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「リストランテ・ピノッキオ」中山裕朗さん

20171021日(土) 午前11時

世界の名店で修行!料理の可能性を探し続けるイタリアンシェフ!

「リストランテ・ピノッキオ」中山裕朗さん

今年の6月、大阪の北新地にオープンした「リストランテ・ピノッキオ」はカウンター11席だけの隠れ家的レストラン。腕を振るうのは、フレンチからイタリアンまで、世界の名店で修行を重ね、関西の美食家たちを唸らせる中山裕朗シェフだ。

中山さんが作るのは、イタリアンにフレンチの技法も取り入れた「五感で楽しむフュージョン料理」。メニューは月替わりのおまかせコースのみだが、どの皿も食材の組み合わせが多彩で、想像を超える美味しさだと大評判。なかでも、大分県産の濃厚な玉子を使ったパスタ料理「龍の玉子の濃厚カルボナーラ」は大好評の定番の皿だ。

もともとはフレンチの出身で、神戸の伝説の名店「ジャン・ムーラン」で料理人人生をスタート。その後、東京の「帝国ホテル」でフレンチの巨匠、村上信夫シェフのもとで6年間、伝統的なフレンチを学んだ。さらに、本場フランスの名店で腕を磨き、帰国後は日本を代表する名店で研鑽を重ねた中山さん。それから料理の道を究めようと、イタリアンに転身。日本とイタリアの名店を渡り歩き、修行に明け暮れた。そんな料理の探求者・料理バカともいえる中山さんが開いた自分の店が「リストランテ・ピノッキオ」だ。

「どうすれば美味しい料理が作れるかを、1年365日、ずっと考えている」という中山さん。休日は、暇さえあれば料理の本を読み、食べ歩きに出かける。

話題の店があると聞けば足を運ばないと気が済まないそう。今回向かったのはお寿司屋さん。そこで使われていた「昆布」が気になり、10月のメニューに昆布を取り入れたいと考えた中山さん。西天満にある昆布店を訪ね、「全ての皿に昆布を使った」フルコースの試作を開始した。

さらに、それに合う野菜を求め、岡山県の牛窓にある野菜農家へ。
そこで出会った美味しくて、珍しくて、美しい野菜を使って昆布を使ったフルコースを完成させる。

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リストランテ ピノッキオ
概要世界中の一流店で腕を磨いたシェフが今年 北新地に立ち上げたリストランテ。五感で楽しめるイタリアンが人気。
住所大阪市北区曽根崎新地1-5-17 サウザンドビル4階
電話番号06-6341-0805
営業時間17:00(OPEN) 21:30(L.O.)
定休日日曜・祝日
備考お任せコース 1万1,340円(税金・サービス料込み)
すし ふく吉
概要西天満で評判の寿司店。旬の食材を使った一品料理、握りのコース料理を頂ける。
住所大阪市北区西天満4丁目11番8号 レバンガ老い松通りビルディング1階
電話番号06-6809-4696
営業時間17:00~25:00
定休日不定休
備考お任せコース 1万6,200円(税金込み)
長池昆布
概要150年以上の歴史を誇る老舗昆布店。創業当初から職人が手作りした商品を取り扱う。
住所大阪市北区西天満4丁目7番6号
電話番号06-6364-6368
ポマイカイ農園
概要無農薬・無肥料の自然栽培で野菜やハーブを育てる農家。色鮮やかで美味しくて珍しい野菜を主に育てている。
住所岡山県瀬戸内市牛窓町鹿忍
備考【問合せ】Pomaikainoen@gmail.com

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浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

2025524日(土) 午前11時

最後の京瓦職人

浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

京都市伏見区。この地で110年以上、瓦を作り続けている『浅田製瓦工場』。現在、京都でただ一人、「京瓦」を製造しているのが、三代目の浅田晶久さん。「京瓦」の神髄は「磨き」と呼ばれる技法。金属のヘラで丁寧に磨き上げ、重厚な光沢と深い鈍色の風合いを持たせる伝統の技術です。浅田さんの手掛けた瓦は、歴史ある寺社や建物の屋根を飾っています。

そんな「京瓦」も、時代と共に需要が激減。かつて京都に十数軒あった瓦工場は、今やここだけ。後継者もおらず、厳しい状況が続いています。「それでも後に残していかなあかん」。伝統を次の世代へ繋げたい。喜寿を目前にしても、休むことなく「京瓦」の可能性と未来への道を追求する浅田さん。しかし今、ある大きな決断を迫られていました。

先月、開幕した大阪・関西万博。「関西パビリオン」の中の京都ゾーンの床と壁を覆う素材として使われたのが「京瓦」です。瓦製作を監修したのが、浅田さん。オファーしたのは、空間デザインを担当した彫刻家の名和晃平さんです。「京瓦のおかげで、ここは静謐な空間になりました」。

浅田さん、屋根がダメなら床や壁にと、京瓦の未来のために、新たな可能性に挑みます。「これ、アインシュタイン・タイルといって、床に敷く」。不思議な形の13角形。早速、デザイン会社から発注がありました。その枚数、1840枚。一枚一枚、想いを込めて仕上げていきます。納品するのは東京都内のオフィス。さて、どんな空間になったでしょう。

切なる思いで、京瓦を残す道と、後継者を探し続けてきた浅田さん。しかし経営は厳しく、人材の採用すらままならないのが現実です。そこで昨年12月、大きな決断に踏み切りました。それは114年の歴史を持つ『浅田製瓦工場』の経営権の譲渡。

同じ未来を見据え、経営権の譲渡にむけて共に歩んできたのは、息子の憲和さんです。憲和さんが2年以上かけて探したのが、京都指定伝統工芸品の「事業再生と企画運営」を行う会社でした。しかし新体制に向けての大切なミーティングで、親子は激突します。心の整理がつかない父親の姿勢を見て、憲和さんがぶち切れました。「何が残したいや!全部自分で潰してるやんけ!必死やねんこっちは!」

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