2014年12月7日(前編)・12月21日(後編)放送
薪で支える家
■道路と家を隔てる水路に架かる橋は狭く、手すりもないため危険
■細い薪をサッシのつっかい棒にしているがすぐに取れるためあまり意味がない
■玄関に続く通路は狭く、出入りが危険
■日が暮れると電灯もなく辺り一帯真っ暗になってしまう
■風呂場とトイレが離れたところにあるため夜の移動が危険
■お風呂は五右衛門風呂で、トイレは便器もなく、木に穴が開いたものを使用している
■外壁の隙間から冬は冷たい風が吹き込み、蛇などの生き物が家の中に入ってくる
■もともと土間だった台所の床板が腐り、今にも抜けそうな有様
■電気は来ているものの、水道、ガスは通っていない
■家まで水を引いていた川が枯れたため、50メートル離れた水源まで斜面を上り下りして汲んでいる
■家の裏の石垣が崩れ、家になだれ込む恐れがある
モダニズムの継承者
柴田達志
100万円という金額では、生活環境のどこか1つだけならいざしらず、通常のやり方ではありえない内容。 この場所で生活をしたいという思いを叶えるため、しっかり作戦を練りたい。
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安全になった家周り
デッキの石垣は、長男とえとうさんが300個以上もの重い石を1つ1つ積み上げたもの。
その上を匠が裏山から移植した緑が彩ります。
石垣に面する外壁の丸太は、弟が切った杉を製材する際に切り落とした端材。
下の板に上の板を被せていく「鎧張り」で雨風を防ぎます。
兄弟の年輪を思うダイニング
南の掃き出し窓からも出入りできるかつて玄関土間と和室があった場所は広い三和土のダイニングキッチンに様変わり。
以前は通っていなかったガスも使えるようになり、蛇口から水も出るようになりました。
そんな当たり前に思えるおかあさんの一番の願いが叶いました。
ガスコンロの真上には、トタンを笠に使った照明が。
調理で出る煙やニオイを壁の換気扇へ導きます。
調理台の側面の杉の板は跳ね上げて固定でき、おかあさんが手軽に食事できる食卓に早変わり。
収納も十分にあります。
杉の板は、三和土のダイニング側にも。 引き出し式の収納になっていて、ダイニングに通した来客にお茶を入れるのに役立ちそうです。
キッチンの背後には、以前からあった和室の押入れを残し建具を補修して食器棚として活用。
匠が競売で手に入れた小学校の棚が押入れの上と下にそのままちょうど良く収まり使い勝手の良い食器棚になりました。
孫と仲間が仕上げた三和土の上にある、丸太で作った「囲炉裏テーブル」と椅子のダイニングセットは、「匠」が、チェーンソーの名手である弟に依頼したもの。 ずっとこの家にあった囲炉裏が、姉弟のように寄り添う丸太に囲まれて残されました。
手作りのお風呂
新しく出来た大きな浴槽は、家具職人の松山さんに協力してもらい、えとうさんが合板で組み立てたもの。
合板で組み立てた浴槽を防水の塗膜で覆いました。
えとうさんが助けを借りながらも丸4日かけてお母さんのために作った手作りのお風呂は、これまでの五右衛門風呂の倍はありゆったり寛げます。
お風呂の脇の洗面台は匠が小学校の音楽室で見つけたもの。
湿気対策を念入りに
もともと湿気による床板や畳の傷みが気になっていた「匠」は、すべての部屋の床下一面に吸湿性に富む竹炭をびっしりと敷き詰めました。
実は、この竹炭も手作り。
弟が伐採した竹を現場の近くの土釜をお借りして焼きあげました。
火を絶やすと失敗してまうという竹炭作り。夜中えとうさんが見守り続けました。
職人の技を活かして
仏間の西側、新しい玄関との境には、「土壁」の下地となる「小舞竹」が組まれています。
冬はプラスチックのベニヤで塞いで外気を断ち、夏は蚊帳をかけて風を通し、涼やかに、季節によって使い分けることが出来ます。
家の西側の壁は、「小舞竹」を下地とした「土壁」になっています。
こちらも、えとうさんが今や高知県にたった1人しかいないという小舞職人さんに教えを乞いながら組んだもの。
土壁は、和室に敷かれていた古い畳の表面を切り取り出したスサと現場の赤土と混ぜあわせました。 乾燥してヒビが入ることで味わい深い独特な風合いが生まれます。
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