EarthDreamingロゴ 放送内容
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4月 大平貴之
4月 彦坂 裕
5月 ヨシダダイキチ
5月 五味美保
5月 加藤登紀子
6月 井上葉子
6月 羽仁カンタ
6月〜
7月
浦沢直樹
7月 石飛智紹
7月 ABC アウト
ドアフェスタ2005
8月 大蔵喜福
8月 佐藤文廣
9月 石飛智紹
青山 貴
9月〜
10月
トヨタ
白川郷自然学校
10月 彦坂 裕
10月 藤崎達也
11月 仁志田博司
11月 宇多弘行
12月 川端由美
12月 水谷優子
12月 2005年を振り返って
1月 手塚眞
1月 鈴木重子
2月 竹下景子
2月 鮎川ゆりか
2月〜
3月
石井竜也
3月 青木静
3月 パトリック・ライアン
5月22日ゲスト:加藤登紀子さん

加藤登紀子1 加藤さんはこの春、中国琵琶奏者のティンティンさんと“森と水の旅”と題して、岐阜県の白川郷からスタートして、北海道の知床半島、沖縄・石垣島、西表島など、豊かな自然が残る場所を巡る旅をされました。今年、歌手生活40周年を迎えました。また加藤さんは2001年3月にもこの番組にご出演頂きました。

 手塚「この度はどのようなもので、どういった経緯で始まったのか、お聞かせください」加藤「4月の終わりから5月にかけて行ったんですが、本当に春というのはこう言うものかと感じる旅だったんです。私にとっても知床と沖縄はライフワークなので、40周年の年にこの旅が出来たことは、本当に良かったです。愛・地球博の中で私が何か大きなテーマで表現出来るとしたら、これだと思って、この番組『加藤登紀子 ティンティン 森と水の旅 〜自然の叡智を歌に〜』の企画ができあがりました。
  雪の上に感じる春というのはすごいですね。雪が溶けてその下から花が咲き始めているような、白川郷や知床では、初めてそんな旅をすることが出来ました。どんなアーティストでもこれは作れないなというような、自然の芸術力を感じました。
 また沖縄の方ではもちろん30度近く。滞在中はお天気も良かったんですが、沖縄を発つ日に梅雨入り宣言がされました。気候が変わっていく時が1番大自然が持っているエネルギーを感じ取れますね」

 手塚「今回の旅は自然だけでなく、その土地の人々とも触れあっていらっしゃいました。北海道でアイヌの方と交流されていますが、どういったことを感じられましたか?」加藤「アイヌの人たちから自然と共生していく知恵を学び取らなければいけないと、言われる時代になってきました。またアイヌの音楽も、今とっても大きなエネルギーで復活しようとしています。アイヌの楽器“トンコリ”の音が、どんなに新しい音楽であっても、一つポロッと入ってくるだけで、心が遠い昔に連れて行かれるような、くつろぐような、そんな感じを受けました」


加藤登紀子2 手塚「今回の旅に同行した、中国の西安出身で、現在は名古屋にお住まいの中国琵琶奏者、ティンティンさん。彼女と過ごした時間はどうのような感じをお持ちになりましたか?」加藤「私の2番目の娘と同じ年なんですが、中国の歴史にも詳しくて、娘と対話しているようなそれでいて大陸と日本との歴史をもう一回感じながら旅が出来ました」

 手塚「沖縄・石垣島の珊瑚礁はWWFが発表した世界的に重要な200の自然“グローバル200”にも選ばれています。加藤さんはその豊かな海を守るため、WWFの石垣島サンゴ・センターをバックアップされています。

 石垣島、西表島を旅されて、今回改めて珊瑚の現状を目の当たりにされてどのように感じられましたか?」加藤「石垣島のアオサンゴは世界で1番、最大の場所というのを今回初めて知りました。また珊瑚というのは海の“森”なんです。珊瑚は動物なんですが、植物プランクトンと一緒に生きているんです。ですから海の中の森を守るというのも、温暖化対策のメリットになります。また今回、海に潜ってとても嬉しかったんですが、全然違う世界なんです。えーこんな世界が広がっていたのかというような...。海の好きな人に言わせると“海を知らないと世界の美しさの半分も知らないことになる”本当にそれを痛感しました」

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5月29日 加藤登紀子さん

加藤登紀子3 手塚「『加藤登紀子 ティンティン 森と水の旅 〜自然の叡智を歌に〜』この旅で作った曲についてお聞かせください」加藤「車の中でお互いのCDを聞いて、お互いの音楽の理解を深めました。そしてアイヌの伝統楽器、トンコリ奏者のOKIさんとティンティン、私の3人で3時間ぐらい試行錯誤しながらセッションをしました。それで3人が溶け合う瞬間が出て、この曲“この星を庭として”を作りました。翌日、半日かけて詩と曲の仕上げをしました。曲の最後は三線でカチャーシになるんです。今回の旅の集大成をこの曲にこめました。私の中には沖縄とアイヌは日本人の原点じゃないかという思いがあります。そして沖縄に行った時に、沖縄と中国はとっても関係が深かったと感じました。今回音楽を通して、いろんな形で分断されてきた物が溶け合って行く喜びは大きかったと思います」

 手塚「この曲は5月8日、愛知万博、愛・地球博の特設会場で披露されましたが、愛知万博にどのような感想をお持ちになりましたか?」加藤「“自然の叡智”がテーマですが、人間の中にも自然に対する叡智があったと思います。今回の旅で出会った人たち、アイヌのおばちゃんや知床の漁師さんなど、そういう自然と一緒に生きている人と話をしていると、私達が頭の中で考えている自然保護が子供っぽくて恥ずかしくなりました。人間が自然であると言うこと、人間が自然の中に生きているものとしての叡智を、失わないで生きていく方法を見つけたいと、つくづく感じました。で、万博について研究されている鹿島茂さんにお会いしました。昔は万博が異文化と触れる場所だった。今は映像を通して巡り会うことが出来ます。でも映像を通して巡り会えない物は、食と音楽と匂い。この3つがとても大事なことで喜びではないかとのことでした。例えばビールが世界に広まったのも万博からなんですって。だから今回の万博も、始まりはここだったという物があれば良いと思います」


加藤登紀子4 手塚「歌手生活40周年のテーマが“世代を越えて伝えていくこと”ということですが...」加藤「この曲を作った時に生まれていない人、今回1974年生まれのピアニストがいるんですが、“この曲が出来た時にあなた生まれたのね”というよな感じがすごくワクワクするように思えます。40年間の思いを次の世代に託して、次の世代の人がそれを受け継いでくれるかどうかで、私のこれからの20年が変わってくると思います。で、次を歩いていく人と対話が出来るかどうかと言うことが大事なことだと思います。関係がとぎれてしまうというのは、とても寂しいですし、とても心配です。未来を見るためには、過去がすごく大事だと思います」

 手塚「今年の活動についてお聞かせください」加藤「今40周年のコンサート活動中です。7月15日の大阪は盛り上がると思います。ビックリするような飛び入りがあるかもしれません(笑)。また6枚組のボックスCDも出しました。その中からも歌っています」


五味美保さん 井上葉子さん

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