EarthDreamingロゴ 放送内容
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4月 福岡 司
4月 坂本美雨
5月

鈴木幸一

5月 小野田淳乙
5月 石古暢良
6月 渡辺正行
6月 中村 透
7月 宮脇 昭
8月 羽仁カンタ
8月 鈴木祐美子、北本忍
8月 矢島 稔
9月 鈴木祐美子、北本忍
9月 原田麻里子
9月 上岡 裕
9月 森谷秀樹
10月 櫻田 厚
10〜
11月
矢野恭弘
11月 ECO & MUSIC
11月 山崎伸治
12月 疋田 智
12月 小林武史
12月 この1年を振り返って
1月 田中 優
1月 藤崎達也
1月 インドラ・グルン
1月 土居健太郎
2月 金子竜太郎
2月 里中満智子
2月 鮎川ゆりか
3月 青木一夫
3月 桐田哲雄
3月 愛・地球博1
湯本哲哉
3月 愛・地球博2
1月30日ゲスト:環境省 地球環境局 地球温暖化対策課
国民生活対策室長 土居健太郎さん

土居健太郎1 手塚「まず地球温暖化の現象についてお聞かせください」土居「温暖化の仕組みからお話しします。地球を覆っている大気には二酸化炭素やメタンがあります。これらは地球の熱が宇宙へ逃げ出さないために必要なものです。これらが無ければ地球の平均気温は-18℃になってしまいます。しかし産業革命以後、化石燃料の消費が増え、二酸化炭素の濃度があまりにも高くなってしまいました。その結果20世紀の100年間で地球の平均気温が産業革命以前と比べて、0.6℃上がったという研究結果が出ています」手塚「0.6℃と言うとそれほどとは思いませんが...」土居「昨年の夏は暑かったですし、11月も暖冬でした。でも平均気温で見ると東日本は平年より1.3℃しか高くないのです。あんなに暑かったのに...ですから平均気温が1℃〜2℃違うというのはものすごい現象なんです。今のまま、化石燃料を使い続けると100年後には最大で5.8℃温度が上がると予測されています。ですから温暖化対策は今始めなければいけないのです」

 手塚「5.8℃も上がったらどうなるんでしょうね...」土居「将来、真夏日が東京においてどのぐらいの日数になるか研究している人がいますが、それによりますと2010年には年間120日、真夏日になるという結果が出ています」手塚「常夏の環境になってしまいますね」

 手塚「これらを解決していくために環境省が提案している“環(わ)の暮らし”についてご説明ください」土居「環境に優しい暮らし。循環型の暮らしを代表する言葉として、具体的には大量生産、大量消費、大量廃棄、というライフスタイルから、持続可能な質の高い豊かな暮らしを表す言葉として“環の暮らし”と呼んでいます」
 手塚「この“環の暮らし”を実現するためにはどうしたら良いのですか?」土居「物を大事に使うですとか、自分で物を所有するのではなく、共有するようにする。いわゆるレンタルですね。 また食に関しては地場の旬の物を食べましょうということですね。これは栄養学的としても良いと思いますが、 温暖化という点においても、遠くの物を運んできて食べるよりも、地場の物を食べる方がエネルギー消費が少なくて済みますから」


土居健太郎2 手塚「京都議定書が来月2月16日に発行されます。この京都議定書についてご説明ください」土居「大元は“気候変動枠組条約”なんです。その中から二酸化炭素や温暖化をもたらすガスの排出を減らすということを別建てにした物です。1997年京都で条約の会議が行われ、採択されたので京都議定書と言います」手塚「すぐに発行されなかったんですね」土居「いくつか発行するための条件がありまして、それがクリアされてはじめて法律としての効果を発揮する訳です。それが今年の2月なんです」手塚「97年に出来上がって長い時間がかかりましたが、それはどうしてですか?」土居「京都議定書は先進国に義務を課すということがメインです。内容は90年に比べて二酸化炭素などのガスの量を全体で5%削減しましょうということでした。そしてそれぞれの国で、その国の事情に合わせて削減量が決まります。日本は6%削減することになっています。しかし国によってはそこまで減らせないというところもあって、それで発行に時間がかかってしまいました」

 手塚「最終的に何カ国が参加すると良いのですか?」土居「排出量が全体の55%を超える国の数がそろえば動き出せるようになっていて、最終的にロシアが昨年11月に批准し、参加したので、そこから数えて90日目の2月16日に発行となりました」
 手塚「アメリカはどういう理由で参加していないのですか?」土居「一つは経済の影響を心配しているというのと、もう一つは後進国をどうするかということですね。この京都議定書は先進国にだけ義務を課していますので...」手塚「発行されたあともアメリカは何も義務づけられないのですか?」土居「そうです。ですから今参加している国の役目として、アメリカをこの枠組みに入れるための説得が課題として残っています」

 手塚「日本は6%削減することになっていますが、具体的にどういったことをやっていかなくてはいけないのでしょうか?」土居「温暖化問題は公害と違って、企業だけを規制するということではなく、あらゆる人たちが自分の責任に応じた取り組みをしていかなければいけません。国は温暖化を止めるための技術開発を支援をするですとか、まだまだ分からないことの調査研究を進める。あとは企業や家庭の取り組みを後押しするための経済的なサポートをするというのが、大きな仕事になります。企業は工場の省エネルギーに取り組むですとか、省エネ型の商品の開発、販売が大きな役割になります」

 手塚「環境省が国民に義務づけるというようなことはあるのですか?」土居「まだ義務づけるというレベルではなくて、まだまだ情報が伝えきれていないのではないかと思っています。例えばトイレの電気便座の蓋を閉めていただくだけで電気の使用量が少なくなります。この蓋を閉めるだけで年間18kgの二酸化炭素が減らせます。ですからそれはぜひともやってもらいたいというのが、我々の気持ちです」


「環の暮らし」ホームページアドレスはhttp://www.wanokurashi.ne.jp/です
インドラ・グルンさん 金子竜太郎さん

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