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田舎ごはんとカフェ『朴(ぼく)』 中峯幸美さん

20171111日(土) 午前11時

世界遺産・熊野古道で、料理を通じて地元の魅力を伝える女性カフェオーナー!

田舎ごはんとカフェ『朴(ぼく)』 中峯幸美さん

世界遺産に登録され、国内外から多くの観光客が訪れる熊野古道。なかでも人気があるのは和歌山県田辺市の中辺路ルートで、ルートのなかほどには、人口が600人ほどの小さな集落、近露がある。今も昔も熊野古道の宿場として知られ、豊かな自然と美しい里山の風景が広がっている。そんな集落の一角にあるのが、古民家を再利用した「田舎ごはんとカフェ 『朴』」。地元出身の中峯幸美さんが腕をふるう地野菜たっぷりの田舎ご飯が評判だ。

絵画のような里山の穏やかな風景と、ほっこりした雰囲気の店内。そして、中峯さんが作る自家製のお米や味噌、地野菜を使った素朴な田舎ご飯に魅かれ、遠方からはるばる訪れる人も少なくない。店で使う野菜のほとんどは地元の農家から直接仕入れる有機野菜。そんな野菜をたっぷり使った料理をはじめ、自家製酵母で作るパンやこだわりが詰まったスイーツも人気を集めている。

近露生まれ、近露育ちの中峯さんは田辺市内や大阪の飲食店で働いた後、故郷へUターン。実家の近くにあった古民家を改装し、10年前にお店をオープンした。今では二児の母でもあり、子どもたちのために地域を盛り上げ、次の世代に繋ぎたいと考えている。もっと近露を知ってもらいたいという思いから、様々なイベントにも積極的に参加。さらに、移住を希望する人への仲介を快く引き受け、移住者と地元の人たちとの橋渡し的な役割も担っている。

そんな中峯さんや集落の人たちの思いが込められたお祭りが開催。年に一度、近露と隣の野中集落を合わせた近野エリアで開催されるイベント「近野まるかじり体験」は、里山の景色や郷土料理、地元の子どもたちによる伝統芸能やダンスの披露など、近野の魅力をまるごと体感できるイベント。中峯さんは、村おこしの一環として11年前にスタートしたときからの運営メンバーで、今年は副実行委員長を務める。

去年は1000人以上のお客さんが訪れた、集落をあげての一大イベントを目前に、その準備から当日まで、大忙しの中峯さんに密着した。

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田舎ごはんとカフェ 朴 BOCU
概要世界遺産熊野古道で人気の古民家カフェ。店内から見える美しい里山の風景と店主中峯さんが手掛ける地野菜たっぷりの田舎ご飯が評判。
住所〒646-1402
和歌山県田辺市中辺路町近露203
電話番号0739-65-0694
営業時間11:00~16:00
定休日日曜、月曜、火曜
備考玄米プレートランチ1300円
ボイジャーブルーイング株式会社
概要田辺市で人気の地ビール工場。カフェ朴の燻製商品を出している。
住所〒646-0061
和歌山県田辺市上の山1-9-20
電話番号0739-34-3305
営業時間9:00~18:00
CABELO
概要近露にある焙煎コーヒーショップ。
住所〒646-1402
和歌山県田辺市中辺路町近露909-6
電話番号0739-65-0288
営業時間10:00~17:00
定休日日曜、月曜、火曜
小鳥の樹
概要近露にある洋食レストラン。
住所〒646-1402
和歌山県田辺市中辺路町近露1129
電話番号0739-65-0615
営業時間10:00~16:00
定休日火曜、水曜

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上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

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