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2015年2月22日放送

上がったり下りたりの家

この物件が抱える問題

  • ■家がスキップフロア構造になっているためどの部屋に行くにも階段を上り下りしなければならない
  • ■道路から玄関まで120センチの高低差があり、バランスを崩しやすく危険
  • ■台所がせまく、3世代で食卓を囲むと背後を通り抜ける隙間もないほど窮屈
  • ■台所の床が激しく傾斜している
  • ■倉庫への入り口の高さが1メートルほどしかなく、頭を打ってしまい危険
  • ■外壁周りを囲って作った倉庫は外気温に近く冬場は温度差がひどく、ヒートショックが心配
  • ■外壁に大きなヒビが入っていたり、建具が開けられないほど歪んでいるなど震災の影響が大きく残っている
  • 写真:サムネイル
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この問題を抱えた物件に、立ち上がった「匠」とその技

写真:「匠」の顔写真

命を守る家の語り部 中北 幸

構造的にはかなり手を加えないといけない。91歳の父と還暦を過ぎた娘夫婦の同居なので介護の大変さは必ずあるので、段差を解消していかないといけない。
また、生活リズムが違う2世帯同居のストレスをどう和らげられるかがテーマ。

全ての問題を解決したそのビフォーアフターをご覧ください!!

赤いカメラをクリックするとビフォーアフターの変化をご覧いただけます

家族の幸せを願った「匠」からのアイデア

段差を取り払った玄関
道路面から玄関まで段差なしで行き来できる手摺り付きの緩やかなスロープの表面は滑り止め加工が施され将来、車椅子で移動することになっても安全に通れます。

場所を北に移した玄関扉の外には鍵を開ける際に荷物が置ける棚が設けられ。玄関内は、居住スペースを広くするため以前よりもコンパクトに。



下駄箱は普段使いの靴ならも3人分が十分収まるサイズ。その脇には靴の脱ぎ履きに便利な手摺り付きのベンチを備えました。




玄関を小スペースに仕上げた分動線を邪魔しない収納は大容量に。スリッパや雨具、外出時のコートや帽子、箱に入れたままの靴などを仕舞っておくのに便利です。
画像: 匠のアイデア
快適なダイニング
明るく広くなったダイニングの床には温風暖房蓄熱システムの吹出口が。暖かい空気による暖房効果だけでなく常に空気が循環し、快適な室内環境に。

キッチンもゆとりある造りで食器や調理器具がたっぷり収まる大型収納を完備。通常より低い、高さ150センチの吊戸棚は以前は手が届かなかった娘さんも楽に使え、軽い力で引き出せる収納ラックは重い食器が入っていても簡単に取り出せます。


キッチンからは、目の前のダイニングとすぐ隣のおじいちゃんの部屋が見渡せるのでいつでも家族の様子が確認できて安心。
画像: 匠のアイデア
思い出が詰まったおじいちゃんの部屋
地震で倒れないよう壁に固定されている仏壇。その台の下には専用の椅子が収められ壁には腰掛ける時や立ち上がる時につかまる手摺りも設置。91歳のおじいちゃんへの配慮が行き届いています。

仏壇の奥、壁に杉を張ったコーナーはおじいちゃんの子どもの頃からの趣味であるカメラや写真を楽しんでもらおうと作ったスペース。壁には、おばあちゃんを撮影した思い出の写真などお気に入りの写真を飾る棚を取り付けました。


L字型に延びる天板の下には引き出しを作り付け、カメラやレンズ、スタンドなどを整理して仕舞えるよう内部には仕切りを設けてあります。



元気なおじいちゃんにまだまだ趣味を楽しんで欲しいと願う「匠」。部屋には、大型の撮影機材も収まるクローゼット収納も備えました。




収納の隣の建具は勝手口へ通じる引き戸。万一、地震で開かなくなった時に備え下半分を手前に取り外して脱出できる仕掛けになっています。
画像: 匠のアイデア
災害に備えた勝手口
下半分を手前に取り外せる建具を設けた先にある、勝手口の引き戸も開かなくなった際は内側から外して脱出できます。

勝手口のすぐ脇には、階段下のスペースを有効利用した防災用品置き場を用意しました。災害時に脱出する際に素早く持ち出して逃げられるよう水や避難用品、最小限の必需品を入れた非常持出袋を常備しておけます。
画像: 匠のアイデア
まとめられた水回り
おじいちゃんの部屋から行き来し易い場所には扉が大きく開き、車椅子でも入りやすいトイレをはじめ水回りをまとめました。


洗面脱衣所の床には温風暖房の吹出口が開けられ浴室暖房も完備。冬場のヒートショックから高齢者を守ります。
画像: 匠のアイデア
娘夫婦の心地よい生活空間
天窓の明かりが落ちる階段の横に完成したのは娘の千賀子さんと隆雄さん夫婦専用の水回り。2階でも手軽にお茶が飲めるようにミニキッチンも用意されました。

そんなミニキッチンの横の扉を出ると、日当たりのいい南向きのバルコニー。3人分の洗濯物が十分干せて、気持ちよく乾きます。



階段の北側、元から2階だったスペースもこれからおじいちゃんと二世帯同居を始める娘さん夫婦の新しい生活空間として生まれ変わりました。




その他にも、作り付けの収納を数多くしつらえた「匠」。タンスなど地震で倒れる危険のある置き家具を使わなくても済むようにしました。





フリースペースには布団を仕舞える押入れもあるので、おじいちゃんのかわいい孫が遊びに来た時にはここを客間として使えます。
画像: 匠のアイデア
今回お手伝いいただいた工務店の皆さん
写真:工務店の皆さん
兵庫県神戸市 三幸建設
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