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島津冬樹さん 東京都世田谷区

20211218日(土) 午前11時

ダンボールアーティスト

島津冬樹さん 東京都世田谷区

今、若い女性を中心に注目されている、カラフルな財布やカードケース。その素材はなんと、ダンボール。日本全国だけでなく、世界中を旅して集めたダンボールを使って、作品を生み出しているのが、ダンボールアーティストの島津冬樹さんです。
捨てられたり、資源ごみになるダンボールで作品を作る島津さんは、持続可能な世界の実現を目指す企業からも注目され、「ナイキ」や「ラコステ」、「ノースフェイス」といった一流ブランドとコラボしています。

東京都にある、廃校になった中学の校舎を利用して、ものづくりのアトリエやオフィスとなった施設に、島津さんのアトリエがあります。そこには、世界35か国をまわって集めたダンボールがズラリ。現地の方々に頼み込んで譲ってもらったと言います。「ダンボールの魅力を多くの人に知ってもらいたい」と、財布やカードケースを作る島津さんですが、作業はすべて手作業。見せたい印刷のデザインを意識して、手製の型に合わせて切り分けていきます。内側に来る部分には、柔らかいダンボールを使うなど、使いやすさにもこだわります。そうして出来たものは、それぞれが唯一無二の絵柄なのです。
そのため島津さんは、「これらは商品ではなく、作品」と言い切ります。

島津さんが初めてダンボールの財布を作ったのは、美術大学の学生の頃。この時の感動が忘れられず、大手広告代理店に就職後も、ダンボールへの想いは増すばかり。ついには職を捨て、アーティストの道へと進んだのでした。
そんな島津さんのもとに、新たな作品のオファーが舞い込みました。なんとトヨタの新車のPRとして、内装をダンボールでデコレーションしてほしいというものでした。
悪戦苦闘の5日間。どんな作品になったのでしょうか。

企業からのオファーを終え、島津さんの旅が始まります。やって来たのは和歌山県有田市。求めたダンボールはもちろん、有田みかんです。もらったダンボールで、島津さんは新たな作品に挑みます。半分に切断したダンボールにファスナーを取り付け、出来上がったのは、これまた驚きの「機能的なみかん箱」でした!

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島津冬樹 Carton Studio
概要世界を旅して集めたダンボールで財布やカードケースを制作。
住所東京都世田谷区
備考長財布 22,000円
カードケース 5,500円
carton-f.com
YEAST
概要ポップアップショップやギャラリーを行うスペース。
住所東京都渋谷区神宮前5-28-7 303
定休日不定休
備考http://yeast.jp
田中青果商店
概要みかん・オレンジ・柑橘類を中心に販売。
住所和歌山県有田市港町40-1
電話番号0737ー82ー4330
営業時間8:30~19:00
定休日不定休
備考JR紀勢本線(きのくに線)
箕島駅から徒歩13分

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網野篤子さん 京都市

2025712日(土) 午前11時

ガラス細工で作るリアルな金魚

網野篤子さん 京都市

ガラス工芸の博物館で開催されていた「超絶技巧 硝子展」。ここで注目を浴びたガラス細工が…夏の風物詩、金魚。細部まで再現されたガラス細工の金魚は、まるで生きているような躍動感があります。まさに「超絶技巧」。この金魚の作品を作っているのが、ガラス作家の網野篤子さん。彼女が金魚をガラスで表現する理由、それは「金魚が大好きだから」。

京都の深泥池のほとりに、この地で生まれ育った網野さんのアトリエがあります。網野さんはバーナーワークという技法で、色ガラス棒を素材に20年以上、金魚を作っています。とにかくリアル。本物と比べてみても、その再現性に驚かされます。品種ごとに異なるシルエットや、ヒレの微細な特徴まで、見事に再現されています。では、その作品制作を見せてもらいましょう。

様々な色のガラス棒をバーナーで溶かして形にしてゆきます。溶けたガラスが垂れぬようつねに回転させ、温度を均一に保ちます。温度差ができると、ガラスが割れてしまうので、この調節がとても難しい。ガラスを継ぎ足し、先の細いピンセットでひれの膜を作り、尻びれ、尾ひれと、様々な器具を駆使して、本物に近づけてゆくのです。時には金箔や銀箔を使うことも。

網野さんは、ガラスの金魚を美しく仕上げるため、日々、研究を重ねています。やって来たのは、金魚の一大生産地・大和郡山。養殖のプロの話を聞き、様々な種類の金魚を見て、創作の源にしています。今日のお目当ては「大阪らんちゅう」。江戸時代から大阪を中心に、広く飼われた品種で、太平洋戦争の時代に絶滅の憂き目に遭いました。近年、愛好家たちが力を尽くし、見事、復活したそうです。網野さんのガラス細工で表現した「大阪らんちゅう」とは?

この日、網野さんに東京での展示会のオファーが舞い込みました。そこで新作を披露することにしたのです。挑戦するのは「ピンポンパール」という金魚。その名のとおり、まるでピンポン玉のように金魚です。網野さんはピンポンパール専門店を訪ね、じっくり見学して、創作のヒントを得ました。初めて表現する「ピンポンパール」、はたして納得のいくガラス細工に仕上がるのでしょうか。

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