https://www.yuzohetoh.com
facebook https://www.facebook.com/euk.lab/
Instagram https://www.instagram.com/yuzohetoh/
コープこうべ文化事業 コープカルチャー
概要江藤雄造さんの金継ぎ教室を毎月開催しています。
電話番号078-431-5441
定休日日曜、祝日
備考教室のスケジュール、申込方法はHPでご確認ください。
https://www.kobe.coop.or.jp/kouza/kobenishi/
相楽園
概要重要文化財「船屋形」がある日本庭園です。
住所兵庫県神戸市中央区中山手通5-3-1
電話番号078-351-5155
営業時間9:00~17:00
(入園は16:30まで)
定休日毎週木曜、12月29日~1月3日
備考詳しい情報はHPでご確認ください。
http://www.sorakuen.com
Gallery うぇすと
概要江藤雄造さんが漆アートの個展を行ったギャラリーです。
住所東京都中央区銀座1丁目3-3 銀座西ビルヂング
電話番号03-3564-0800
営業時間11:00~19:00
備考開催される個展の情報はfcaebookでご確認ください。
https://www.facebook.com/gallery.uesuto.ginza/
セトレ ハイランドヴィラ姫路
概要江藤雄造さんの漆アートを展示しているホテルです。
住所兵庫県姫路市広嶺山224-26
電話番号079-284-3010
備考営業日などはHPでご確認ください。
https://www.hotelsetre.com/himeji/

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前川恭子さん 滋賀県栗東市

2025719日(土) 午前11時

JRA初の女性調教師

前川恭子さん 滋賀県栗東市

馬主から預けられた競走馬の体調を管理し、トレーニングを行って最良のコンディションでレースに出走させることを主な仕事とするのが、競馬の調教師。日本中央競馬会・略称JRAが発足して70年、女性の調教師は一人もいませんでした。新たな歴史の扉を開いたのは、前川恭子さん。JRA初の女性調教師として2025年3月、前川厩舎を開業しました。「自分が関わるスタッフと馬を、幸せにしたい。」

滋賀県栗東市にある、栗東トレーニング・センター。競走馬に携わる人たちの1日は夜明け前から始まります。少しでも異変があれば、調教には出しません。馬の一生を左右する大きな怪我につながることもあるからです。馬が調教コースに出た後は、スタンドから動きをチェック。仕上がり具合を確認し、万全の状態でレースに出走できるよう計画を立てます。

前川恭子さんは千葉県出身。11歳のころから乗馬クラブに通い、馬に関わる仕事がしたいと思うようになります。筑波大学では馬術部に所属し、卒業後は北海道での牧場勤務を経て、2003年にJRAの厩務員になると、2004年に調教助手に。調教師になることには悩みもありました。しかし、「自分が思い描く厩舎を作って、馬とスタッフを幸せにしたい」と覚悟を決め、5度の受験を経て、合格率10%以下の調教師試験の難関を突破したのです。

この日、前川さんは北海道にいました。名門の育成牧場「社台ファーム」で、未来の名馬を見つけ出し、馬主に推薦するためです。前川さんと共に鋭い眼光で馬を見つめていたのが、数多くの名馬を輩出してきた矢作芳人厩舎の矢作調教師でした。実はこの二人は師弟関係。
「彼女は大胆不敵だが、細やかな面もある。後に続く女性たちのためにも成功してほしい。」

開業したばかりの前川厩舎。厩務員と調教助手、12名のスタッフと共に、前川さん独自の工夫でサラブレットの世話をしています。いくつか見せてもらいました。

7月1週目、栗東トレーニング・センターでは、厩舎で最も人気のある牝馬、モズメイメイの調教。狙うは前川厩舎初となる「重賞レース」制覇です。前川さんは7月6日、福岡県の小倉競馬場へ。モズメイメイは賞金の高い重賞レース『北九州記念』に挑みました。前川厩舎、初の重賞制覇なるか?いよいよレースがスタートします!

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