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小林哲朗さん 写真家 兵庫県尼崎市

20231014日(土) 午前11時

身近な異世界を撮り続ける写真家

小林哲朗さん 写真家 兵庫県尼崎市

まるでSFの世界に迷い込んだかのような驚異の景色。写真家・小林哲朗さんが収めるのは、「日常に溶け込んだ、非日常の世界」、つまり“身近な異世界”。廃墟や工場夜景を撮影した写真集はベストセラーとなっています。今回は、そんな異色の写真家・小林哲朗さんに密着しました。

尼崎に自宅兼アトリエを構える小林さん。この日は大阪・摂津にある工場を狙います。目指す場所に着いたのは午後5時半。日没前に撮影ポイントを探りながらの撮影です。30度を超える熱帯夜の中、撮影すること5時間あまり。これだけ撮っても、「使えるのは2、3枚」だと言います。ただし、これで終わらないのが小林さん。地元尼崎には、工場と街、背景の山々が一枚に収まる絶好ポイントがあります。車で移動しながら、撮影は深夜にまで及びました。

尼崎で、四兄弟の2番目に生まれた小林さん。専門学校を卒業して保育士の道へ。業務に追われる中、ネットで目にした廃墟写真に惹かれ、週末になると廃墟や工場の撮影に没頭。ついに2012年、プロの写真家として歩み始めました。

そんな小林さんに嬉しい出来事が。尼崎の観光アドバイザーに就任したのです。任務は「尼崎の身近な異世界を撮影、SNSで発信すること」。尼崎に足を運んでもらうため、尼崎の異世界を探索する小林さんを追いました。

この日、やってきたのは東大阪の「花園ラグビー場」でした。その地下には、まだ世間に知られていない「異世界」があるというのです。大阪府の協力のもと、地下に降りてゆくと、驚きの大空間が。ここは大雨の際、雨水を貯めることで地上の浸水被害を防ぐ、巨大で広大な治水施設なのです。早速シャッターを切る小林さん。しかし、構図の取り方が難しい。周囲は真っ暗、ライトをまんべんなく当てながらの長時間露光でこの地下神殿のような空間を表現したい。小林さんのチャレンジは続きます。

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小林哲朗
概要「身近な異世界」をテーマに、工場夜景、路地裏、地下空間などを撮影する写真家。友人の映像クリエイター井上氏と共同でYouTubeチャンネル「知らん路地歩く」の出演・制作も行う。
備考行って眺めて撮る!巨大工場探訪ガイド(玄光社MOOK)
定価:2,750円

ホームページ
https://www.kobateck.com/

X(旧ツイッター)
https://twitter.com/kobateck

YouTube 知らん路地歩く
https://www.youtube.com/@user-jc6mr1zh9p/featured
ロフトプラスワンウエスト
概要小林哲朗さんが、トークイベントを行ったライブハウス。
住所大阪市中央区宗右衛門町2-3 美松ビル3F
電話番号06-6211-5592
備考ホームページ
http://www.loft-prj.co.jp/west/
松原南調節池
概要近鉄花園ラグビー場の敷地東側の地下にある治水施設。
大雨時に下水道から一時的に貯留することにより、東大阪市中部地域の浸水被害を軽減している。

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

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矢吹直宣さん いづみさん 『京の氷屋さわ』 京都市上京区

2025726日(土) 午前11時

京都らしいかき氷を作る夫婦

矢吹直宣さん いづみさん 『京の氷屋さわ』 京都市上京区

京都市上京区の「西陣」と呼ばれる地域に、4年前にオープンした『京の氷屋さわ』。いま人気の「かき氷専門店」で、次々とお客さんが詰めかけます。切り盛りするのは東京で会社員をしていた店主の矢吹直宣さんと、西陣で生まれ育った妻のいづみさん。夫婦がこだわるのは、京都ならではの素材を使ったかき氷。なんとシロップに老舗豆腐店の豆腐が使われています。今回は、かき氷に第二の人生を懸けた夫婦の覚悟に迫ります。

暑さが本格化した6月下旬。『さわ』では自家製シロップの仕込みに追われていました。白みそのシロップです。「この店を始めるにあたって、特徴的なモノを打ち出していかないと」といづみさん。「美味しいが一番」と直宣さん。

仕込みの途中、いづみさんがやって来たのは、同じ西陣にある創業明治30年という京豆腐の老舗。『さわ』独自の味を作るには、ここの豆腐が絶対必要と考えたのです。大切なのはひらめきと失敗を恐れないこと。「とりあえずやってみる」といづみさん。豆腐シロップに合わせるのは焦し醤油のキャラメルソース。豆腐の旨味を引き立てます。

午前11時。オープンと共にお客さんが詰めかけ、瞬く間に満席に。『さわ』の看板メニューのひとつ「京の白みそ」。自家製のミルクシロップをベースに、中に白ごまのシロップと黒糖寒天を潜ませた一番人気のかき氷です。他にも個性的なバリエーションがいくつもあり、『さわ』の人気を支えています。どんなメニューかというと…今の季節は特にお客さんが殺到。二人は休憩時間も昼ごはんも取らずに、氷を作り続けています。

京都の大学で知り合った直宣さんといづみさん 結婚後は仕事の都合で京都を離れます。その後、4人の娘さんたちが生まれ、東京で暮らしていました。ところが4年前、直宣さんは会社を辞めて、他の仕事に就こうと考えたのです。その時、いづみさんは京都でかき氷屋さんをやろうと持ち掛けます。

2人が新たに試作するかき氷。それは昆布の老舗の塩昆布を混ぜ込み、他の西陣の味をすべて詰め込んだ「西陣オールスターズ」。いったいどんな味わいになるのか?さらに、西陣の日本茶専門店で入手した幻の抹茶を使ってグレードアップした、抹茶のかき氷にも挑戦!

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