EarthDreamingロゴ 放送内容
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4月 高西淳夫
4月 坂本美雨
5月 田崎真也
5月 市川右近
6月 西村幸祐
6月 ワールドカップにまつわる話
6月 矢沢永吉
6月 坂本徹也
7月 吉村作治
8月 中村征夫
8月 三輪茂雄
9月 菜の花プロジェクト
9月 寺門和夫
9月 小林一紀
10月 近藤 篤
10月 篠 健司
11月 増井光子
11月 馬場直子
12月 CWニコル
12月 セヴァン・スズキ
12月 この1年を振り返って
1月 小黒一三
1月 幸田シャーミン
2月 下城民夫
2月 三國清三
3月 矢口高雄
3月 鈴木基芳
湯川信矢
3月 筑紫みずえ
1月5日 ゲスト:月刊ソトコト編集長小黒一三さん

小黒一三1 手塚「明けましておめでとうございます。今年最初のゲストは、“地球と人を長持ちさせるエコ・マガジン”月刊ソトコト編集長小黒一三さんです。まずは小黒さんの経歴をお聞かせ下さい」小黒「最初マガジンハウスに入って芸能誌の編集をやっていました。それでブルータスを出したときに、パリやニューヨークに住んでいる人たちに興味のある旅行先としてアフリカとかアマゾンというのがあって、南半球を良くまわるようになり、ガリバーという旅行雑誌を作りました。それで雑誌だけでは物足りなくなって、アフリカのケニアにホテルを作りたいなと思って...」手塚「そのホテルの名前が“ムパタ・サファリ・クラブ”どういうホテルなんですか?」小黒「まず名前の“ムパタ”というのはアフリカの絵描きの名前なんです。僕は昔から絵とかマンガが好きで、ジャングル大帝を読んでアフリカが好きになったんです」手塚「でもなんでホテルを作ろうと思ったんですか?」小黒「元々編集者というのはお節介なんです。作家をおだて上げて良いものかいてもらったり(笑)それでケニアも素晴らしい場所なのにちゃんとした宿泊施設がなかったんです。でここにホテルを建てれば、この素晴らしさをたくさんの人に伝わるのではないかと思ったからです」

 手塚「ホテルをやっていて何か裏話のようなものはありますか?」小黒「オープンして6年ぐらいたった頃なぜか従業員がドンドン増えたんです。でマネージャーに問いただしたら、それだけの人手がいるといわれたんです。それでよくよく観察してみたら、なんと27人も多く従業員がいたことになっていたんです。結局水増しされて給料を取られていたんですね。僕たち彼らの顔って見分けにくいじゃないですか。それで一人一人呼び出して問いただしたら、いきなり泣くんですよ。本当に彼らは役者だと思いました。(笑)こいつらは嘘つきだなと思うようになってから運営は良くなりましたね。(笑)
 だからボランティアですぐ助けるじゃないですか。それは良くないなと思いましたね。お互いのためには対等に、厳しくつきあった方が結果はうまくいくと...そんな思いからこの環境雑誌を作りたくなりました」 手塚「あ〜そうなんですか」小黒「ケニアは定住化制作というのをやっていて、放牧地を決めてしまったんです。それでマサイの人たちが、畑を作り出したんです。それを回りのロッジ経営者達が、観光客がこなくなると言うことで、マサイの人たちを国立公園から追い出そうという運動があったんです。でも僕はマサイの法が正しいだろうと参加しませんでした。で、環境問題というのはなかなか過激じゃないですか。あれも僕は賛成出来なくて、新聞報道だけではない側面も報道したくてこの雑誌を立ち上げました。新聞報道は正義感からのアプローチなんです。で、雑誌編集者というのは善も悪もあるんです。で環境問題というのは誰も正しくないんです。地球にとって一番良いのは、人間が滅んでしまうことなんです。でも僕たちは生きていくわけですから、どこにも正義はないんです。でもせっかく生まれたんだから、楽しく生きようよというのが正義だと僕は思うんです。昔から学校の先生が嫌いだったんで、環境問題も教えて欲しくないなと。自分で考えたいなと」手塚「なるほどね」


小黒一三2 手塚「ソトコトのコピーが“地球と人を長持ちさせる”とあるんですが、これの意味は?」小黒「まずソトコトなんですが、木陰という意味なんです。ケニアでは結婚も裁判も木の下で行われるので、英知の源という意味ですかね。それで環境問題を音楽やファッションと同じように楽しめるのではないかと思って作ったんですが、ただ環境問題って広すぎるので、身の回りのことにしぼろうと思ったんです」
 手塚「ソトコトは一流企業の広告が多いですよね。企業と環境というのは相反すると思うんですが?」小黒「僕が思うに環境問題は儲かると思うんです。例えばエコカーなどはヨーロッパなどでは非常に人気があるんです。言ってしまえば車は環境にとって悪じゃないですか。でも車は欲しいですよね。そうしたらエコカーは良いですよね。それは企業活動にエコロジーを前向きに取り入れた証明だと思います。それに家電などでもいろいろ出てきましたし、まぁ〜たいていエネルギー問題が多いんですが。突き詰めていくと企業活動というのは悪なんです。でもそれでは僕たちは生きていけないので...後4〜5年したら環境問題に取り組んでいない企業は、相手にされないと思いますよ」手塚「マスコミ業界はどうなんですか?」小黒「マスコミが一番遅れています(笑)僕は仲間が出てくると思ったんですが...」

 手塚「最近スローライフ、スローフードと言っていますが、このキーワードはソトコトから始まったんですよね」小黒「スローライフの大本は、スローフードなんですよね。でこれはファーストフード店がローマに出来るのに反対して出来た言葉なんです。端的に言ってしまえば、昔からの伝統料理を大事にしましょうという運動なです。ところがトリノで行われた食のオリンピックに行って来たんですが、スローフード運動というの流通大革命になっていました。都市と田舎を繋ぐ。どういう事かというとローカル色の強いものの方が都会で売れるということなんです。例えば数の少なくなった、珍しいものを有名シェフにメニューを開発してもらって都会の人が高級料理として消費すれば、ローカルな食べ物が助かるという運動に代わってきました。いわゆる絶滅動物の食物版というわけです。いろいろな種類があることで、持続可能な社会が生き延びていたのに、あまりにもグローバル化が進んで価値観がひとつになり過ぎなのではないか。それに対する抵抗が、スローなんです」

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1月12日 ゲスト:小黒一三さん
小黒一三3  手塚「小黒さんは現在、ニッポン東京スローフード協会の責任者を勤めていらっしゃいますが、これは?」小黒「イタリアにスローフード運動というのがありますが、日本には8つのグループがあって、その内の東京で一番大きな協会です。本部はイタリアにあって、私達は日本のおいしいものを調査、報告するという活動をしています。」手塚「いつぐらいから日本では協会が発足していたんですか?」小黒「一番古い協会は8年ぐらい前にイタリア料理の研究家の人が作ったんです。それでこれはまだ日本では実現出来ていないのですが、イタリアでは年に2回、高級レストランが若いカップルに低価格でフルコースを提供しているんです。それで味を覚えてもらうんです」

 手塚「スローライフというのはどういうライフスタイルなんですか?」小黒「ゆっくり時間を過ごそうと解釈される方もいらっしゃいますが、僕は自分の時間を取り戻そうということだと思うんです。今は自分で時間が自由にならないじゃないですか。ですから、自分で管理出来る時間をどれだけ増やせるかというのが、スローライフ運動だと思います」


小黒一三4 手塚「小黒さんが今後取り上げたい内容についてお伺いしたいのですが」小黒「環境の雑誌を出していると、“作っている君たちはどういう活動をしているのか”と言われるんです。この雑誌の表紙は“ゴミを捨てるなよ”ということで、猿が人間を笑っているのがシンボルマークなんですが、僕自身もゴミを捨てなくなりました。なので活動する雑誌でなくてはいけないと思いまして、ケニアのマラソン選手のワキウリさんが編集部に来て“ケニアに広大なスラムがあるんですが、そこにマラソンコースを造りたい”と言ったんです。ケニア政府に子供達の教育を任せておけないということで、始めたらしいんです。そういうアクションをこの雑誌で起こしていこうと思っています」

 手塚「今後取り上げていくテーマは?」小黒「スペインとポルトガルを最重要地区として取り上げていこうと思っています。今パリで発行されていますファッション誌はスペイン料理の特集を組んでいますし、ポルトガルのホテルなども載っています。なのでその2つの国を日本に紹介しようと思っています。それと良く聞かれるんですが、今一番流行ること、着目される事というのは何かをしないことだと思うんです」手塚「それは具体的...」小黒「シャワー浴びててふっと思ったんですが、国際断食デイというのを作ったらどうかと言うことなんです。北半球の飽食の我々が、ある日1日断食して、余った食べ物を南半球の困っている人たちに送ったらどうか、それを日本発で出来ないかなと思ったんです。あとは暗闇プロジェクトですね。町単位で電気を消して、電気のありがたみを家族で話し合おうというプロジェクトですが、これを都会で出来たらおもしろいんじゃないかと思っています」


2002年を振り返って 幸田シャーミンさん

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