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『堀田カーペット』 堀田将矢さん

2018324日(土) 午前11時

大阪の地場産業・カーペットの魅力を伝えたい、3代目若社長!

『堀田カーペット』 堀田将矢さん

たった1枚で部屋の印象をガラリと変えることのできるカーペットは、保温や防音、滑り止めなど多くの利点がありますが、フローリングなどに押され、全盛期の100分の1にまで需要が落ちているとされています。

そんな日本製のカーペットの多くは大阪府で作られており、中でも和泉地域には確かな技術をもつメーカーがたくさんあります。そんな和泉市で、技術とデザインでカーペット業界をリードしているのが「堀田カーペット」。1962年創業のこの会社で三代目若社長として活躍しているのが、堀田将矢さん。

堀田カーペットではとにかく素材はウールにこだわり、糸から開発するメーカーとしてその名を知られています。特に敷き込みカーペットの分野では業界をリードする存在で、名だたる高級ホテルなどにも納品しているほど。工場で使われている織機は、1800年代のイギリス産業革命時代に開発された「ウィルトン織機」。最大6000個の糸を巻いたコマを使い、何日もかけて巨大なカーペットを織っていく姿は壮観の一言です。

大阪府和泉市生まれの堀田さんは、一般企業に勤めた後に家業を継ぎました。しかし、当時のカーペット業界は危機的状況。大阪のメーカーや関連企業は次々と廃業に追い込まれていました。そんな状況を前にして、カーペットの良さを少しでも多くの人に知ってほしいと、新たな試みを始めた堀田さん。カーペットのある生活のすばらしさを広く伝えたいと、自宅をキッチンに至るまでオールカーペットで作り、なんとショールームとして開放!夏は涼しく冬は暖かく、何かをこぼしてもすぐに復旧できるなど、ウールカーペットの魅力を生活の中で伝えています。そんなカーペットの魅力を知り、少しずつ注文も増えてきているとか。

また、家庭でも気軽に使えるよう、ラグも開発。評判を呼んだウールラグのブランド「COURT」の魅力を紹介。

今回、堀田さんは新たなカーペットの新商品に挑戦。それは「COURT」シリーズに新しい技術を取り入れた新作のラグを作ること。日本のトップクラスの技術を誇る繊維プリントの会社とタッグを組み、新作作りをスタート。カーペットができあがるまでを追った。

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堀田カーペット株式会社
概要日本の繊維業界をリードするカーペットメーカー。ホテルや住宅などに敷き込む大型カーペットとラグマットを製造している。
住所〒594-0065
大阪府和泉市観音寺町531
電話番号0725-43-6464
定休日土曜・日曜・祝日

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網野篤子さん 京都市

2025712日(土) 午前11時

ガラス細工で作るリアルな金魚

網野篤子さん 京都市

ガラス工芸の博物館で開催されていた「超絶技巧 硝子展」。ここで注目を浴びたガラス細工が…夏の風物詩、金魚。細部まで再現されたガラス細工の金魚は、まるで生きているような躍動感があります。まさに「超絶技巧」。この金魚の作品を作っているのが、ガラス作家の網野篤子さん。彼女が金魚をガラスで表現する理由、それは「金魚が大好きだから」。

京都の深泥池のほとりに、この地で生まれ育った網野さんのアトリエがあります。網野さんはバーナーワークという技法で、色ガラス棒を素材に20年以上、金魚を作っています。とにかくリアル。本物と比べてみても、その再現性に驚かされます。品種ごとに異なるシルエットや、ヒレの微細な特徴まで、見事に再現されています。では、その作品制作を見せてもらいましょう。

様々な色のガラス棒をバーナーで溶かして形にしてゆきます。溶けたガラスが垂れぬようつねに回転させ、温度を均一に保ちます。温度差ができると、ガラスが割れてしまうので、この調節がとても難しい。ガラスを継ぎ足し、先の細いピンセットでひれの膜を作り、尻びれ、尾ひれと、様々な器具を駆使して、本物に近づけてゆくのです。時には金箔や銀箔を使うことも。

網野さんは、ガラスの金魚を美しく仕上げるため、日々、研究を重ねています。やって来たのは、金魚の一大生産地・大和郡山。養殖のプロの話を聞き、様々な種類の金魚を見て、創作の源にしています。今日のお目当ては「大阪らんちゅう」。江戸時代から大阪を中心に、広く飼われた品種で、太平洋戦争の時代に絶滅の憂き目に遭いました。近年、愛好家たちが力を尽くし、見事、復活したそうです。網野さんのガラス細工で表現した「大阪らんちゅう」とは?

この日、網野さんに東京での展示会のオファーが舞い込みました。そこで新作を披露することにしたのです。挑戦するのは「ピンポンパール」という金魚。その名のとおり、まるでピンポン玉のように金魚です。網野さんはピンポンパール専門店を訪ね、じっくり見学して、創作のヒントを得ました。初めて表現する「ピンポンパール」、はたして納得のいくガラス細工に仕上がるのでしょうか。

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