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澤健次さん 京都市

2024727日(土) 午前11時

鮎漁師

澤健次さん 京都市

その美しい姿から「清流の女王」とも称される川魚、鮎。今が釣りシーズンの真っ只中です。生きたおとりの鮎に針をかけ釣り上げる、日本古来の技法「鮎の友釣り」。その腕一本で暮らしている生粋の鮎漁師が京都にいます。澤健次さん。澤さんが釣り上げる鮎は、料理人も絶賛。実は澤さん、12年前から賀茂川を管理する「漁協」の組合長も務めています。組合員や市民と連携し、水辺環境を変えるための活動にも情熱を燃やしているのです。鮎にかける熱き男に密着しました。

5月末。この日は賀茂川の鮎釣りの解禁日。澤さんは夜明け前から漁協の事務所にいます。魚を釣るための「入漁証」を購入するため、釣り人たちがやって来るためです。ところで、「鮎の友釣り」とは、どんな仕掛けでしょうか。詳しく説明してもらいましょう。

朝8時、漁協の仕事を終えた澤さんは、解禁日を迎えた福井県の川で竿を出します。おとりの鮎に針を仕掛け、泳ぐ鮎の縄張りに泳がせます。すると、次々に鮎が掛かります。2時間で15匹。ところがその後3時間、掛かった鮎はなんと…条件が良ければ1時間で20匹以上釣れることもあれば、思うように釣れないことも。澤さんのように鮎釣り一本で生計を立てている人は、決して多くないのが実情です。この日は京都・木屋町の人気小料理店へ。澤さんの釣った鮎が名店の味を支えています。

賀茂川が流れる豊かな自然と共に育った澤さん。夢中になったのが、父親に教わった「鮎の友釣り」でした。鮎釣りで生きていこうと決めたのは23歳の時。以来26年間、鮎釣り一本で生活しています。「収入はサラリーマンの半分くらい。でも好きやからやってる」。離婚して今は一人暮らしですが、「鮎菜」と名付けた一人娘とは今も一緒に釣りに行く仲だとか。

賀茂川を遡上してくる鮎ですが、それを阻むのが、高さ1m以上の堰です。澤さんは組合や市民たちと連携して、鮎の遡上を手助けする「魚道」を設置しています。

岐阜県・長良川に、早朝から友釣りの達人たちが集まっていました。「全日本アユトーナメント」。各支部で予選を勝ち抜いた64名の腕自慢が、王座を目指して戦うのです。決められたエリアで1対1の釣りバトル。果たして澤さんの勝負の行方は?

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京都賀茂川漁業協同組合
概要おとり鮎・入漁証の販売。
釣り可能エリアの情報、その他「イベント情報」などはホームページに掲載中。
住所京都府京都市北区西賀茂下庄田町4-10
電話番号075-495-3112
営業時間不定
定休日不定
備考おとり鮎は朝5時~8時まで有人販売。
不在時は無人販売しています。

ホームページ
https://www.kyotokamogawagyokyo.jp

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前川恭子さん 滋賀県栗東市

2025719日(土) 午前11時

JRA初の女性調教師

前川恭子さん 滋賀県栗東市

馬主から預けられた競走馬の体調を管理し、トレーニングを行って最良のコンディションでレースに出走させることを主な仕事とするのが、競馬の調教師。日本中央競馬会・略称JRAが発足して70年、女性の調教師は一人もいませんでした。新たな歴史の扉を開いたのは、前川恭子さん。JRA初の女性調教師として2025年3月、前川厩舎を開業しました。「自分が関わるスタッフと馬を、幸せにしたい。」

滋賀県栗東市にある、栗東トレーニング・センター。競走馬に携わる人たちの1日は夜明け前から始まります。少しでも異変があれば、調教には出しません。馬の一生を左右する大きな怪我につながることもあるからです。馬が調教コースに出た後は、スタンドから動きをチェック。仕上がり具合を確認し、万全の状態でレースに出走できるよう計画を立てます。

前川恭子さんは千葉県出身。11歳のころから乗馬クラブに通い、馬に関わる仕事がしたいと思うようになります。筑波大学では馬術部に所属し、卒業後は北海道での牧場勤務を経て、2003年にJRAの厩務員になると、2004年に調教助手に。調教師になることには悩みもありました。しかし、「自分が思い描く厩舎を作って、馬とスタッフを幸せにしたい」と覚悟を決め、5度の受験を経て、合格率10%以下の調教師試験の難関を突破したのです。

この日、前川さんは北海道にいました。名門の育成牧場「社台ファーム」で、未来の名馬を見つけ出し、馬主に推薦するためです。前川さんと共に鋭い眼光で馬を見つめていたのが、数多くの名馬を輩出してきた矢作芳人厩舎の矢作調教師でした。実はこの二人は師弟関係。
「彼女は大胆不敵だが、細やかな面もある。後に続く女性たちのためにも成功してほしい。」

開業したばかりの前川厩舎。厩務員と調教助手、12名のスタッフと共に、前川さん独自の工夫でサラブレットの世話をしています。いくつか見せてもらいました。

7月1週目、栗東トレーニング・センターでは、厩舎で最も人気のある牝馬、モズメイメイの調教。狙うは前川厩舎初となる「重賞レース」制覇です。前川さんは7月6日、福岡県の小倉競馬場へ。モズメイメイは賞金の高い重賞レース『北九州記念』に挑みました。前川厩舎、初の重賞制覇なるか?いよいよレースがスタートします!

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