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新子真希さん 奈良県香芝市 「Revery Chair(リブリーチェア)」

202439日(土) 午前11時

古い椅子に新たな命を吹き込む椅子張り換え職人

新子真希さん 奈良県香芝市 「Revery Chair(リブリーチェア)」

日々の暮らしに欠かせない、椅子。ポップでセンスあふれる様々な椅子は、すべてある職人が古い椅子をリメイクして、蘇らせたものです。椅子張り職人、新子真希さん。
おっとりとした口調ながら「椅子への情熱は誰にも負けない」と、古い椅子を見違えるように変身させる真希さんの元には、依頼が殺到。今では予約で3か月待ちという人気です。

奈良県香芝市にある椅子張り工房『リブリーチェア』。7年前、倉庫付きの物件を自宅兼アトリエにリノベーションしました。真希さんの修理の様子を見てみましょう。椅子の基本的な構造は、クッションとなる「バネ」と「ウレタン」、下地材に、布やレザーなどの生地です。必ず取り換えるのが、ウレタン。続いて、座面や背面に張る生地をミシンで縫っていきます。縫った生地をクッションに被せ、ステープラで針を留めます。
親子三代にわたって愛用してきてボロが目立つ椅子が、見事に、そしてオシャレに生まれ変わりました。

奈良県で生まれ育った真希さんは、幼いころから木が好きだったそう。大学で建築デザインを学んだ後、家具の職業訓練校に入学。しかし、女性には就職先がなかなか見つからず、なんとか採用された椅子張り工房もまた、男社会でした。真希さんは必死の努力で「一人前になるには10年かかる」という椅子張りを、わずか2年で習得。28歳で独立し、今では人気職人となったのです。

独立して10年。結婚している真希さんには、保育園に通う二人の子供がいます。家事と子育て、そして仕事と、真希さんの忙し過ぎる一日に密着しました。とてもじゃないが、全てをこなすのは難しいと悩んでいた真希さんですが、現在は頼れる助っ人が…

この日、知り合いからソファを譲り受けることに。20年以上使っているそうで、分解してみると、中も外もボロボロです。かなり大がかりなリメイクとなりそうですが、ここは真希さん、気合が入ります。今回、ソファを譲り受けたのには、ある理由がありました。実は今、新たな夢に向かっていたのです。

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Revery Chair(リブリーチェア)
概要椅子張り職人・新子真希さんが椅子やソファなどのリペア、リメイクを手がける工房。
住所奈良県香芝市穴虫1041-2
備考ホームページ
https://morerevery.net/

インスタグラム
https://www.instagram.com/revery_chair/
https://www.instagram.com/more.revery/

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上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

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