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佐藤和博さん 大阪・北新地 「RAKUSUI」

202317日(土) 午前11時

遊び心たっぷりの創作中華

佐藤和博さん 大阪・北新地 「RAKUSUI」

オリジナリティー溢れた、遊び心たっぷりの創作中華料理で注目されているのが、北新地にある中華料理店『RAKUSUI』の“料理作家”、佐藤和博さんです。メニューがとにかく独創的。「遊園地のような油淋鶏」は、ティーカップに入った野菜たっぷりの油淋鶏が、ターンテーブルの上をぐるぐる回ったり。「プラネタリウムのような酢豚」は、太陽系の地球が肉団子、太陽がオレンジトマト、水星がブルーベリー、木星がうずら卵と、素材を惑星に見立てています。見た目に楽しい皿ばかり。しかも、味は抜群です。

佐藤さんは北海道出身。幼くして父を亡くし、母一人子一人で育ちました。母親は仕事なので、小さい頃から包丁を握る日々。『料理の鉄人』の陳健一に憧れて大阪の調理師専門学校に入学し、卒業後は大阪のホテルや芦屋の中華料理店で修業します。そして2006年、北新地で『RAKUSUI』を開いたのです。

実は、オープン当初は普通の創作中華のお店でした。現在の路線に変わるきっかけは、北浜にあるフレンチレストラン『マキュア』の中山大輔シェフとの出会い。シェフの「斬新なアイデア」や「豊かな発想」に魅了されて「フランス料理のようなエビチリ」が誕生。以降、エンタメ中華への挑戦が始まったのです。

お店の営業は18時から22時までですが、仕込みに手間がかかるため、営業後も仕込みです。家族の居る自宅は芦屋ですが、月~土は天満のマンションで一人暮らし。創作のインスピレーションは散歩だそうで、どこにヒントがあるか分からないため、仕入れには、いつもと違う道を歩くとか。新作の完成までに数年かかることも。

お店の年内最終営業日は12月30日。その夜は毎年、『マキュア』の中山シェフが来店します。料理はおまかせ。今年は、現在試行錯誤中の未完成メニューを出すことに。それは「阪神飯」という天津飯。イメージを掴むため、阪神甲子園球場の甲子園歴史館を訪れます。さて、どんな天津飯が出来上がったのでしょうか。

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RAKUSUI
概要今回の主人公、佐藤和博さんが手がける新解釈中華料理の店。
名物はプラネタリウムのような酢豚。
住所大阪府大阪市北区曾根崎新地1丁目9-8
電話番号06-6343-1515
営業時間17:30~22:00
定休日日曜・祝日
備考いちおしコース6,600円
アラカルトのようなコース8,800円
macua
概要北浜にある人気フレンチ中山シェフの「斬新なアイデア」はラクスイ佐藤さんに多大なる影響をもたらしている。
住所大阪府大阪市中央区伏見町2丁目2-3
電話番号06-6202-1129
050-5492-0360
営業時間月曜・火曜・金~日曜 12:00~15:00、18:00~22:30
木曜 18:00~22:30
定休日水曜
備考シェフのおまかせコース18,700円
中菜Labo.朝陽
概要北新地の本格中華のお店、看板メニューは最強麻婆豆腐。
シェフの高橋さんはラクスイ佐藤さんにとって兄のような存在。
住所大阪府大阪市北区堂島1丁目3-8 堂島リンデンビルB1
電話番号06-6341-7080
営業時間月~金曜 11:30~14:00、18:00~22:00
土曜  18:00~21:00
定休日日曜
備考麻婆豆腐1,600円

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網野篤子さん 京都市

2025712日(土) 午前11時

ガラス細工で作るリアルな金魚

網野篤子さん 京都市

ガラス工芸の博物館で開催されていた「超絶技巧 硝子展」。ここで注目を浴びたガラス細工が…夏の風物詩、金魚。細部まで再現されたガラス細工の金魚は、まるで生きているような躍動感があります。まさに「超絶技巧」。この金魚の作品を作っているのが、ガラス作家の網野篤子さん。彼女が金魚をガラスで表現する理由、それは「金魚が大好きだから」。

京都の深泥池のほとりに、この地で生まれ育った網野さんのアトリエがあります。網野さんはバーナーワークという技法で、色ガラス棒を素材に20年以上、金魚を作っています。とにかくリアル。本物と比べてみても、その再現性に驚かされます。品種ごとに異なるシルエットや、ヒレの微細な特徴まで、見事に再現されています。では、その作品制作を見せてもらいましょう。

様々な色のガラス棒をバーナーで溶かして形にしてゆきます。溶けたガラスが垂れぬようつねに回転させ、温度を均一に保ちます。温度差ができると、ガラスが割れてしまうので、この調節がとても難しい。ガラスを継ぎ足し、先の細いピンセットでひれの膜を作り、尻びれ、尾ひれと、様々な器具を駆使して、本物に近づけてゆくのです。時には金箔や銀箔を使うことも。

網野さんは、ガラスの金魚を美しく仕上げるため、日々、研究を重ねています。やって来たのは、金魚の一大生産地・大和郡山。養殖のプロの話を聞き、様々な種類の金魚を見て、創作の源にしています。今日のお目当ては「大阪らんちゅう」。江戸時代から大阪を中心に、広く飼われた品種で、太平洋戦争の時代に絶滅の憂き目に遭いました。近年、愛好家たちが力を尽くし、見事、復活したそうです。網野さんのガラス細工で表現した「大阪らんちゅう」とは?

この日、網野さんに東京での展示会のオファーが舞い込みました。そこで新作を披露することにしたのです。挑戦するのは「ピンポンパール」という金魚。その名のとおり、まるでピンポン玉のように金魚です。網野さんはピンポンパール専門店を訪ね、じっくり見学して、創作のヒントを得ました。初めて表現する「ピンポンパール」、はたして納得のいくガラス細工に仕上がるのでしょうか。

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