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上山浩之さん 大阪府堺市 「Add Wall」

202392日(土) 午前11時

「彩りと感動を」街を塗り替えるカリスマ塗装職人

上山浩之さん 大阪府堺市 「Add Wall」

大阪・玉造。今年4月、ある「ショールーム」が誕生し、話題になっています。その名は「Add Wall Tamatsukuri」。塗装のエキスパート集団「Add Wall」が、「もっと気軽に塗装に親しんでほしい」と開いたショールームです。塗装用品の販売や塗装のオーダー、さらに、壁を好きに塗っていい場所もあります。衣類やバック、靴などを鮮やかに変身させる「ペイント飛ばしワークショップ」は大人も熱中するほどの人気。まさに「塗装のテーマパーク」的な楽しさがあるのです。

ここを開いたのが、「Add Wall」を率いる上山浩之さん。本拠地は、生まれ育った堺市にある「上山塗装店」。上山さんを筆頭に15名のスタッフが在籍し、お店、施設、個人宅などのクライアントからの依頼を、次々に実施していきます。塗装によって驚きのリノベーションを果たした例を、いくつか紹介しましょう。

頼れる職人たちと共に、今日も街を塗り替える上山さん。塗装を通じて伝えたい想いとは?「新たな塗装によって建物を活かし、街並みを活かす。彩りは感動を呼ぶことができるんです。ひいては地域や社会に貢献できる」。感動をもたらす彩りを生み出すため、上山さんは新たな塗料を開発することもあります。こちらもいくつか紹介します。

泉北ニュータウンの団地で育った上山さんがペイントに目覚めるきっかけは12歳の頃。インテリア好きの母親が、部屋の壁を塗り替えたところ、同じ団地の人たちが「自分でやるなんて凄い!ウチもやってほしい」となって母の手伝いをすると、「見違えるよう」と喜ばれたのが原点です。1日も早く塗装の仕事がしたかった上山さんは高校を中退し、塗装会社に弟子入りします。20年以上も修業を重ね、一級塗装技能士の取得後、独立。株式会社「Add Wall」を立ち上げたのです。

「彩りと感動」をテーマに「塗装で地域の人たちと共に盛り上げ、ひいては社会の課題を解決する」ことを目指す、上山さん率いる塗装のエキスパート集団「Add Wall」。次々と新しいチャレンジを重ねます。それは…

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Add Wall 本社
概要一級塗装技能士・上山さんを筆頭に塗装のエキスパート集団が揃う。
住所大阪府堺市南区泉田中7-1
電話番号072-225-4130
営業時間午前9時~午後5時30分
定休日日曜
備考外壁塗装 400,000円~

泉北高速鉄道 栂・美木多駅 徒歩22分

ホームページ
https://add-wall.jp
Add Wall Tamatsukuri
概要塗装器具販売やワークショップを実施するショールーム。
住所大阪市東成区中道4-6-18
営業時間午前10時~午後6時
定休日水曜、第1・3日曜、祝日
備考Tシャツワークショップ(3色)2,420円~

JR玉造駅 徒歩6分
Aulait(オレ)
概要焼き方にこだわった焼き芋や手作りお菓子・パフェが人気。
住所大阪府堺市西区鳳東町3-284-1
電話番号072-288-4774
営業時間午後1時~午後10時30分
定休日不定休
備考JR鳳駅 徒歩5分

ドーナツ専門店は今秋オープン予定。

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

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浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

2025524日(土) 午前11時

最後の京瓦職人

浅田晶久さん 『浅田製瓦工場』 京都市伏見区

京都市伏見区。この地で110年以上、瓦を作り続けている『浅田製瓦工場』。現在、京都でただ一人、「京瓦」を製造しているのが、三代目の浅田晶久さん。「京瓦」の神髄は「磨き」と呼ばれる技法。金属のヘラで丁寧に磨き上げ、重厚な光沢と深い鈍色の風合いを持たせる伝統の技術です。浅田さんの手掛けた瓦は、歴史ある寺社や建物の屋根を飾っています。

そんな「京瓦」も、時代と共に需要が激減。かつて京都に十数軒あった瓦工場は、今やここだけ。後継者もおらず、厳しい状況が続いています。「それでも後に残していかなあかん」。伝統を次の世代へ繋げたい。喜寿を目前にしても、休むことなく「京瓦」の可能性と未来への道を追求する浅田さん。しかし今、ある大きな決断を迫られていました。

先月、開幕した大阪・関西万博。「関西パビリオン」の中の京都ゾーンの床と壁を覆う素材として使われたのが「京瓦」です。瓦製作を監修したのが、浅田さん。オファーしたのは、空間デザインを担当した彫刻家の名和晃平さんです。「京瓦のおかげで、ここは静謐な空間になりました」。

浅田さん、屋根がダメなら床や壁にと、京瓦の未来のために、新たな可能性に挑みます。「これ、アインシュタイン・タイルといって、床に敷く」。不思議な形の13角形。早速、デザイン会社から発注がありました。その枚数、1840枚。一枚一枚、想いを込めて仕上げていきます。納品するのは東京都内のオフィス。さて、どんな空間になったでしょう。

切なる思いで、京瓦を残す道と、後継者を探し続けてきた浅田さん。しかし経営は厳しく、人材の採用すらままならないのが現実です。そこで昨年12月、大きな決断に踏み切りました。それは114年の歴史を持つ『浅田製瓦工場』の経営権の譲渡。

同じ未来を見据え、経営権の譲渡にむけて共に歩んできたのは、息子の憲和さんです。憲和さんが2年以上かけて探したのが、京都指定伝統工芸品の「事業再生と企画運営」を行う会社でした。しかし新体制に向けての大切なミーティングで、親子は激突します。心の整理がつかない父親の姿勢を見て、憲和さんがぶち切れました。「何が残したいや!全部自分で潰してるやんけ!必死やねんこっちは!」

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