EarthDreamingロゴ 放送内容
Line
4月 高西淳夫
4月 坂本美雨
5月 田崎真也
5月 市川右近
6月 西村幸祐
6月 ワールドカップにまつわる話
6月 矢沢永吉
6月 坂本徹也
7月 吉村作治
8月 中村征夫
8月 三輪茂雄
9月 菜の花プロジェクト
9月 寺門和夫
9月 小林一紀
10月 近藤 篤
10月 篠 健司
11月 増井光子
11月 馬場直子
12月 CWニコル
12月 セヴァン・スズキ
12月 この1年を振り返って
1月 小黒一三
1月 幸田シャーミン
2月 下城民夫
2月 三國清三
3月 矢口高雄
3月 鈴木基芳
湯川信矢
3月 筑紫みずえ
2月16日 ゲスト:オテル・ドゥ・ミクニ オーナーシェフ
三國清三(きよみ)さん

三國清三1 手塚「関西地区で三國さんが関わっていらっしゃるお店をご紹介下さい」三國「梅田のイーマビル5階にあるミクニプリヴェです。ここは回転寿司や原価でワインを提供したり...ちょっと変わったプロデュースをしています」

 手塚「三國さんが考える安全な食べ物は...」三國「いろいろなことが考えられますが、その根元にあるのがなんです。作る、食べるというところに人が関わってきますから。例えばラベルが偽造されたりしていますよね。あれは僕の個人的な意見ですけれど、消費者が求めてしまったからです」手塚「そうですね、安くてブランドがあってというのを求めてしまいますよね」三國「生産者も大量に売れるものを作りますから、個人が多少高くても安全なものや自然のものと本気で向き合わないと解決しないと思います」手塚「お子さんに安全で美味しいものをと考えますが、家計のことを考えると安いものを選んでしまう。その矛盾ってありますよね」三國「でもよく言うんですが、ちゃんと作ったものってそんなに高くないんですよ。30円〜50円の差なんですけどね」手塚「良い食材を選ぶ基準を教えてください」三國「良い食材というのは分からないんです。そこにラベルが貼ってあるわけではないですから。実際の話我々プロでも分からないんです。僕がよく言うのはスーパーに行ってもレストランに行っても食材ではなく、作った人を選んでください、ということです。作った人が正直であれば必ず安全なものが手に入ります」

 手塚「地球環境が変化してきていますが、食にどのような影響があると思いますか?」三國「我々人類、日本人が一番そうかな。世界中の半分の人が食べ過ぎなんです。そうすると食材もそれだけ必要です。ということは過度に作りますよね。ものを作るということはゴミも出ます。それで環境が悪くなっていると思います」


三國清三2 手塚「キッズシェフという活動をされていますが?」三國「子供達を対象に行っているんです。日本全国の小学校に出向いて、子供達と料理を作るんです。それもフランス料理のフルコースを一時間で作るんです」手塚「それを先生が食べるんですか?」三國「そうです、校長先生とかね。それで子供達は家に帰って家族に作ります。自分が作ったもので人が喜んで自分も喜べると言うことが減ってきていると思うんです。それって思いやりに通じますよね。それと味覚を育てるということです。舌の4つの味というのがあって、甘さは舌の先、酸っぱさは両脇、しょっぱさは舌全体、苦い差は喉の奥で感じるんです。それを教えながら料理をしていくんです」手塚「そういうことをやっていると、親御さんや担任の先生がこんな事がこの子は出来るのと、新たな発見をするでしょうね」三國「そういうことはよく言われます。私達は子供達に料理を教えるのに、大人の包丁や、180度の油を使うんです。そうすると子供達も緊張するので、真剣になります。ですから一人も怪我した子供はいません。最近はあまり子供達が真剣になることが少なくなっていますから、良い経験です。この活動は子供に教えながら、付き添ってくる親御さんに語っているんです」
line
2月23日 ゲスト:三國清三さん
三國清三3  手塚「三國さんはどういった子供時代を過ごされたのですか?」三國「北海道の増毛で生まれました。親父が漁師で、お袋が農家、あの辺は半農半漁という土地ですから。ニシン御殿出来たぐらい良く採れたのがニシンなんですが、ある年それが絶滅して、それ以来寂れてしまったんです。そのようなときに生まれました。で、よくおやつに食べていたのが、ホヤガイなんです。ホヤガイは海のパイナップルと言われていて、甘みと渋み、酸味、塩分という4つの味が入っていたんです。それで味覚を鍛えました」手塚「一番良い食材を食べて育ったんですね」三國「食材は太陽の光と連動しているものですから、曲がってて当たり前。それが都会に行ったときに見た野菜は全部まっすぐ、全部まん丸なんで驚きました。そういう整ったものって味気ないんですよね。僕は食材と対話するんだ、とよく言うんですが、そういうものとは対話出来ないんです」手塚「食べ物にしても、森にしても断絶してしまったんですかね〜」三國「森にはいるとその季節ごとの匂いがして、それがコミュニケーションに繋がると思うんです。都会のアスファルトの上を歩いても大地とコミュニケーションしてるとは思えませんね」手塚「最近は大地を踏むという経験がない子供達が増えていますからね〜」三國「自然を思えないと、人に対する思いやりが全くなくなりますから、都会にいても休日には大地を踏ませるですとか、そういう体験をさせてあげるといいですよね」

三國清三4 手塚「三國さんは現在、ニッポン東京スローフード協会のメンバーとしてスローフードの普及に力を入れていらっしゃいますが、どのような活動を?」三國「この間北海道に行って、北海道スローフード協会というのを立ち上げてきたのですが、北海道は手作りのこだわった生産者がいっぱいいるんです。そういう人たちをピックアップして、宣伝してあげようという運動です。ただまだこれからと言うところですが...先を急がずスローペースで、10年掛けてやっていこうよと話し合っているところです。それと僕たちはファーストフードを否定しているわけではないんです。実際僕も食べますし。でも1週間に1日でも、たとえば週末だけでもスローにしていただければ日本の環境というのはすぐがらっと変わります。日本人の良くないところは偏ってしまうところ。例えばファーストフードならファーストフードだけ、スローフードならスローフードだけというように。ですからバランスが必要なんです」
 手塚「この後の活動予定などをお教え下さい」三國「子供の味覚の授業を次の世代に引き継いでいきたいです。我々人類があるかぎりこういう運動を続けていかなければいけないと思うので。それと僕はフランス料理業界の人間なので、プロがプロに教える学校を作って教える、スローフードでは消費者に向かって...この3つのことをやっていきたいですね」

下城民夫さん 矢口高雄さん

このページのトップへ戻る
手塚るみ子プロフィール 放送内容 お便り トップページへ。

Line