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2017年3月 2日

MONO『ハテノウタ』、明日から

■昨日劇場入りされたお馴染み京都の劇団・MONOさん、『ハテノウタ』、明日初日です■日本の演劇の世界は、最近は何といっても2.5次元もの、そして相変わらずミュージカルが大人気。アニメやマンガの世界を再現するべく若い俳優さんたちが舞台上で飛び跳ねたり、高らかに愛や勇気のメッセージを謳い上げたり・・・。劇場に足を運ぶ新たな若い女性層が生まれてきたような気がします■MONOはそういう派手なお芝居とはずっと無関係な場所で、緻密な台詞の掛け合いによる演劇作りを続けてきました。飛んだり跳ねたり歌ったり、は決してしない劇団だったのです。しかし今回のMONOは、おそらく初めて歌唱シーンいっぱいの作品に挑戦します。ダンスシーンも登場するはず。ミュージカル、というわけではありませんが、新作『ハテノウタ』は、舞台の設定がカラオケボックスなのです。一風変わった、学校の教室風にデザインされたそのボックスに集まっているのは、8人の男女。何故彼らがこの部屋を選んだか?実は彼らはかつてある高校の吹奏楽部に在籍していた同窓生で、今日は久しぶりの同窓会なのです■しかし、何かがおかしい。観ていて違和感がある。男たちは既に中年の風体なのに、女たちはどうみてもまだ20代です。いったい卒業して何年経っているんだこの人たち・・・?■MONO代表の土田英生さんが紡ぐ、いつもの通り可笑しみに溢れた台詞のやり取りが進んでいくうち、次第におそろしい状況が明らかになってきます。一見私たちと同じ空間に生きているかに見える舞台上の男女は、実は私たちが暮らすこことは重大な相違点がある、架空の世界の住人だったのです。さらに、物語中盤で9人目の女性が登場することによって、この世界の在り様の複雑さは一層鮮明になります■淡い恋の思い出話、一緒に歌う懐かしいヒット曲・・・同窓会ならではの本来胸キュンなシーンが、まったく別の感情を伴って観る者の胸に迫ってくるのです■5人の劇団メンバー、常連となりつつある若い女優客演陣に加え、ミュージカルの世界でも活躍する実力派ヴォーカリスト・浦嶋りんこさんがMONO初出演。オリジナル曲も素敵な、現代の切ない寓話がひとつ、誕生しそうです■明日から当ホールで6ステ、そのあと東京ほか3都市で公演です、ぜひ!(艦長)

MONO 『ハテノウタ』 作・演出 土田英生
ハテノウタ.jpg3月3日(金)19:00
   4日(土)14:00 19:00
   5日(日)14:00
   6日(月)19:00
   7日(火)18:30
 
※当日券は開演1時間前から発売

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