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2014年10月12日放送

夢が打ち砕かれた庭

この物件が抱える問題

  • ■ブロック塀と多くの植栽に囲まれ、閉鎖的な外観になっている
  • ■植栽が混んでいるため木々の奥は枯れ、虫の大量発生のもとになっている
  • ■物干し場にも枝葉が生い茂り、洗濯物に日が当たらなかったり虫が付くことがある
  • ■水捌けが悪く雨が降るたびに庭一面が水たまりになり、大雨の時は2週間ほど庭がぬかるんだままになる
  • ■庭が150坪あるため、手が行き届かずジャングルのようになっている
  • ■年に5回は草刈りをするが、雑草の生育が早く作業が追い付かない
  • ■子供たちは庭で遊ばず、家の前の道路で車に注意しながら遊んでいる
  • ■スズメ蜂や蛇など、危険な虫が庭に繁殖している
  • ■果物が沢山なっているが手の届かない部分は腐ってしまっている
  • ■カーポートのぶどうが車の上に落ち塗装表面が酸化し染みになっている
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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

廃材のスタイリスト 金井良一

果実があり、花が咲き四季折々を感じるが、植木が多すぎて色々な問題を引き起こしている。
植木を整理して、見通しがきいて作業がしやすい効率的な空間にしていかないと、もったいない。

現場検証 問題解決のために必要なリフォームは…?

久しぶりのタッグ

画像:夢が打ち砕かれた庭

依頼者のもとに向かうべく駅に降り立った匠を追ってきたのはタレントのユージさん。
「匠」の手助けをしたいと駆けつけました。
数々のガーデンリフォームを経験したユージさんを手伝いではなく自分の片腕として働いてもらいたいと「匠」からのリクエストも。

画像:夢が打ち砕かれた庭

依頼者のお宅に到着するなりまず目に入ったのは車庫の屋根一面に実るぶどう。
「普通のお宅にこんなに生えるのか」とユージさんも驚きを隠せません。

画像:夢が打ち砕かれた庭

草刈りの負担の軽減や、一輪車、ブランコをしたいという姉妹の願いを受け、「匠」とユージさんの挑戦が再び始まります。

門扉から始めるガーデンリフォーム

画像:夢が打ち砕かれた庭

リフォームの最初の作業は庭ではなく門扉の取り外しから始まりました。
実は、ぶどうの収穫の時期だけ、玄関前の空いたスペースに車を停められないかとお父さんから相談を受けていたのです。
そこで、車が出入りするためには、邪魔になる門扉と脇のブロック塀も取り払います。

画像:夢が打ち砕かれた庭

車が通れる幅を確保するため玄関アプローチの両側から迫る伸び放題の植木も2人で手際よく刈り込んでいきます。

画像:夢が打ち砕かれた庭

車が出入りすることの出来なかった幅の狭い門扉を脇のブロック塀ごと取り払い、間口を3メートルに広げ、アプローチ周りもすっきりしました。

「匠」の技が光るアプローチづくり

画像:夢が打ち砕かれた庭

仕事のため現場を離れたユージさんに代わり、新しい助っ人が登場。
以前、実家のリフォームを「匠」に依頼したTKOの木本さん。ユージさんからの連絡を受け、「匠」の手伝いがしたいと駆け付けてくれました。

画像:夢が打ち砕かれた庭

「匠」と木本さんがとりかかったのは、駐車スペースとなる玄関前にコンクリートを打つための下地作り。
生い茂る植木を剪定して間口を広げたアプローチにワイヤーメッシュを敷き詰めます。

画像:夢が打ち砕かれた庭

現場にミキサー車が到着すると「匠」はあるものを取り出しました。
それは、大量のレンガチップ。
「匠」は大量のレンガチップを、ミキサー車の生コンクリートに直接入れ始めました。

画像:夢が打ち砕かれた庭

敷き詰めたコンクリートの表面を洗うと、もともとコンクリートに入っていた砂利と、混ぜたレンガが浮き出て趣のある仕上がりに。
レンガチップは、滑り止めの役割も果たします。

中古の物量器材を手に入れ…

画像:夢が打ち砕かれた庭

ユージさんと「匠」が訪れたのは、中古の物流器材を大量に扱う会社。
荷物の集配所で使われていたローラーコンベアーなどありとあらゆる物流用の機材を新品の3分の1ほどの価格で販売しています。

画像:夢が打ち砕かれた庭

「匠」のお目当ては、もともと荷物の運搬用として使われる大きなパレット。
「匠」はこのパレットをなんと40枚も購入しました。

画像:夢が打ち砕かれた庭

2トントラック2台分の山砂でベランダの前一面を均した上に、中古で安く買ってきたパレット40枚を敷き詰めていきます。

画像:夢が打ち砕かれた庭

並べたパレットと同じ高さまで、水捌けの良い軽石を流し込み、さらに上に水で濡らすと固まる固化材を混ぜた真砂土を撒いて仕上げます。
これで、雨が降っても水たまりが出来ることのない水はけのいいテラスが出来上がります。

物置のリフォーム

画像:夢が打ち砕かれた庭

木本さんとともに「匠」が向かったのは、物置。
以前の住人が、庭で収穫したキウイやビワなどの果実を出荷するのに使っていた作業場でした。

画像:夢が打ち砕かれた庭

「匠」は物置の入口を、中古のパレットや古タイヤなどで塞いでしまいました。
さらに金網に切り込みを入れ、不要になった植木鉢やバケツを埋め込みます。

画像:夢が打ち砕かれた庭

割れたり膨らんだりして売り物にならないレンガを調達してきた「匠」。
色も大きさも異なるレンガをパズルのように積み上げていきます。

画像:夢が打ち砕かれた庭

物置の入口を塞ぐパレットとタイヤをきれいに縁取るようにして庭に面した壁一面がレンガで覆われました。
最後にタイヤやパレットを取除くと、レンガのアーチが出来上がりました。

新しい庭の名所

画像:夢が打ち砕かれた庭

次に匠はほとんど使われずにベランダ横に置かれていた屋外用の物置を、わざわざ広い庭の真ん中に移動させました。

画像:夢が打ち砕かれた庭

プラスチック製の保護材でスチール製の物置の周囲を覆うと、今度は玄関前に駐車スペースを作る際に掘り起こした残土を物置の裏へ盛りました。
それを均して傾斜を付け、その外側に、土が崩れないようにするための土留めとして、近所の解体現場でもらってきた廃材の瓦を並べて積み上げていきます。

画像:夢が打ち砕かれた庭

ベランダを解体した時に取っておいたプラスチックの床板で物置の屋根を補強し、さらに芝生を天井に敷き、人が乗ることができるように。
スチール製の物置が展望台を兼ねた築山に変身しました。

画像:夢が打ち砕かれた庭

さらに仕上げとして、モルタルを塗った物置の壁に、庭の土や藁を練り込んだモルタルを投げつけていき、庭に馴染む物置が完成しました。

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

明るく見通しがよくなった外観
ほとんど家が見えないほど鬱蒼としていた入り口は、生い茂る植木を整理し、門柱ごと門扉を取り払って間口を広げ、車が入れるようにしました。
奥の庭まで続く舗装されたアプローチは車を4台も停められる駐車スペースに。

汚れた古いブロック塀は、鈴なりに実を付けたおいしそうなぶどうのレリーフで装飾されました。
木本さんがブロックの上2段を取り払い、モルタルを塗って下地を作り、ユージさんが持ち前の器用さを発揮し5日間掛けてレリーフを仕上げました。

お母さんがバラのアーチを作ろうとしたものの時間が取れず、やりかけのままになっていた北側の通路は、「匠」と木本さんが作業を引き継ぎ、きれいに整備。
ここから直接、勝手口にも庭にも入ることができます。

家の外壁に掛かるほど植木が生い茂り誰も通ることがなかった勝手口から庭への通路は、玄関アプローチ同様、植木を整理して人が通れる動線を確保。
足下も、水はけが良く雑草が生えない真砂土で固めました。
画像: 匠のアイデア
すっきりとした物干し場
洗濯物に虫が付くこともあり、困っていた物干し場は、目の前をレンガチップ入りのコンクリートで舗装し日当たりと風通しを改善。

広くなった庭への動線の端にパーゴラを建てソフトボール部の長女のために練習ネットを取り付けました。
画像: 匠のアイデア
水捌けと防虫にすぐれた庭先
生い茂る草木が視界を塞ぎ、ぬかるみにムカデや蛇が潜んでいた庭先は、パレットと軽石を固化材入りの真砂土で固めたことで雑草の生えない水はけのよいスペースになりました。

庭との段差が70センチ以上もあったベランダは、その骨組みを生かして、倍の広さのウッドデッキに。
パレットを埋めて地面が20センチ高くなったおかげで段差が小さくなり、保育園に通う三女でも安全に庭に出られるようになりました。

畳8畳分の広さを誇るそのウッドデッキの下には、木を細かく砕いた大量のウッドチップが敷き詰められています。
防虫効果のあるクスノキのウッドチップを虫の多い家の周りや木の周りに敷きました。


ウッドデッキの前には、お母さんが夢見た花壇も完成。
レンガのアーチを作る際に型枠として使った古タイヤを土台に、レンガで縁どり、まん中に石を積み上げて桜島をイメージしました。
画像: 匠のアイデア
新しいバーベキューエリア
使われていない鶏小屋や犬小屋が散在していた一角は、バーベキューコーナーへと一新。


ビールケースを溶岩石で囲って作った頑丈な脚で支えるのは、防虫効果のあるクスノキの丸太を半分に切った重量感あるカウンターテーブル。



バーベキューコンロは2口。
桜島の溶岩石で作った溶岩プレートは、遠赤外線効果で肉をおいしく焼き上げてくれます。




木本さんが汗まみれになりながらレンガを積み上げて作ったガーデンキッチンは、バーベキューの準備や後片付けに重宝しそう。
画像: 匠のアイデア
収穫しやすい果樹園
庭を覆っていた雑草をすべて根こそぎ刈り取り、緑の芝生の広場が誕生しました。
植木鉢と桜島の溶岩石でできたオブジェは、井戸水を引いたスプリンクラー。芝生の水やりがスイッチひとつで出来ます。

水捌けが悪く足元がぬかるんでいたキウイ棚の一画は、一面にパレットと軽石を敷き、固化材を混ぜた真砂土で固め雑草対策を万全に。
地盤が20センチ上がったことで小さな子供でも手が届き、楽に収穫できるようになりました。

水質と水量検査をして、まだ十分使えることが分かった井戸は、壊れていた手動のポンプを電動ポンプに替えて復活。庭で使うすべての水をこの井戸水で賄うことが出来ます。
解体現場で譲ってもらった洗面台も井戸の脇に添えて再利用しました。

背の高いビワの木の脇には、上に板が置かれた鉄のフレーム。
下に置いた丸太をステップに遊び感覚で収穫ができるよう「匠」が考えました。
画像: 匠のアイデア
子どもとお母さんの夢を叶えた築山
庭の隅に置き去りにされていた物置を利用してできた築山は、上に登れば、高い枝の柿の実にも手が届き、生まれ変わった庭を一望できます。

屋根から突き出すパーゴラにはやがて緑のつるが伸びて庇を作ります。
しかも、夏場に庭で遊ぶ子供たちの熱中症対策としてミストシャワーまでついています。



物置の中の壁と床には木が貼られ、園芸用品が置いておける木の棚も設けられました。
壁には、ユージさんと木本さんが作った黒板がかけられています。それぞれ時期が違う果実の収穫スケジュールなどを書いておくことができます。

一輪車で遊びたいという次女の願いを叶えるために作られた周回路は、水捌けのよい舗装材で固められています。




築山には三女と約束した滑り台が作られました。
実はこの滑り台、3メートルに切り揃えた塩ビ管を6本繋いで作られました。




滑り台の脇には、お母さん念願の家庭菜園。
築山の傾斜を活かした段々畑には、根菜も植えられます。




築山の奥に置かれた波板の大きな箱は、雑草などをたい肥にする容器。
剪定した枝葉などを細かく砕く粉砕機もついています。
熟れて落ちた果実などもここに入れておけば、たい肥としてリサイクルできます。
画像: 匠のアイデア
今回お手伝いいただいた工務店の皆さん
写真:工務店の皆さん
神奈川県大和市 有限会社 プレイスケープ
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