バックナンバー

奈良県 逢香さん

2021925日(土) 午前11時

妖怪書家

奈良県 逢香さん

赤いハイヒールに踏みつけられた妖怪たち。角を切り落として口紅を引く般若。
「現代の生きづらさ」を妖怪に投影して描く、女性の書家が奈良にいます。妖怪書家、という異色の肩書を持つ、逢香(おうか)さんです。その独特の作風で、由緒ある神社仏閣からも多くの依頼が来ています。今回は、「妖怪」と「書」で人々にエールを送る、若き書家の夢のカタチを追いました。

東京・品川で行われた、『妖怪ウォッチ」を生み出したレベルファイブという会社での新作アニメの試写。このアニメの題字を描いたのが、逢香さんでした。
実は逢香さんは、人気アニメ『妖怪ウォッチ』の異色シリーズ『黒い妖怪ウォッチ』で元々の可愛いキャラクターを不気味な妖怪に変えてデザイン。話題を集めて、今回の抜擢となりました。レベルファイブ代表取締役社長/CEOの日野晃博さんは、「文字で作品を表現できている」と絶賛します。

作品は「書画」、つまり筆と墨だけで描かれています。それを掛け軸の形で完成させるのです。番組では個展で展示された書や、世界文化遺産のお寺の絵馬、奈良の日本酒のラベルデザインなど、様々な作品を紹介します。

逢香さんが書道を始めたのは6歳のころ。母親が書道教室を開いていたことから、自然に筆を持つようになりました。その後、書道の道を究めようと、大学で書道を専攻します。その授業で、江戸時代の小説本の挿絵に描かれていた妖怪に衝撃を受け、墨絵で妖怪を描くようになったのです。

そんな逢香さんに大きな仕事が舞い込みました。明日香村にある聖徳太子生誕の地とされる橘寺から、聖徳太子にまつわる作品を描いてほしいというものです。来年の生誕1450年を記念して描く聖徳太子。これまでにも増して、超大作になります。果たしてどんなものに仕上がったのでしょうか?

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真
妖怪書家 逢香さん
概要筆と墨で妖怪と書を描く妖怪書家
備考◆オフィシャルサイト
https://xxxouka.com
◆ツイッター
https://twitter.com/x_ouka?lang=ja
◆インスタグラム
https://www.instagram.com/ouka_yokai/
◆フェイスブック
https://ja-jp.facebook.com/yoooooookai.darake/
飛鳥 光の回廊2021(飛鳥観光協会)
概要9月25日(土)26日(日)に開催される明日香村のライトアップイベント。
備考飛鳥 光の回廊2021公式サイト
https://asukamura.com/hikari2021/
・9月25日(土)、26日(日)18:00点灯~21:00消灯。(逢香さんの作品が展示されている橘寺会場は26日のみ)
・車での来場は不可。
・電車は、近鉄飛鳥駅または橿原神宮前下車、タクシーで約10分。
・シャトルバスの運行はありません。
橘寺
概要聖徳太子生誕の地とされる寺。
住所奈良県高市郡明日香村橘532
営業時間9:00~17:00(最終受付16:30まで)
備考入山料 個人 一般・大学生 350円 高校生・中学生 300円 小学生 150円
逢香さんの聖徳太子新作の特別展示。
9月29日(水)~10月10日(日)橘寺本堂内(入山時間内)

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー

次回の放送

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

  • 写真
  • 写真
  • 写真
  • 写真

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

バックナンバー