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喜多美結さん 豊中市

20211127日(土) 午前11時

デフテニスプレーヤー

喜多美結さん 豊中市

「デフテニス」という競技をご存知でしょうか?耳が聞こえない人や、難聴などの障がいを持つ人が、補聴器を外して対戦するテニスのことです。打球音をはじめ、一切の音が聞こえない静寂の世界で、選手たちは目で見て反応するしかありません。通常のテニスより高いフットワークが必要で、はるかにプレイが難しいスポーツです。

2019年10月、デフテニスの世界選手権で、日本人選手として初めて優勝を果たしたのが、喜多美結さんです。難聴の原因を究明し、治療法を探したいと、大学で神経生命工学を学びながら、テニス部に所属。補聴器を付け、大学日本一を決める全国大会にも出場して、団体戦の貴重な戦力となっています。また彼女は、来年5月、ブラジルで開催される聴覚障がい者のオリンピック「デフリンピック」の優勝をめざしています。奮闘する喜多美結さんを追いました。

彼女の両耳が聞こえにくくなったのは、小学校4年生の頃。原因は不明で治療法も判らず、補聴器を付けての生活が始まりました。中学、高校とテニス選手として活躍。全日本ジュニア選手権では、女子ダブルスでベスト16まで行きました。しかし、難聴はさらに進行し、補聴器を付けても音が聞きづらくなりました。仲間が応援してくれても、それに応えられない。次第にテニスから離れていきました。

大学でもテニスをするつもりはありませんでしたが、ネットで「デフテニス」のことを知り、子ども向けのデフテニス教室にボランティアで参加してみます。子ども達が生き生きとテニスを楽しんでいるを見て、「これだ!私も頑張らなきゃ!」と、テニスの世界に戻ることを決意したのです。

美結さんは、テニスのレベルが高い関西大学のテニス部に入部。地道な努力が実り、全国大会の団体戦に出場する7名に選ばれました。11月に開かれた団体戦の結果は?さらにデフテニスの全国大会での優勝を目指しました。
「デフリンピック」出場へ、夢のツヅキは?

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喜多美結さん
概要聴覚障がい者のテニス・デフテニスで奮闘する大学生プレーヤー。

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網野篤子さん 京都市

2025712日(土) 午前11時

ガラス細工で作るリアルな金魚

網野篤子さん 京都市

ガラス工芸の博物館で開催されていた「超絶技巧 硝子展」。ここで注目を浴びたガラス細工が…夏の風物詩、金魚。細部まで再現されたガラス細工の金魚は、まるで生きているような躍動感があります。まさに「超絶技巧」。この金魚の作品を作っているのが、ガラス作家の網野篤子さん。彼女が金魚をガラスで表現する理由、それは「金魚が大好きだから」。

京都の深泥池のほとりに、この地で生まれ育った網野さんのアトリエがあります。網野さんはバーナーワークという技法で、色ガラス棒を素材に20年以上、金魚を作っています。とにかくリアル。本物と比べてみても、その再現性に驚かされます。品種ごとに異なるシルエットや、ヒレの微細な特徴まで、見事に再現されています。では、その作品制作を見せてもらいましょう。

様々な色のガラス棒をバーナーで溶かして形にしてゆきます。溶けたガラスが垂れぬようつねに回転させ、温度を均一に保ちます。温度差ができると、ガラスが割れてしまうので、この調節がとても難しい。ガラスを継ぎ足し、先の細いピンセットでひれの膜を作り、尻びれ、尾ひれと、様々な器具を駆使して、本物に近づけてゆくのです。時には金箔や銀箔を使うことも。

網野さんは、ガラスの金魚を美しく仕上げるため、日々、研究を重ねています。やって来たのは、金魚の一大生産地・大和郡山。養殖のプロの話を聞き、様々な種類の金魚を見て、創作の源にしています。今日のお目当ては「大阪らんちゅう」。江戸時代から大阪を中心に、広く飼われた品種で、太平洋戦争の時代に絶滅の憂き目に遭いました。近年、愛好家たちが力を尽くし、見事、復活したそうです。網野さんのガラス細工で表現した「大阪らんちゅう」とは?

この日、網野さんに東京での展示会のオファーが舞い込みました。そこで新作を披露することにしたのです。挑戦するのは「ピンポンパール」という金魚。その名のとおり、まるでピンポン玉のように金魚です。網野さんはピンポンパール専門店を訪ね、じっくり見学して、創作のヒントを得ました。初めて表現する「ピンポンパール」、はたして納得のいくガラス細工に仕上がるのでしょうか。

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