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「鳥唄山馨」 店主 田中秀樹さん

2020117日(土) 午前11時

“秘境”のスパイスカレー 移住した店主の奮闘

「鳥唄山馨」 店主 田中秀樹さん

和歌山県の山深い集落に週末と祝日のみオープンするスパイスカレーの人気店「鳥唄山馨(トリウタイヤマカオル)」があります。

オーナー店主は、3年前にこの地に移住し、犬と一緒に山暮らしを始めた元会社員の田中秀樹さん。築160年の古民家を改装したお店からは、天気が良ければ和歌山の海や四国の山並みまでが見渡せるとか。そんな自然のなかで絶景を眺めながらいただくのは、旬の食材を使った日替わりのスパイスカレー。田中さんが金曜日に仕入れる食材で、「本日のカレー」2種のメニューが決まります。

高校3年生のときから数年間、長野県白馬の山小屋で冬のアルバイトを経験した田中さん。まかないで食べたスパイス料理にハマり、自身もカレー作りが趣味になりました。その後、大阪で就職しますが、全く新しいことをしたいと41歳で退職。山小屋で仲間たちと過ごした楽しい食事の時間が忘れられず、秘境でスパイスカレーのお店をしたいと考えます。そして、和歌山県かつらぎ町の町役場が取り組む移住斡旋を知り、古民家と出会ったのです。

現在は完全予約制で、土曜と日曜、祝日のみオープンし、木曜日は町役場の駐車場で移動販売をしています。そんな田中さんは看板犬のマルタと森を散策するのが日課。また、古民家カフェを営む先輩移住者や後輩移住者、さらには古くからこの地に暮らす地元の人たちとの交流も深く、すっかり地域に溶け込んでいます。

田中さんがカレー作りで一番大切にしているのは食材選び。現在、新たに開拓しているのが、イノシシの肉を使ったカレー。罠猟の免許も取得し、新たな名物カレー作りに取り組む田中さんに密着しました。

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スパイス料理 鳥唄山馨(とりうたいやまかおる)
概要今回の主人公・田中秀樹さんが店主を務めるカレーの人気店。脱サラし過疎の山村に移住。地元の食材にこだわったカレーを作っている。
住所和歌山県かつらぎ町東谷1380
電話番号0736-20-6845
営業時間11:00~16:00(要予約) 日・土・祝のみ営業
備考週替わりカレー 1,500円(税込)※サラダ・スープ・副菜付き
2種のあいがけ 1,800円(税込)※サラダ・スープ・副菜付き

大阪市内から車で 約1時間15分
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網野篤子さん 京都市

2025712日(土) 午前11時

ガラス細工で作るリアルな金魚

網野篤子さん 京都市

ガラス工芸の博物館で開催されていた「超絶技巧 硝子展」。ここで注目を浴びたガラス細工が…夏の風物詩、金魚。細部まで再現されたガラス細工の金魚は、まるで生きているような躍動感があります。まさに「超絶技巧」。この金魚の作品を作っているのが、ガラス作家の網野篤子さん。彼女が金魚をガラスで表現する理由、それは「金魚が大好きだから」。

京都の深泥池のほとりに、この地で生まれ育った網野さんのアトリエがあります。網野さんはバーナーワークという技法で、色ガラス棒を素材に20年以上、金魚を作っています。とにかくリアル。本物と比べてみても、その再現性に驚かされます。品種ごとに異なるシルエットや、ヒレの微細な特徴まで、見事に再現されています。では、その作品制作を見せてもらいましょう。

様々な色のガラス棒をバーナーで溶かして形にしてゆきます。溶けたガラスが垂れぬようつねに回転させ、温度を均一に保ちます。温度差ができると、ガラスが割れてしまうので、この調節がとても難しい。ガラスを継ぎ足し、先の細いピンセットでひれの膜を作り、尻びれ、尾ひれと、様々な器具を駆使して、本物に近づけてゆくのです。時には金箔や銀箔を使うことも。

網野さんは、ガラスの金魚を美しく仕上げるため、日々、研究を重ねています。やって来たのは、金魚の一大生産地・大和郡山。養殖のプロの話を聞き、様々な種類の金魚を見て、創作の源にしています。今日のお目当ては「大阪らんちゅう」。江戸時代から大阪を中心に、広く飼われた品種で、太平洋戦争の時代に絶滅の憂き目に遭いました。近年、愛好家たちが力を尽くし、見事、復活したそうです。網野さんのガラス細工で表現した「大阪らんちゅう」とは?

この日、網野さんに東京での展示会のオファーが舞い込みました。そこで新作を披露することにしたのです。挑戦するのは「ピンポンパール」という金魚。その名のとおり、まるでピンポン玉のように金魚です。網野さんはピンポンパール専門店を訪ね、じっくり見学して、創作のヒントを得ました。初めて表現する「ピンポンパール」、はたして納得のいくガラス細工に仕上がるのでしょうか。

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