Project Story
STORY.01

テレビの新しい楽しみ方を!
『FC相席食堂』開発秘話

2018年の番組開始以来、熱狂的なファンを生み出し続けている『相席食堂』。関西ローカルの特番としてスタートしたのち、レギュラー放送化。高視聴率や配信サービスでの高再生数を達成し、全国ネットのゴールデンにも進出…。さまざまなチャレンジを続けてきた番組が次に挑むのは、「アプリ開発」というテレビ業界でも例がない初めての試み。プロジェクトを率いるふたりにお話を聞きました。

演出

森田 純平

2011年入社・制作部配属。『相席食堂』の立ち上げ時から現在まで演出を務める。過去の担当番組は『探偵!ナイトスクープ』『なるみ・岡村の過ぎるTV』等。

プロジェクトマネージャー

濱名 紘輔

2013年入社・技術局制作技術センター配属。技術職として映像編集や照明等を担当したのち、2021年にコンテンツビジネス部へ異動。現在は『相席食堂』『M-1グランプリ』『芸能人格付けチェック』などのデジタルコンテンツを担当している。

01

番組『相席食堂』との関わり

濱名

僕は、今はコンテンツビジネス部で主にデジタルコンテンツ制作に携わっているのですが、もともとは技術職として入社しているので、『相席食堂』との付き合いって実は照明業務からだったんです。

森田

照明やっていたね(笑)。
僕は2011年に入社してから制作部でADやディレクターとしていろいろな番組を経験して…2017年に『相席食堂』の立ち上げメンバーになりました。当時、番組のタイトルが書かれた企画書はあったけど、具体的な内容は何も決まってない状態で。僕とプロデューサーの2人でああでもない、こうでもないと言いながら番組を作っていきました。
そして今日までずっと『相席食堂』の演出の仕事をさせてもらっています。

濱名

僕、昨日『相席食堂』の会議に出たんですが、やっぱりおもしろかったですね(笑)。

森田

ハハハッ。『相席食堂』のつかみはまず、「どうも、○○です」って旅人が登場するときに誰がどう出てきたらおもしろいかだから、会議ではいつも旅人の大喜利大会をやっていますね(笑)。

02

新たに芽生えた挑戦心を形に

濱名

アプリ『FC相席食堂』は2023年5月にリリースしました。開発期間は1年半くらいでしょうか。

森田

そう。確か企画が持ち上がったのが2021年のコロナ禍でした。あのとき、番組にとって最大の目標だったゴールデンSPのオンエアも終わって、僕とプロデューサーの心にはぽっかり大きな穴があいてしまって……。
それで、何か新しいことに挑戦したくなったのが始まり。

濱名

そして、ファンコミュニティをやるというアイディアが出たときに、コンテンツビジネス部の中で技術の経験もあるということで僕に声がかかりました。

森田

『相席食堂』はSNSで話題になることも結構あって、熱量の高いファンが多い番組。そんなエンゲージメントの高いファンが、外部のプラットフォームではなく、僕たちに近いところで集える場所を作りたかった。そこから「(F)ファン(C)コミュニティアプリ」というアイデアがどんどん固まっていきました。
その中で僕たちスタッフが共通して思っていたのは、24時間365日みんなが『相席食堂』を楽しめる”コミュニティ”にしたいということ。ファンとスタッフ、みんなで一緒に番組を作っていこうっていうコンセプトで開発・運営しています。

濱名

だからあえて「ファンクラブ」じゃなく、「ファンコミュニティ」と名付けたんですよね。

森田

あと、FCには「フランチャイズ」っていう意味もある。食堂だから(笑)。

濱名

こうやってコアメンバーでたくさん議論を重ねて、いざ社内プレゼンに進んでいくと周りは応援ムードだった。チャレンジのプロジェクトなんですよね、今回。
地上波放送での広告収入が下がっている中、新しいビジネスや事業へのチャレンジを、今のうちにやらないといけない。そんな中での企画なので、「大変だと思うけど頑張って!」と周りも前向きに捉えてくれましたね。

森田

そもそも僕たちは番組制作をやってきた会社であって、アプリ開発の経験値がなかったというのも大きかったのかも。
テレビ業界としても、大規模なファンコミュニティって初めての挑戦ですしね。ここにたぶん、皆さん賭けてくれたんだと思います。

濱名

千鳥さんとも話したんですか?

森田

うん。千鳥さんに最初に話したときは、賛同してくれてるのかしてくれてないのか、どっちだろう?という印象だったんです。でもあるときに、今でも覚えてますけど、ノブさんに別室に呼ばれて、「俺たちができることは全部する。一緒に、ほんまに、めちゃめちゃデカいものにしていきたい。」って言ってくださって。嬉しかったですね。

03

初めてのアプリ開発、現場での苦労とは

森田

アプリ内の動画プレーヤーも1から作ってるよね?

濱名

そうです。

森田

「ちょっと待てぃ!!」と思ったタイミングでボタンをタップすると、動画が止まって、制限時間内にツッコミのコメントを入力することができる。そんなプレーヤーは存在しなかったんです。

濱名

外注でベトナム人のエンジニアさんに開発をお願いしたのですが、そのエンジニアさんがとにかく優秀で…ガチャでいうところのSSRを引きました(笑)。

森田

2022年の夏だったかな?濱名くんが限られた予算と時間との中で、お金や工数の計算をしながら、要件定義(※新たに開発するシステム等の仕様や機能を決定すること)をすべて一手に引き受けてくれていた。僕たち番組スタッフは「こんな機能がほしい」というアイディアを出していたのですが、裏でそういった作業が必要とは知らなかったから、後日話を聞いて「そんなことまでしてたの!?」と。

濱名

実は、システムをフルスクラッチ(※既存のシステム等を利用するのではなく、ゼロからすべてを開発すること)で作ると決めた段階で覚悟はしていました。
システムの開発は前の部署でやっていたので、作業の過程を知っていたのは強みだったかもしれません。

森田

僕たちも認識が甘かったんですが、フルスクラッチって、「こんなとこまで自分たちで決めないとダメなの!?」というところまで決めて指示しないといけないんです。このボタンを押したら1つ前の画面に戻るとか、あのボタンを押したらトップ画面に戻るとか、そういうすべての細かいことを。絶対僕にはできなかったですよ、濱名くんがやっていること。無理だよ、あれ(笑)。

濱名

それよりも大変だったのが、ローンチ直前の受け入れテスト(※できあがったシステムが必要な機能を満たしているか、開発の発注者が実際に操作しながら検証するテストのこと)でした。タスクを洗い出したら、チェック項目が2000個ぐらいあって。毎朝1時間早く来て、部の後輩と分担しながらスマホで1個ずつ確認して、修正してほしいところがあればそれを指示して……。

森田

へぇ~!

濱名

凄く頑張ったので奢ってください、ビール(笑)。

森田

もちろん(笑)。

04

広がる『FC相席食堂』の世界

森田

『FC相席食堂』をビジネスの視点から観るとどう?

濱名

熱量の高いファンがついてくれている番組には、ビジネスのチャンスがあると思うんですよ。新たなプロジェクトにチャレンジすると、それ自体の収益も生まれますが、何よりファンをさらに惹きつけることができる。その結果として、番組の視聴率や放送収益にも良い影響を与えられるといいなと思います。

森田

そうですね。もう1つ僕は、例えば「『相席食堂』チームで別の番組を作ります」ってなった時に、ファンがその新番組も見てくれるんじゃないかな?というのも思っているんですよ。
次の新規コンテンツにも繋がっていくような、良い連鎖が続けばいいですね。

濱名

今回のプロジェクトは、周りが応援してくれている一方で、期待に対するプレッシャーもあります。

森田

「今から視聴率20%の時代にはならないから、テレビの未来はこれにかかっていると思ってやってくれ。テレビの未来を切り拓いてくれ」と言われたね。

濱名

そういうことばを受けると心に火が付きますよね。

森田

『FC相席食堂』でやりたいことはまだまだたくさんあります。
今アプリ内で「今日のご飯を投稿しよう」というスレッドがなぜか盛り上がっているのですが(笑)、それをもう少しアップグレードして、飲食店の口コミサイトみたいなものを作れたらいいよねという話もしてたりします。
そして最終的には、『相席食堂』をメタバース化しようと企んでいます。仮想空間にみんなが集まってオンエアを一緒に楽しむという取り組みを、いつかやりたい。
その日まで番組も続けないとダメですけどね。

05

学生へのメッセージ

濱名

僕は、番組の放送を楽しむのはもちろんとして、それプラスの「新しい楽しみ方」を見つけていくのもめちゃくちゃやりがいがあるなと思います。誰もやったことがないことを切り拓いていく感じがおもしろい。
今テレビ業界全体が転換期にある中で、自分で主体的に考えて、「新しいものを生み出してやるぞ!」というマインドを持った人が……もうすでにいっぱいいるんですけど、もっともっと増えてほしいなと思います。

森田

僕も今までもう何回も失敗してるし、泥水をすすってきました。そのたびに「俺のほうがおもしろい!いいものが作れるはずだ!」って思いながらずっとやってきました。
やっぱり実績を残している人たち、成功している人たちって、どんな逆境でも一歩を踏み出す勇気を持っている。だから、怖くても怯むことなく前に進む勇気を持ってほしい。
うちの会社はそういう人を後押しすることができる人たちばかりです。
だから、僕らと一緒にテレビの未来を作りませんか?

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