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『蛯谷工芸』 三代目 蛯谷亮太さん

2021410日(土) 午前11時

「紙」で暮らしを豊かに!伝統工芸「近江一閑張」を受け継ぐ職人

『蛯谷工芸』 三代目 蛯谷亮太さん

滋賀県湖南市。東海道五十三次の51番目の宿場街「石部宿」に、三代続く伝統工芸の工房があります。紙の工芸品「近江一閑張」。その三代目を受け継いだ二十代の職人が蛯谷亮太さんです。彼の生み出す品々は一見、竹や木で出来ているように見えますが、素材は全て紙。器、籠、お盆からティッシュペーパーBOX等の小物まで様々なものを製作しています。

近江一閑張は、紙をよってつくられた工業用品「紙紐」を使い、「縦糸」「横糸」のような感じで紙紐を編み込んでいき、製品をかたちづくっていき、その後、形を整えるために1日程度寝かせます。さらに紙紐の間を埋めるように白い和紙で下張り、色のついた和紙で上張り等の工程を経て、「柿渋」や「ウレタン」で塗り、仕上げます。ウレタンにすると、和紙に耐水性が備わり、水洗いまでできるものに。柿渋にすると、防虫・防腐・撥水効果が生まれます。

今では、新しい感性で現代の暮らしに合った商品を創作し続ける亮太さんですが、元々家業には興味がありませんでした。バイクに魅せられ、バイク店で働きながら整備士を目指すかたわらアマチュアのバイクレースにも参加していました。しかし、2014年、練習中に転倒、頭蓋骨が割れる重傷を負い、それがきっかけで家業を継ぐことを決心しました。

手すき和紙の産地、富山県南砺市にある合掌造りの村「五箇山地区」。近江一閑張の和紙は、ここに特注しています。亮太さんの新しい感性が加わり、2018年にはイタリア・ミラノで開催された「ミラノ デザインウイーク」に出展するまでになった蛯谷工芸。猫のケージは可愛いと評判です。さらに商品の幅を広げようと、亮太さんは安心・安全な和紙の利点を生かすことを思いつきます。それは、一閑張で作る赤ちゃん用のゆりかご。

親友のお子さんのために、丹精込めて作り上げたのは濃い藍色の和紙で彩られ、底にたわめた板を張り付けて自然なゆれ方を生み出したゆりかご。また一つ、近江一閑張の可能性を広げた亮太さんでした。

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蛯谷工芸
概要三代目 蛯谷亮太さんが父と営む、紙の工芸品「近江一閑張」を作る工房
住所滋賀県湖南市正福寺1328-20
電話番号0748-72-5788
備考詳細はホームページまで
https://ebitani.jp
あゆの店きむら 八幡堀店
概要「近江一閑張」を商品の陳列に使っている、様々な鮎の商品や鮒ずしなど滋賀の特産品を扱うお店
住所滋賀県近江八幡市大杉町12
電話番号0748-32-1775
営業時間10:00~16:30
定休日火曜
備考詳細はホームページまで
https://www.ayukimura.co.jp
農事組合法人 五箇山和紙
概要「近江一閑張」で使う特注の和紙を手漉きで作ってくれている工房
住所富山県南砺市下梨148
電話番号0763-66-2016
営業時間8:15~17:00
定休日12月~4月 日曜・祝日
5月~11月 火曜
備考詳細はホームページまで
http://www1.tst.ne.jp/gokawasi

紙漉き体験 700円

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

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植松将太さん 『アビタコロ』 大阪・北浜

2025628日(土) 午前11時

地元の食材にとことん拘ったイタリアンのシェフ

植松将太さん 『アビタコロ』 大阪・北浜

大阪の中心部から車でおよそ1時間。豊かな自然と歴史を感じられる南河内郡河南町では、野菜をはじめ新鮮な食材が多く作られています。その河南町で生まれ育ったイタリアンのシェフ、植松将太さんは、河南町の食材に拘り、唯一無二の料理でお客さんを驚かせています。

料理人ひとすじ20年の植松シェフ。7年前に独立し、北浜駅近くに、『アビタコロ』というお店を構えています。イタリア語で「小さな家」という意味だそう。ある日のディナーを紹介しましょう。イタリアンを原点に河南町の食材と、世界各地の調理法を組み合わせたメニューは、独創的でとても美味しいと評判になっています。店は独立前からの同僚、パティシエの柳田さんと2人で切り盛りしています。

植松シェフの朝は、二人の可愛い娘を送り出すことが日課です。見送りが終わると河南町にある「道の駅かなん」で今朝採りされた新鮮野菜を仕入れます。小規模農家が多く、河南町の作物は少量多品種なのが特徴です。さらに、河南町の養鶏場へ。飼育環境に拘り、餌に拘って作り上げた平飼い有精卵は、多くの料理人たちに愛されています。

6月の初め、この日は特別なイベントを準備中。オープンからシェフをサポートしてきたパティシエの柳田さんを主役に、デザートのコースを任せたのです。さて、お客さんの反応は?

植松シェフの原点、それは「料理人は社会でもっと大きな存在になれる」という思い。料理人が率先して地域貢献の先頭に立てば、未来は変わっていく。そこで、河南町の魅力を地元の人にも気づいてもらうため、自らクッキングスクールを開催しました。参加者の中には、河南町で野菜を作る生産者の方もいます。さて、河南町の野菜を使った夏野菜の米粉パスタとは、一体どんなメニューなのでしょう。

植松シェフの指導を受けながら、料理を作る参加者たち。いつも食べている野菜が本格イタリアンに大変身です。さあ、そのお味は?さらに、シェフが用意したサプライズとは?

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