放送内容
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4月 高西淳夫
4月 坂本美雨
5月 田崎真也
5月 市川右近
6月 西村幸祐
6月 ワールドカップにまつわる話
6月 矢沢永吉
6月 坂本徹也
7月 吉村作治
8月 中村征夫
8月 三輪茂雄
9月 菜の花プロジェクト
9月 寺門和夫
9月 小林一紀
10月 近藤 篤
10月 篠 健司
11月 増井光子
11月 馬場直子
12月 CWニコル
12月 セヴァン・スズキ
12月 この1年を振り返って
1月 小黒一三
1月 幸田シャーミン
2月 下城民夫
2月 三國清三
3月 矢口高雄
3月 鈴木基芳
湯川信矢
3月 筑紫みずえ
12月1日 ゲスト:CWニコルさん

CWニコル1 手塚「1940年に南ウェールズでお生まれになっていますが、どのようなところなんですか?」ニコル「雨が多い山国です。ウェールズは北の方が自然環境が豊かですね。南は炭坑などがあって、産業革命以来、自然がひどく荒らされています」手塚「ケルト民族をルーツに持っていらっしゃいますが、その影響はありますか?」ニコル「すごく大きいです。ケルト人は元々森の人々です。家畜も持っていましたが、もっと野性的です。どっちかというと日本の文化に近いと思います」手塚「そういうようなことをあって日本の文化に興味をお持ちになったのですか?」ニコル「最初に日本に興味を持ったのは、格闘技です」手塚「それで日本に渡られて最初に感じたことはなんですか?」ニコル「40年前に日本に来て、東京にいましたが、先輩に山に連れられていって以来、日本の自然が好きになりました。とにかくイギリスに比べると自然も多く、野生動物もいて、いい国だと思っていました」手塚「今現在長野に住まわれていますが、その当時日本に住もうと思いましたか?」ニコル「日本は大好きだけど住めるとは思っていませんでした。24年前に本を出したんです。それまで何回か日本に来ていましたが、日本で仕事があるとは思っていませんでした。それで本を出したときに“作家ならどこに住んでいても良いな”と思ってそれから日本に住みたいと思うようになりました。私は日本の人間だけじゃないんです、好きなのは。動物も木もみんな日本人です。もし人間だけだったらどうかな〜。イヤな人もいますから...日本の自然を踏みつぶした人もいますから...」


CWニコル2 手塚「カナダ水産調査局の技官をされていましたが、どういうきっかけで始められたんですか?」ニコル「17歳の時に初めてカナダに渡りました。僕の学校の先生が、僕の影響で学校を辞めて、カナダに留学したんです。その時にアシスタントとして、僕を呼んでくれたんです。それで北極の探検にいったんです。そのあと2回北極に行っています。そういう経緯があって技官になりました」手塚「なんで北極に興味を持たれたんですか?」ニコル「12歳から北極探検家になると決めていました」手塚「何がきっかけで?」ニコル「アムンゼンの撮った記録映画を見て、その美しさに魅せられて...」
 手塚「27歳の頃にエチオピアの野生動物保護省でお仕事をされていますが」ニコル「2回目の探検の時に優秀な学者がいて、その人がケニアに行ったんです。でケニアに国立公園を作ることになって、その人が紹介してくれてその仕事を受けました」手塚「そういうお仕事をして影響を受けたことは?」ニコル「水の大事さが分かりました。それと公平、不公平があるなと思いました。僕が担当していた山で、病気が流行りましたが、僕が医者ではなかったので国連に薬をお願いしてもくれませんでした。それで給料をはたいてヤミで薬を買っていました。ですから数に限りがあるので、病気になった人全員に薬をあげられませんでした。それがとてもつらかったですね」

12月8日 ゲスト:CWニコルさん

CWニコル3  手塚「ニコルさんは長野県にお住まいで、森の再生活動をなさっています。その森にアファンの森という名前を付けていますが、その由来は?」ニコル「アファンというのは風が通るところ、谷間という意味です。南ウェールズにそういうところがあるのですが、そこは炭坑で荒廃した後に、地元の人が森の再生をしていた所なんです。日本も森の伐採などが進み原生林と呼べる森が2%ぐらいしかなくなってしまいました。それで僕が土地を買って森に戻しているんです」手塚「今どのくらいの広さがあるんですか?」ニコル「18ヘクタールあります」手塚「その森に野生の動物も住み着いていると聞きましたが」ニコル「リスやテン、狐、狸、兎それに野鳥。熊もだいたい6頭ぐらいいます」
 手塚「ご苦労もいっぱいあったと思いますが」ニコル「誤解もいっぱいありました。いろんな人から見ると“なんで”と不思議だったんでしょう。でも日本にお返ししたかったんです。この森は100年200年たったときに綺麗な森になっていると思います。でもそれを私が見ることは出来ません。でも残しておきたいんです」

 手塚「ウェールズのその森と姉妹森になったんですって」ニコル「まず僕が映像などを持って向こうに行って説明しました。そうしたらウェールズの人たちは感動して“姉妹森”になりましょうと言ってくれたんです。でも僕は“映像だけでなく実際に来て、見てください”と公園長に言って来てもらいました。それで何日か過ごしてもらった後で公園長から“喜んで姉妹森になりましょう”と言われて嬉しかったですね」


CWニコル4 手塚「アファンの森に子供達が来て反応はどうですか?」ニコル「まず我々の森は子供の遊び場にしようとは思っていません。もちろん子供が遊べる里山は必要ですが、 この森はそういうところとは違います」手塚「子供達が育つ環境についてのご意見はありますか?」ニコル「もちろん。環境教育はいらないと思っています。“え〜”っと驚くかもしれませんが、僕が言いたいのは、子供が遊べる環境を返して欲しい。 自然の川や海。里山などをね。40年前に来たときは、日本にはそういうところがいっぱいあって子供の天国だと思ったんですから」

 手塚「今後アファンの森でやっていきたいことは?」ニコル「小さい森ですが、数多くの生命が生きています。そこが将来原生林と同じようになってくれて、安全な森になって欲しいですね」

 手塚「作家としての今後の予定は?」ニコル「僕はライフワークとして、日本の海の男達の話を書いています。全部で6冊ぐらいになる内の半分ぐらい書きました」手塚「森を守りつつ、海をテーマにしたお話を書いて、両方がニコルさんにとっては大事なんですね」ニコル「繋がってますからね」


馬場直子さん セヴァン・スズキさん

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