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2012年9月 9日

かっこいい!

■今日は柳家三三独演会の2日目、千秋楽です■今回は怪談特集、僕は昨日夜の部を拝見しました。三遊亭圓朝の傑作といわれる『乳房榎(ちぶさえのき)』。すごかったー!!冒頭で三三さん「怪談と申しましても、稲川淳二さんみたいなのじゃないですから」と笑わせるのですが、まったく、怪談というものに対しての認識を新たにさせられました■おどろおどろしい表現は一切ない。暗闇から化け物が突如現れてワッ!!なんてこともない。でも怖い。文字にするとちょっと陳腐になってしまうのですが、ひたすら人の心が怖いのです。人間の『情』の負の部分。長編人情噺の中の怪異なエピソードが独立して"怪談"として演じられてきたという歴史的経緯からでもあるのでしょうが、圓朝作の傑作怪談・・・『怪談牡丹灯籠』や昨日昼の部で演じられた『真景累ケ淵』、そしてこの『乳房榎』も、広義の人情噺に分類されるみたいです。なるほど■それにしても『乳房榎』のラストは見事でした。圓朝の見事な構成と三三さんの重厚かつ緩急巧みな語り口によって、視覚的印象が実に鮮やか。此の世ならぬものが自らの絵に押した落款、そのまだ乾かない朱肉のてらてらとした感じが、今でも目に浮かぶようです■落語、かっこいい!三三さん、かっこいい!情景描写の地の文が一瞬で登場人物の台詞に変異する、あの"言葉のCG"とでも表したくなるギミックとかね。あれ、やってみたいなー■本日は昼の部のみ、13時から『真景累ケ淵』他、です(艦長)

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