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「木彫庵 竹木石草」木彫師 竹内勢津子さん

20181215日(土) 午前11時

仏師の想いを受け継ぐ女性木彫師

「木彫庵 竹木石草」木彫師 竹内勢津子さん

京都で仏像を彫る仏師の家に生まれ、木に人への思いを込めてアクセサリーを作る女性木彫師の竹内勢津子さん。愛らしい干支の置物や小さなお地蔵様など、女性の感性を活かした優しい作風が、親しまれています。

なかでも、竹内さんの代表作は、2連・3連と繋がったハートやリングの「和つなぎ」です。これは1つの木片から彫ったもので、それぞれの輪っかを作ってから繋ぎ合わせたものではありません。
手に取る人を和ませるこの作品の原点は父からの贈り物でした。

竹内さんは、仏師を父に持ち、高校生の時に修業を始めたものの、仏師の世界は辛く、木彫りを一度はやめます。
しかし、結婚・出産を経て、シングルマザーとなった時、
頭に浮かんだのが、18歳の誕生日に、今は亡き父から贈られた2連の輪っかでした。
竹内さんは再び彫刻刀を握る決意をしたのです。

「人の気持ちに寄り添うものを作りたい」と語る竹内さんが、今取り組むのは、辛い時期も支えてくれたという大切な幼なじみへの「和つなぎ」作りです。感謝の思いがどのような作品を生むのでしょうか?

人と木に寄り添う!仏師の父から繋がる木の仕事に打ち込む女性木彫師に密着しました。

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木彫師 竹内勢津子さん
概要白檀の木を使った木のアクセサリー「和つなぎ」が代表作。仏師の父から受け継いだ「木と人の心に寄り添う」作品づくりを大切に、日々製作活動をしています。
備考http://www.chikubokusekisou.com/

※問い合わせは全てホームページからお願いします

2018年12月16日(日)~24日(月・祝)に
奈良市ならまちにあるギャラリー
「ギャルリ・サンク」のクリスマスイベントにて竹内さんの作品が出店されます

各ページに掲載している内容は、取材・放送時点のものです。消費税率移行に伴う価格変更等についてご留意下さい。

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次回の放送

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

2025614日(土) 午前11時

伝統工芸「金彩」を令和に受け継ぐ職人親子

上田京子さん 奈津子さん 『金彩上田』 京都市北区

光煌めく繊細なアート作品に、耳元で輝くイヤリング、華やかな色合いのスカーフ。これらはすべて、日本が世界に誇る伝統工芸「金彩」を施したアイテム。「金彩」とは、着物に金や銀の箔を糊で貼り付け、煌びやかに装飾する技法です。唯一無二の美しさで古くから友禅に活用されてきましたが、和服離れとともに、その技法を知らない人が増えています。そんな「金彩」を未来に繋げるために奮闘する親子に密着しました。

京都市北区にある工房『金彩上田』。営むのは金彩職人の上田京子さんと娘の奈津子さんです。友禅の世界では、絵付けと金彩が分業されることが多いのですが。絵を描くのが大好きな奈津子さんが一からデザインし、完成まで一貫して行うのが『金彩上田』流。その親子による、高度な技法を実際に見てみましょう。

京子さんはリペア技術の高さにも定評があります。下書きから絵付け、仕上げに金彩を施して修復は終了。他にも、着物の経年劣化による色褪せや箔の剝がれなど、状況は千差万別。修復には経験と熟練の技を要します。

18歳で京友禅の工房に入り、技術を習得した母・京子さん。職人の母の背中を見て育った奈津子さんでしたが、家業を継ぐ気はなく、ブリティッシュ系のアパレル会社に就職します。しかし、バブル崩壊後、ガクンと仕事が減った京子さんは、「もっと時代に合わせた多様なデザインに金彩を施せるのでは?」。そして「新しいモノづくりができるなら面白そう」と考えた奈津子さんと二人で、工房『金彩上田』を立ち上げたのです。

新しい金彩に挑む奈津子さんには、タッグを組むディレクターがいます。イタリアと日本の素材を組み合わせたファッションブランド「レナクナッタ」の大河内愛加さんです。『金彩上田』とコラボしたイヤリングやシルクのスカーフは、販売すると、たちまち完売する人気商品となっています。なぜ大河内さんは、上田さんとコラボしようと考えたのでしょう。

「少しでも多くの人に金彩を知ってもらいたい!」様々な素材で新作に取り組む奈津子さん。それ以外にも、親子の挑戦はまだまだ続きます。

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