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「御菓子司 吉乃屋」 堂浦大輔さん

2020111日(土) 午前11時

和菓子の未来を切り拓く若き職人

「御菓子司 吉乃屋」 堂浦大輔さん

大阪府松原市に、新しい感覚の和菓子を次々と生み出しているお店があります。
「御菓子司 吉乃屋」。和菓子を通じて人々を笑顔にしようと「一菓一笑(いっかいちえ)」をモットーに20年間、地域で愛されている名店です。
こちらの工場長はなんと25歳。若いパワーとフレッシュな感性で和菓子界の新たな扉を開き続けている、堂浦大輔さんです。

実は堂浦さん、「大阪和菓子界のエース」として、今注目を集めています。
堂浦さんは高校を卒業後、製菓学校へ進学、元々は洋菓子志望だったそうですが、授業を通じて美しく魅力的な和菓子の世界を知り、のめりこんでいったそうです。数々の和菓子店を訪れ、食べ歩く中でめぐり会ったのが「吉乃屋」の味でした。

その味に惚れ込んだ堂浦さん、当時社員を募集していなかったという吉乃屋に飛び込み、猛アピールの末、採用されました。すぐに頭角をあらわした堂浦さん、入店3年目にして新商品でヒットを飛ばしたり、その後「全国菓子大博覧会」への出品も実現するなど、快進撃を続け、去年24歳の若さで工場長に就任しました。

今回、令和初の新年にあたり、その記念となる重要な和菓子づくりを任せられました。
他の和菓子にはない、斬新な素材の組み合わせにこだわる堂浦さん。地元の食材、太子町の蜜柑をを使った「蜜柑ピール」を練り込んだ餡を、チョコレートを混ぜた生地で包んだ新感覚和菓子が生まれました。新春の店頭に並んだ新商品は完売、食べたお客さんからも美味しいとの声が次々に。堂浦さんの苦労が報われた瞬間でした。

和菓子界の新鋭職人、その奮闘に密着しました。

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御菓子司 吉乃屋
概要伝統和菓子を始め新感覚の創作和菓子が人気
住所大阪府松原市阿保3-1-27
電話番号072-335-0046
営業時間9:00~19:00
定休日水曜
備考近鉄 河内松原駅から徒歩6分(出口2)
蜜柑ピールカカオ 300円(+税)、いちご大福 200円(+税)
まったら最中 160円(+税)、こもれび 180円(+税)
本松葉屋
概要上生菓子など定番商品から創作和菓子が並ぶ
住所大阪市天王寺区真法院町1-14
電話番号06-6771-0304
営業時間9:00~19:00(祝日のみ17:00)
定休日日曜
備考JR環状線「桃谷駅」より徒歩5分
くらだし 162円(税込)
老松 1,404円(税込)、いちご大福 302円(税込)

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

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網野篤子さん 京都市

2025712日(土) 午前11時

ガラス細工で作るリアルな金魚

網野篤子さん 京都市

ガラス工芸の博物館で開催されていた「超絶技巧 硝子展」。ここで注目を浴びたガラス細工が…夏の風物詩、金魚。細部まで再現されたガラス細工の金魚は、まるで生きているような躍動感があります。まさに「超絶技巧」。この金魚の作品を作っているのが、ガラス作家の網野篤子さん。彼女が金魚をガラスで表現する理由、それは「金魚が大好きだから」。

京都の深泥池のほとりに、この地で生まれ育った網野さんのアトリエがあります。網野さんはバーナーワークという技法で、色ガラス棒を素材に20年以上、金魚を作っています。とにかくリアル。本物と比べてみても、その再現性に驚かされます。品種ごとに異なるシルエットや、ヒレの微細な特徴まで、見事に再現されています。では、その作品制作を見せてもらいましょう。

様々な色のガラス棒をバーナーで溶かして形にしてゆきます。溶けたガラスが垂れぬようつねに回転させ、温度を均一に保ちます。温度差ができると、ガラスが割れてしまうので、この調節がとても難しい。ガラスを継ぎ足し、先の細いピンセットでひれの膜を作り、尻びれ、尾ひれと、様々な器具を駆使して、本物に近づけてゆくのです。時には金箔や銀箔を使うことも。

網野さんは、ガラスの金魚を美しく仕上げるため、日々、研究を重ねています。やって来たのは、金魚の一大生産地・大和郡山。養殖のプロの話を聞き、様々な種類の金魚を見て、創作の源にしています。今日のお目当ては「大阪らんちゅう」。江戸時代から大阪を中心に、広く飼われた品種で、太平洋戦争の時代に絶滅の憂き目に遭いました。近年、愛好家たちが力を尽くし、見事、復活したそうです。網野さんのガラス細工で表現した「大阪らんちゅう」とは?

この日、網野さんに東京での展示会のオファーが舞い込みました。そこで新作を披露することにしたのです。挑戦するのは「ピンポンパール」という金魚。その名のとおり、まるでピンポン玉のように金魚です。網野さんはピンポンパール専門店を訪ね、じっくり見学して、創作のヒントを得ました。初めて表現する「ピンポンパール」、はたして納得のいくガラス細工に仕上がるのでしょうか。

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