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北浦和也さん 西中島南方

2022122日(土) 午前11時

ユーモラスで不思議な木彫り作品

北浦和也さん 西中島南方

スプレーの上に座るお坊さんに、鯨を押さえる力士、人の頭の上にチーターが乗っていたり…これらはすべて木彫りです。まるで落書きのような不思議でユーモラスな作品を生み出すのは、大阪を拠点に活動する木彫り作家、北浦和也さん。
去年の11月、鳥取のギャラリーで北浦さんの作品展が開催されました。お客さんからは、「こんなふざけた木彫り、見たことない」、「めちゃめちゃ面白い」などの感想が。
全国から個展の依頼が届く、北浦さんの木彫り作品。独特な世界観が人気のようです。

大阪にあるアトリエは、同世代の作家3人でシェアする広い空間。北浦さんはここで作品を作っています。完成までの工程を見せてもらいます。まずは思いついたアイデアを素早くスケッチします。今回は、縦に並んだ犬や熊の三体のぬいぐるみ。これを大きな丸太に書き写すと、チェーンソーで大まかに削ります。なんと北浦さんの作品は、三体を繋ぎ合わせるのではなく、一本の丸太を彫り出す一木彫りなのです。続いて、ノミで慎重に彫っていきます。5日間ぐらい、ひたすら彫り続け、形ができると、彫刻刀で細部を仕上げ、色を付けたら完成です。製作期間は一週間でした。

大阪で生まれ育った北浦さんは、小さな頃からモノ作りが大好きで、大阪芸術短期大学に進学。ここで彫刻家としても有名な川島先生と出会い、木彫り作家を志すのです。
川島先生は言います。「彫刻は集中力が長続きすることが大事。北浦くんは向いていた」
個展を自ら開催するうちにファンを獲得し、全国のギャラリーからオファーが殺到するようになりました。ギャラリー以外にも、個展を見たショップから、看板オブジェを依頼されることも多くなりました。この日は本屋さんの注文で、「象の上に分厚い本が開いたまま乗っている」オブジェを納品。とても喜ばれました。
また、定期的に工芸品展などで、こけし風の木にお客さんの姿をその場で彫っていく「似顔絵木彫り」も続けています。これまで2,000体以上の似顔絵を彫ってきました。

そして去年の12月、京都精華大学の学生が、デジタルアートで有名なアーチストとのコラボを提案してきました。デジタルとアナログの融合、一体どんな個展になったのでしょうか?

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フォークオールドブックストアー
概要主人公の木彫り看板が目印。
新書と古本、雑貨を取り扱う書店。
住所大阪市中央区平野町1-2-1 1F+B1F
電話番号06-7172-5980
営業時間要問合せ
定休日要問合せ
備考ホームページ
http://www.folkbookstore.com/
dieci天神橋店
概要主人公の木彫り作品を販売しているインテリアショップ。
住所大阪市北区天神橋1-1-11 天一ビル1・2F
電話番号06-6882-7828
営業時間要問合せ
定休日要問合せ
備考インスタグラム
https://www.instagram.com/diecicafe/
ギャラリーショップ そら
概要主人公の個展を開催したギャラリー&雑貨店。
住所鳥取県鳥取市栄町658-3 駅前サンロード
電話番号0857-29-1622
営業時間要問合せ
定休日要問合せ
備考ホームページ
https://gallery-sora-kuu.com/

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前川恭子さん 滋賀県栗東市

2025719日(土) 午前11時

JRA初の女性調教師

前川恭子さん 滋賀県栗東市

馬主から預けられた競走馬の体調を管理し、トレーニングを行って最良のコンディションでレースに出走させることを主な仕事とするのが、競馬の調教師。日本中央競馬会・略称JRAが発足して70年、女性の調教師は一人もいませんでした。新たな歴史の扉を開いたのは、前川恭子さん。JRA初の女性調教師として2025年3月、前川厩舎を開業しました。「自分が関わるスタッフと馬を、幸せにしたい。」

滋賀県栗東市にある、栗東トレーニング・センター。競走馬に携わる人たちの1日は夜明け前から始まります。少しでも異変があれば、調教には出しません。馬の一生を左右する大きな怪我につながることもあるからです。馬が調教コースに出た後は、スタンドから動きをチェック。仕上がり具合を確認し、万全の状態でレースに出走できるよう計画を立てます。

前川恭子さんは千葉県出身。11歳のころから乗馬クラブに通い、馬に関わる仕事がしたいと思うようになります。筑波大学では馬術部に所属し、卒業後は北海道での牧場勤務を経て、2003年にJRAの厩務員になると、2004年に調教助手に。調教師になることには悩みもありました。しかし、「自分が思い描く厩舎を作って、馬とスタッフを幸せにしたい」と覚悟を決め、5度の受験を経て、合格率10%以下の調教師試験の難関を突破したのです。

この日、前川さんは北海道にいました。名門の育成牧場「社台ファーム」で、未来の名馬を見つけ出し、馬主に推薦するためです。前川さんと共に鋭い眼光で馬を見つめていたのが、数多くの名馬を輩出してきた矢作芳人厩舎の矢作調教師でした。実はこの二人は師弟関係。
「彼女は大胆不敵だが、細やかな面もある。後に続く女性たちのためにも成功してほしい。」

開業したばかりの前川厩舎。厩務員と調教助手、12名のスタッフと共に、前川さん独自の工夫でサラブレットの世話をしています。いくつか見せてもらいました。

7月1週目、栗東トレーニング・センターでは、厩舎で最も人気のある牝馬、モズメイメイの調教。狙うは前川厩舎初となる「重賞レース」制覇です。前川さんは7月6日、福岡県の小倉競馬場へ。モズメイメイは賞金の高い重賞レース『北九州記念』に挑みました。前川厩舎、初の重賞制覇なるか?いよいよレースがスタートします!

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