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浄慶拓志さん 兵庫県養父市 「大徳醤油」

202423日(土) 午前11時

日本伝統の醸造法を守る醤油蔵

浄慶拓志さん 兵庫県養父市 「大徳醤油」

醤油。当たり前に常備されていて、どれも同じに見えますが、その味わいは作り方でまったく異なります。日本伝統の醸造法で、1年以上もの歳月をかけて旨味を凝縮させる、そんな味と技を守る職人がいます。明治43年創業『大徳醤油』の4代目、浄慶拓志さんです。醤油蔵があるのは、雄大で美しい自然に囲まれた兵庫県養父市。今では希少な、日本古来の天然醸造で作られるその醤油は、優しくてフルーティー、なおかつ健康に良いと評判です。浄慶さんの奮闘に密着しました。

作り方を追ってみましょう。大徳醤油の要となるのは、厳選された国産小麦と大豆。
小麦を煎って、蒸した大豆と合わせ、そこに麹菌を加え、砕かれた後、室(むろ)へ。ここで温度と湿度を管理しながら三日三晩、醤油の元となる麹を作ります。麹に食塩水を混ぜて、もろみ蔵で仕込みます。蔵に住みつく微生物と対話するかのようにゆっくりと攪拌。なかなかの力仕事が続きます。ここから1年以上。樽に仕込んだ熟成醤油の「もろみ」が完成します。もろみを絞る圧搾も、代々受け継ぐ特殊な道具を使います。

これだけ手間暇かけた素晴らしい醤油ですが、売れない時代がありました。今から18年前、会社の危機に瀕した浄慶さんが、業績を伸ばすために取った行動とは?そして、生産が追いつかない程の人気になった今でも、浄慶さんは更なる進化を追求します。

醤油作りを生業とする一家の長男として生まれた浄慶さんでしたが、当初は蔵を継ぐ気はなかったといいます。大人になってから、彼の気持ちを一変させた出来事がありました…

4代目として大徳醤油を切り盛りする浄慶さんは今、醤油業界が抱えるある問題に着目していました。それは、醤油を絞る際に出る「醤油カス」。栄養があるのに廃棄されている現状をなんとかできないか。そこで、浄慶さんはある人気料理店を訪ねました。

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大徳醤油
概要国産の大豆と小麦を原料に日本伝統の醸造法にこだわった醤油。
住所兵庫県養父市十二所930-3
備考丸大豆醤油(1800ml) 1,512円
国産有機醤油 機有るべし(900ml) 1,633円

八鹿市に今年秋アンテナショップをオープン予定

公式オンラインショップ
https://www.daitoku-soy.net/
食堂よし
概要地元の食材を使った料理が楽しめる居酒屋。
住所兵庫県朝来市和田山町寺谷684-1
営業時間18:00~23:00(L.O.22:00)
定休日水曜・月2日(不定休)
備考JR和田山駅すぐ
さんぽう西村屋 本店
概要その日仕入れた但馬地方ならではの食材を使った料理が楽しめる。
住所兵庫県豊岡市城崎町湯島463-2
電話番号0796-32-4680
営業時間ランチ 11:00~14:30(L.O.13:30)
ディナー 18:00~22:15(L.O.21:00)
定休日水曜
備考ランチ さんぽう御膳 3,850円
ディナー 但馬牛炭火焼きと旬菜「澄明」 13,200円

城崎温泉駅から徒歩約11分

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佐々木萌水さん 京都市

202575日(土) 午前11時

川底から宝物を探す漆作家

佐々木萌水さん 京都市

よく見るとガラス玉が埋め込まれていたり、様々な模様が散りばめられていたりする独創的な見た目の器たち。実は川で拾った様々な陶器のカケラを漆の力で継ぎ合わせて、一つの器に仕上げた作品なんです。川の清掃活動から作品づくりを始めるのが、京都で活躍する漆作家の佐々木萌水さん。

京都市内の中心部を北から南に流れる、高瀬川。江戸時代初期に運河として造られた水深、数十センチの浅い川です。この川の川底には、江戸時代から昭和中期にかけて捨てられた陶器のカケラが眠っていました。萌水さんは高瀬川を掃除しながら、そのカケラを拾い集めているのです。

カケラを繋ぎ合わせるのは漆の力と、萌水さんオリジナルの技法「羊毛乾漆」。イメージする器に足りない部分を、漆をたっぷり吸ったフェルトで補います。隙間を漆で接着するのは、金継ぎと同じ要領。様々なカケラを一つの器にしていきます。

漆を学ぶきっかけになったのは、祖母とのやりとり。持っていた漆塗りの茶器の柄がズレていたのが気になって祖母に聞くと「これは機械で絵付けしてるから、出力した時にズレたのよ」。機械で作る割に完璧じゃないなら、人の手でやればもっと良いものが出来るのではと考え、京都市立芸術大学、そして大学院に進学し、本格的に漆を学びます。

漆という材料が持つ魅力を、もっと多くの人に広めたい。萌水さんは漆教室の活動も精力的に行っています。この日、漆教室の受講生を連れて向かったのは、1909年創業の老舗漆店です。漆がどのように製造されているのか、見学ツアーを企画しました。

京都市立芸術大学のキャンパス内にも流れる高瀬川の環境を整備するにあたり、ホタルを育てる活動が始まっていました。成虫が上がってきやすいよう砂利を敷いたりと、地道な作業が実って、光を灯し始めたホタルたち。新しく生まれた高瀬川の風景を萌水さんは新たな作品のモチーフにします。さて、どんな作品が生まれたのでしょうか。

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