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近藤健史さん 京都市中京区 「斗六屋・SHUKA」

2024525日(土) 午前11時

甘納豆の老舗が挑む新たな店舗

近藤健史さん 京都市中京区 「斗六屋・SHUKA」

京都で約100年の歴史を紡ぐ甘納豆専門店『斗六屋』。その四代目店主の近藤健史さんが「甘納豆を若い人にも食べてもらいたい」と、開いたお店が京都市中京区にあります。種の菓子と書いて『SHUKA(シュカ)』。ブティックのようなお洒落な店内に、宝石のようにディスプレイされているのは、豆や木の実など「種」から作る砂糖菓子です。中でも人気を集めるのが、クリーミーで濃厚なジェラート。日本の若者だけでなく、外国人観光客からも大人気です。

近藤さんは京都大学大学院で微生物を研究。卒業後は大手菓子店で修業し、2016年に『斗六屋』に入りました。ところが、自分と同世代の若者には「甘納豆はご年配向けのお菓子」というネガティブなイメージが。そのイメージを変えたい。そんな思いで作ったお店が『SHUKA(シュカ)』です。

近藤さんの親友は、京都大学農学研究科の助教授である白石晃將さん。近藤さんはローマに留学している白石さんの元へ。そこで「海外で認められればインパクトが与えられる。」と思いつき、スローフードの世界大会に甘納豆を出品。しかし、イタリアでも甘納豆は受けませんでした。それではどんなお菓子が世界中で愛されているか、改めて考えました。

イタリアで食べたジェラートの美味しさに衝撃を受けた近藤さんは、ジェラート世界チャンピオンのお店で修業し、本場イタリアンジェラートの配合理論を学びました。そして、甘納豆の素材となる種を使ったジェラートを思いつきます。乳脂肪を使わない植物性ジェラート。理系脳の近藤さんは、豆やナッツの脂肪分を数値化し、ベストな状態を研究しました。5年の歳月をかけて生まれたジェラートは6種類。カカオ、カシューナッツ、ピスタチオ、斗六豆バニラ、丹波黒豆、瑞穂大納言小豆。自家製の厳選素材そのものの色と味が素晴らしい。

さて、ジェラートを作るきっかけをくれた白石さんにジェラートを食べてもらいたい。近藤さんは、季節の新作として白石さんが大好きな、よもぎ餅のジェラートを考案します。
研究を重ね「餅」の食感を追求、果たしてどんなジェラートが完成したのでしょうか?

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SHUKA 種菓
概要豆や種の砂糖漬け、種だけで作る植物性ジェラートが人気。
住所京都市中京区壬生西大竹町3-1
営業時間午前11時~午後5時30分
定休日月曜
備考甘納豆(斗六豆) 900円
種菓のコース 500円
斗六豆バニラ(ジェラート) 600円

阪急・京福電鉄嵐電「西院駅」 徒歩5分

ホームページ
https://shuka-kyoto.jp/

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

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上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

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