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谷本久実さん 和歌山県紀の川市 『KII』

2024119日(土) 午前11時

和歌山のフルーツを愛するパティシエール

谷本久実さん 和歌山県紀の川市 『KII』

和歌山は「フルーツ王国」の異名をとるほど果樹栽培がさかん。四季折々に多彩な果物が実ります。そんな和歌山でも、特にフルーツの収穫量が多い紀の川市に今年1月、洋菓子店『KII』がオープンして話題になっています。店主は谷本久実さん。お店には焼き菓子が並びますが、とりわけ目を引くのが、フルーツタルトやショートケーキです。「フルーツの美味しさを大切にしています。和歌山の食材をメインに、味も見た目も無理に手を加えません」。商品のポップには生産者の名前が。農家の作り手さんをリスペクトしているのです。

もう一つ大切にしているのが「旬」。9月まではイチジク、ブドウ、ブルーベリー。9月末からは栗、みかんなど。和歌山の季節を感じてほしい、と谷本さん。店内にはイートインコーナーもあり、イートイン限定のマーマレード付きチーズケーキや、世界中から厳選した豆を焙煎したコーヒーも味わえます。

谷本さんは定休日も、自ら生産者さんの元を訪ね、仕入れをするのです。回るのは愛情を持ってフルーツを育てている農家ばかり。「和歌山にこんなフルーツがあるんだ。今これが旬なんだって勉強になります」。

谷本さんは紀の川生まれ。幼いころからお菓子作りが大好きで、製菓専門学校を経て、19歳から神戸の有名洋菓子店で9年間修業。その後フランスに渡りフランス菓子の基礎を学びます。帰国してからは東京のレストランでシェフパティシエールを務めますが、そこで出会ったのが、故郷・和歌山のフルーツでした。その品質の良さに驚いた谷本さんは、ある決心をします。それが、紀の川に戻ってお店を開くことでした。

さて、開店と同時にお客さんが続々とやってくる人気店『KII』ですが、谷本さんは新たな依頼を受け、新作のお菓子を考案中でした…

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KII
概要今回の主人公、谷本久実さんが1月に開いた洋菓子店。地元和歌山の旬のフルーツにこだわったシンプルなケーキが人気。連日お客さんが詰めかけている。
住所和歌山県紀の川市粉河1107-5
営業時間11:00~17:00
定休日月曜・火曜・水曜
備考イチジクのショートケーキ 540円(現在は販売していません)                   ※季節に応じて内容や値段は異なります。

インスタグラム
https://www.instagram.com/kii.kokawa/
KAMIN COFFEE ROASTER
概要主人公の谷本さんが店で出すコーヒーの豆を仕入れているコーヒー専門店。自家焙煎した豆を購入することができる。
住所和歌山県岩出市宮60-1
電話番号0736-60-3574
営業時間10:00~18:00 
定休日月曜
備考KAMINブレンド200グラム 1,340円

ホームページ
https://www.kamin-coffee.com/about
アダージョ
概要常に予約が3か月待ちになっている人気のレストラン。来年の正月に谷本さんとのコラボを企画していて、谷本さんはフランスの伝統菓子、ガレット・デ・ロワを提供する予定。
住所和歌山市吹上1-1-22
電話番号073-488-8220
営業時間ランチ12:00~14:30
ディナー18:00~22:00
定休日水曜、第1・3火曜 ※不定休あり
備考ランチ ¥ 12,000
ディナー ¥ 16,000 / ¥ 20,000 ~

ホームページ
https://adagio-r.com/

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網野篤子さん 京都市

2025712日(土) 午前11時

ガラス細工で作るリアルな金魚

網野篤子さん 京都市

ガラス工芸の博物館で開催されていた「超絶技巧 硝子展」。ここで注目を浴びたガラス細工が…夏の風物詩、金魚。細部まで再現されたガラス細工の金魚は、まるで生きているような躍動感があります。まさに「超絶技巧」。この金魚の作品を作っているのが、ガラス作家の網野篤子さん。彼女が金魚をガラスで表現する理由、それは「金魚が大好きだから」。

京都の深泥池のほとりに、この地で生まれ育った網野さんのアトリエがあります。網野さんはバーナーワークという技法で、色ガラス棒を素材に20年以上、金魚を作っています。とにかくリアル。本物と比べてみても、その再現性に驚かされます。品種ごとに異なるシルエットや、ヒレの微細な特徴まで、見事に再現されています。では、その作品制作を見せてもらいましょう。

様々な色のガラス棒をバーナーで溶かして形にしてゆきます。溶けたガラスが垂れぬようつねに回転させ、温度を均一に保ちます。温度差ができると、ガラスが割れてしまうので、この調節がとても難しい。ガラスを継ぎ足し、先の細いピンセットでひれの膜を作り、尻びれ、尾ひれと、様々な器具を駆使して、本物に近づけてゆくのです。時には金箔や銀箔を使うことも。

網野さんは、ガラスの金魚を美しく仕上げるため、日々、研究を重ねています。やって来たのは、金魚の一大生産地・大和郡山。養殖のプロの話を聞き、様々な種類の金魚を見て、創作の源にしています。今日のお目当ては「大阪らんちゅう」。江戸時代から大阪を中心に、広く飼われた品種で、太平洋戦争の時代に絶滅の憂き目に遭いました。近年、愛好家たちが力を尽くし、見事、復活したそうです。網野さんのガラス細工で表現した「大阪らんちゅう」とは?

この日、網野さんに東京での展示会のオファーが舞い込みました。そこで新作を披露することにしたのです。挑戦するのは「ピンポンパール」という金魚。その名のとおり、まるでピンポン玉のように金魚です。網野さんはピンポンパール専門店を訪ね、じっくり見学して、創作のヒントを得ました。初めて表現する「ピンポンパール」、はたして納得のいくガラス細工に仕上がるのでしょうか。

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