EarthDreamingロゴ 放送内容
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4月 福岡 司
4月 坂本美雨
5月

鈴木幸一

5月 小野田淳乙
5月 石古暢良
6月 渡辺正行
6月 中村 透
7月 宮脇 昭
8月 羽仁カンタ
8月 鈴木祐美子、北本忍
8月 矢島 稔
9月 鈴木祐美子、北本忍
9月 原田麻里子
9月 上岡 裕
9月 森谷秀樹
10月 櫻田 厚
10〜
11月
矢野恭弘
11月 ECO & MUSIC
11月 山崎伸治
12月 疋田 智
12月 小林武史
12月 この1年を振り返って
1月 田中 優
1月 藤崎達也
1月 インドラ・グルン
1月 土居健太郎
2月 金子竜太郎
2月 里中満智子
2月 鮎川ゆりか
3月 青木一夫
3月 桐田哲雄
3月 愛・地球博1
湯本哲哉
3月 愛・地球博2
1月2日ゲスト:未来バンク 理事長田中 優さん

田中優1 田中さんは、ミュージシャンで音楽プロデューサーの小林武史さんが2003年、ミスター・チルドレンの桜井和寿さん、そして坂本龍一さんたちと共に設立したap bankにつながるアイディアを、小林さんが行っていた環境問題に対する勉強会で講師を務められ、提供しました。

 手塚「まず“未来バンク”についてお教えください」田中「正式名称は未来バンク事業組合と言いまして、1994年に設立しました。お金を組合に皆が出資して、そこから組合員に対して融資をします。ですから閉じたバンクで、出した人と借りる人が同じなんです。しかも目的が3つだけに限られています。環境に良いことをしようと思っている場合、それと福祉と市民事業です」手塚「金利が低いということですが...」田中「固定で3%です。ようは非営利でお金を貸すということをしたいので、人件費をとるわけでも、利益を出すわけでもないので、安いのです。もし儲かったとしても配当しません。そのかわり金利を下げていきたいんです。出資する人にとっては得することは絶対にないけれど、損することはある...にもかかわらず出資してくれる人がいるので、成り立っているんです」

 手塚「いわゆる銀行との違いは?」田中「私は環境問題をやっていますので、各地で造られるダムや原発、高速道路、空港など、そして戦争は私自身は反対です。でも郵便貯金や銀行にお金を預けていると、そういうところにお金を使われてしまうんです。例えば、イラクの戦争を例にとると、アメリカ自身はお金がありませんから“アメリカ国債”を海外投資家に買ってもらって賄っています。その国債を40%以上買っているのが日本なんです。で日本もお金がありませんから“日本国債”を発行します。それを買っているのが銀行なんです。ということは自分自身の行動と自分のお金の行動は正反対のことをしているわけです。あえて言うなら、私たちが銀行に預金することで、イラクにミサイルを届けることが出来た、ということです。それを嫌ってこの未来バンクを作りました」手塚「私たちが貸付先を選べないんですか?」田中「そういう動きは世界的に始まったばかりです。例えばヨーロッパではエコバンクがそうですね。これを社会的責任投資とよんでいます」

 手塚「私たちは自分の預金に対しても責任を負わないといけないということですね」田中「でもそういうことを気にしている市民が増えてくることで、金融機関も考え始めます。"CSR"企業の社会的責任という意味ですが、そういう動きが始まってくれば、私たちも金融機関を潰したくてやっているわけではないので、嬉しいですよね」


田中優2 手塚「未来バンクの現状についてお聞かせください」田中「出資額の総額は1億3千万円。始めた時は20人で400万円しか集まらなかったのですが...。そして出資者は400人ぐらいになっています。回りからは“すぐ潰れる”と言われましたが、設立から10年経ちました。それでこれが手本になって、“我々もやってみよう”という輪が広がりつつあります。この未来バンクは、専従者0人なんです。全員が別の仕事を持っていて、夜にメールのやり取りなどで、業務をこなしています」

 手塚「貸し出す際の審査は?」田中「返済が出来るだけの状況にあるか。その事業は本当に正当なものか。などのチェックはかけますが、それ以上に我々が重視しているのは、人柄ですね。貸した人にいかに我々が信頼されるか、親友のように思ってくれるか、ということが重要なんです」手塚「普通は逆ですよね」田中「でその結果、今までに累計で6億円貸し出しましたが、貸し倒れは一つもありません」

 手塚「未来バンクの今後についてお聞かせください」田中「未来バンクはお金の使い方にもう少し気を使おうというのが狙いです。お金は1票を投じるのと同じ価値があるんです。ですからお金について考える機会として、未来バンクがあるんです。もう一つ、お金を地域で独立して回っていくようにしたいんです。実は地方にお住まいの方の方が預金が多いのです。それが東京に集められて使い道が決まるんです。そうではなくて、自分たちのお金は自分たちで運営していく、というようになっていくことが未来の1つの解決策ではないかと思っています。未来バンクを大きくしようとは思っていません。むしろ各地域に、未来バンクのようなものを作ってくれる人がたくさん出てくれることを希望します」


この1年を振り返って 藤崎達也さん

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