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2011年9月11日

最高の3Dは究極の2Dだった...

■3D映画がすっかりお馴染みの存在になってきました。最近は劇場で渡される専用メガネが回収されなくなって、次回それを持参すると料金がちょっと割引になったりします。巨大メカの戦闘シーンとかカーアクションとかでは、明らかに3Dの効果が強く表れるような演出が施されたりもして、映画という芸術のあり方にも影響を及ぼし始めているような気がします■でもやはり、最も迫力があって3D映画の値打ちを感じてしまうのは、空中シーンですよね。それも、鳥のように自由に空を飛び回るみたいなやつ。僕は何といっても『アバター』、それに『ヒックとドラゴン』で、主人公が翼竜にまたがって飛翔する場面のリアルさが忘れられません。最初はうまく竜を操れずヨレヨレだったのが、慣れるにしたがって自由自在に旋回し、急上昇し...。最新の映像技術は、座席に座ったままこんな感覚を味わわせてくれるようになったのか、とびっくりしたわけです■しかし実は、昨日それを上回るような『飛翔』体験をさせてもらいました。ABCホールで上演された劇団かかし座の手影絵を後方から鑑賞させていただいたのです■1時間強、実にたくさんの動物たちがたった4人の俳優さんの『手』だけで描写され、名作童話やオリジナル・ストーリーが演じられました。・・・もうほんとにあのアイデア、そしてそれを実現するテクニック、皆さんのコンビネーション、凄いの一言です■中でも僕が感動してしまったのは、『みにくいアヒルの子』です。誰でも知っているオハナシです■アヒルの巣で、卵が次々と孵ります。ところが、最後に生まれた雛だけが、他の子と姿が違う。この、「アヒルの雛」と「みにくい雛」がちゃんと描き分けられているんです!小さな手の影で!・・・いじめられ仲間外れにされた「みにくい雛」が、水面に顔を伸ばします。すると、その水面に顔が映るんです!それを見てわが身を嘆く雛・・・(それにしても、影絵の鏡像表現て!)・・・やがて雛は、ひと冬を経て美しい白鳥へと成長します。そのメタモルフォーゼ描写が素晴らしい。そして最後!仲間の白鳥たちと共に大空に羽ばたいてゆくシーンで、僕は不覚にもウルっとしてしまったのです■どんな3D映画より、あれは飛んでましたよ確かに。白いスクリーン上の黒い手の影の動きだけなのに・・・

■今回は、かかし座さん初の関西での一般公演だったのですが、前売券は早々に完売、その人気もなるほどとうなづけたのでした。かかし座未体験の方、次の機会には絶対見た方がいいです、うん(艦長)

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